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ドーム
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着ている戦闘服が重いのか、両腕で抱えている銃が重いのか、それとも足元を覆う草木がそうさせるのか、切迫した息遣いで走る男の足元はおぼつかない。
どのくらい走り続けているのだろう。彼がどれだけ走り続けても暗闇に近い木々に囲まれた草木が茂る森林が続くだけだった。
彼は戦争の最前線に送り込まれた。
3人、彼は人に向けて銃を打ち、殺した。そして、自分に銃を向けられたとき、彼はあまりの恐怖に、隊から離れ逃げたのだ。
今も遠くでパアンと銃声が鳴り響き、身をかがめた。
銃声を聞くたび、彼は自分は死んだと思い、目を見開く。
再び、パアンと音が響き、彼は身体を屈めようとしたとき、すぐ横の道が崩れていることに気づいていなかった彼は足を滑らせ、転がり落ちる。途中、斜めに生えていた木に手をかけようとするがどの木も弱く、千切れ、彼は地面に背中から叩きつけられる。
男は顔を歪める。
早く遠くへ、遠くへ逃げなければ。男は必死に、急いで立ち上がろうと片腕を地面についた瞬間、ぶわり、冷水を頭から浴びせられたように額から汗があふれる。
痛い。
腕が動かせない。
折れたんだ。
どさり、うつ伏せに倒れる。
しばらくそうして、視界の半分を覆う黒い地面の土を見ていた。
初めは痛みで熱かった腕も、だんだん暖かく感じできた。
あーあー。自分はおかしくなったんだ。
男はふらり、立ち上がり、ふらふら、道のない森林を歩き始めた。
おかしくなったんだ。自分。
もういいや。
死にたい。
心臓が他人事みたいに動く。
涙が出る。
目の前がぼやける。
だんだん煙に包まれていくように、目の前が白くなる。
おかしくなったんだ。
男はそのまま歩く。
歩き、続けると、突然、ゴン、と頭をぶつけた。
鈍い音じゃない、少し高めの音。
しかし目の前には何もない。
足を止めた男は、動く方の腕を上げ、前へと、
出すと、手のひらは煙の中で止まる。何かに触れている感触があった。
少し強めに押すと、手のひらは泥に飲まれるように白い煙の中に飲まれていく。
足を進めた。
身体が沈んでいく。
男は歩いた。
何も聞こえなくなった。
モヤの明るさが自分が住んでいた家の明かりに似ていたから、心地よさを感じた。
進んで行くのに不安はなかった。なにせ銃声が聞こえない。
霧が晴れていく。
霧が晴れて来たころ、街が見えてきた。
彼が住んでいた、国に似ていた町だった。家は多くないけど、それなりに生活には困らない程度に充実している所だった。
食品が並べられた建物が見えた。
男は飛びついて、食べ物を貪った。
身体の中が喜んでいる。もっともっと、と男は食べ物を口に運ぶ。
「おいしいですか」
男が顔を上げると女性が立っていた。
男は女性を突き飛ばす。
女性は尻もちをつく。そして顔を上げ、微笑みながら「あまりにもあなたが美味しそうにお店のものを食べるので、嬉しくなってしまって」と言った。
男はその場に立ち尽くし、自分のしたことを後悔した。
「随分、食事をしていなかったのですね。どうぞ、あがって、ご飯を食べていってください」
女性は町の食品店で働いていた。
見ず知らずの男に女性含め町の住人たちは暖かくもてなしてくれた。
なんの悪意も感じない。
男は女性から紹介された部屋を貸しているという大家に案内され、部屋を一つ借りることになった。
着ていた戦闘服から開放され、自分の好きだった服を着た。
これも住民達が用意してくれた。
それで町を歩いた。
上を向いた。
青空を見た。久々に青色をみた。目尻がゆっくり切り開かれていくように視界が開いていく。まぶたの隙間に風が入る。雲は一つもない。太陽もうるさくない程度に明るい。
この感覚は嘘ではなかったんだ。今男が感じている感覚そのもの。男は生きている。
夢ではない。
男は空に向かって口を開いて微笑んだ。
自分は平和になったんだ。
平和を手に入れたんだ。
男は大工として仕事を始めた。
初めにあった女性とよく話すようになった。
いつも微笑んで自分を出迎えてくれる女性に男は惹かれていった。
男と女性は恋仲になった。
男と女性は結婚して、子供を作り、家族になり、一軒家に住むことになった。
平日は仕事をし、休日は子供を連れて外にでかけた。
外に出ると、自分と同じような人にたくさん出会った。
これが普通なのだと安心する。
お父さん。と男に向かって男の子供が駆け寄る。子供は転ぶ。
男が慌てて近づき、子供を抱き上げると子供は膝から血を流していた。
「大丈夫かい?」
子供に聞く。
「どうして?」
と子供は男に聞いた。
「…、泣かなかったな。えらいな」
と男は子供の頭を撫でた。
その日、妻に男は子供が怪我をしたことを話した。妻はいつものように微笑みながら、子供の怪我した膝を「あらら、かわいそうに」と撫でた。
「きみはいつも微笑んでいるね」
男は妻にいった。
「そうかしら」
妻は笑いながら首をかしげる。
「いや、素敵だと思って」
男は本心で言った。
「ならこの町の人たちはみんな素敵な人たちね。だってみんな笑っているもの」
「そういえばそうだ。いい町に住んでいるね。僕たちは」
男は嬉しくなった。
「みんな優しい人たちで良かったわ」
ここまで妻はずっと微笑んだまま話していた。
翌日、仕事をしていた男の頭上から釘が雨のように降り注いだ。
男は怪我はしなかったが、周辺で仕事をしていた仲間が腕に傷を付けてしまった。男は釘を落とした犯人を問い詰め怒鳴りつけた。
「ふざけているのか!」
落とした犯人、これも仕事仲間は微笑んでいた。
「ごめんなさい」
「どうしてそんなに怒っているんだ」
男と仕事仲間の間に割り込むように怪我をした人間が微笑みながらやってきた。
「きみは怪我をさせられたじゃないか」
「怪我をさせられただけだろう」
仕事仲間達はいつも通りに仕事を再び始めた。
男はハンマーを持った。
すぐ横にいた同僚の頭に振り下ろす。
男の方に振り返った同僚は頭から血を流していた。
「何か用事があるなら声で言ってくれよ」
同僚は困った顔で笑いながら言った。
その週の休日、男は家の椅子にぐったり座っていた。
台所から、妻と子供の楽しげな声が聞こえて来るからそっちを見た。
「お父さん喜んでくれるといいわね」
「お父さんを元気にするんだ」
子供は腕まくりをして妻と一緒に何やら男のために調理を始める。
妻が子供を置いて少し台所から離れた。
男は子供の様子を見た。
子供の横に包丁が置いてあった。
子供は気づいていないのか、肘が包丁にあたり、徐々に包丁は台所の縁にずれていく。
男が肝を冷やしたときには遅かった。
包丁が落下し、子供の足に突き刺さったのだ。
男は叫んだ。
子供に駆け寄り、包丁を引き抜く。手であふれる血を抑える。子供を見た。
子供は男を見て困った顔をしている。
「大丈夫か」
男は子供に聞く。
「どうして?」
と子供は男に聞いた。
「どうしたの?」
聞こえてきたのは妻の声だった。
男が振り返ると妻が両手に食材を持って立っていた。
「包丁が落ちたんだ。医者を、呼ばなければ」
慌てる男をの顔を妻は微笑みながら、うなずく。
「はい。わかりました」
「なぜ急がないんだ!」
「だって包丁が刺さっただけでしょう?」
妻は微笑みながら言う。
男は子供の足から引き抜いた包丁を握りしめる。
「あらら、あなたいけないわ。そんな怖い顔して」
男は「ふざけんな」と包丁を妻に向けた。妻の顔は微笑んだままだった。
「大丈夫だよ、お母さん。僕ぜんぜん痛くない」
子供は男を見ていた。
「お父さんどうして怖い顔をしているの?」
「どうして、そんなに平然としていられるんだ」
「どうして?お父さんお母さんを怒らないで」
「あなた、そんな怖い顔をしていたら、平和に暮らせなくなるわ」
「子供が、包丁が、刺さったんだぞ」
「さあ、あなた笑ってちょうだい」
男は叫び、包丁を妻に向かって投げつけ、すぐ近くの部屋の壁に頭を打ち付けた。壁に血の跡が広がる。男は振り返り、妻と子供を見た。妻の腹部に包丁が突き刺さっていた。二人とも微笑んでいる。
「うわああああああああああああ゛あ゛!!!!!こんなところにいたら頭がおかしくなっちまう゛ううううううう゛!!!」
男は裸足で家を飛び出した。
歩道の人をかき分け初めに来た道を目指し走る。
突き飛ばす人々はなにもいわなかった。
激しく突き飛ばされてもなにも言わない。突き飛ばされた人が車に引かれても誰もなにも言わない。
今日は雲一つない青空が広がるいい天気だ。
風が優しく木々を撫でる音。小鳥たちのさえずりが時々、良いアクセントになって耳元へと素敵な音楽となってやってくる。今日はなんていい日なのだろうとみんな幸せそうに大手を振って、歩いて、笑っている。
半狂乱で叫ぶ男の目に入る人々はみんなそうだった。
男が走り続けていると、徐々に霧がかかっていく。
懐かしさを感じ、それを頼りに走り続ける。
全身が泥に飲まれる感触。
それをかき分け、身体が軽くなった所で男の目の前に暗い森林が広がった。
男はそれを見て歓喜の声を上げ、同時に両手を上に突き上げた。
足の動きを緩めていく。とたんに数発銃声が鳴り響くと、男は糸が切られた操り人形のように前に倒れた。
すでに死んでしまった男の顔は歯をむき出して笑っていた。
どのくらい走り続けているのだろう。彼がどれだけ走り続けても暗闇に近い木々に囲まれた草木が茂る森林が続くだけだった。
彼は戦争の最前線に送り込まれた。
3人、彼は人に向けて銃を打ち、殺した。そして、自分に銃を向けられたとき、彼はあまりの恐怖に、隊から離れ逃げたのだ。
今も遠くでパアンと銃声が鳴り響き、身をかがめた。
銃声を聞くたび、彼は自分は死んだと思い、目を見開く。
再び、パアンと音が響き、彼は身体を屈めようとしたとき、すぐ横の道が崩れていることに気づいていなかった彼は足を滑らせ、転がり落ちる。途中、斜めに生えていた木に手をかけようとするがどの木も弱く、千切れ、彼は地面に背中から叩きつけられる。
男は顔を歪める。
早く遠くへ、遠くへ逃げなければ。男は必死に、急いで立ち上がろうと片腕を地面についた瞬間、ぶわり、冷水を頭から浴びせられたように額から汗があふれる。
痛い。
腕が動かせない。
折れたんだ。
どさり、うつ伏せに倒れる。
しばらくそうして、視界の半分を覆う黒い地面の土を見ていた。
初めは痛みで熱かった腕も、だんだん暖かく感じできた。
あーあー。自分はおかしくなったんだ。
男はふらり、立ち上がり、ふらふら、道のない森林を歩き始めた。
おかしくなったんだ。自分。
もういいや。
死にたい。
心臓が他人事みたいに動く。
涙が出る。
目の前がぼやける。
だんだん煙に包まれていくように、目の前が白くなる。
おかしくなったんだ。
男はそのまま歩く。
歩き、続けると、突然、ゴン、と頭をぶつけた。
鈍い音じゃない、少し高めの音。
しかし目の前には何もない。
足を止めた男は、動く方の腕を上げ、前へと、
出すと、手のひらは煙の中で止まる。何かに触れている感触があった。
少し強めに押すと、手のひらは泥に飲まれるように白い煙の中に飲まれていく。
足を進めた。
身体が沈んでいく。
男は歩いた。
何も聞こえなくなった。
モヤの明るさが自分が住んでいた家の明かりに似ていたから、心地よさを感じた。
進んで行くのに不安はなかった。なにせ銃声が聞こえない。
霧が晴れていく。
霧が晴れて来たころ、街が見えてきた。
彼が住んでいた、国に似ていた町だった。家は多くないけど、それなりに生活には困らない程度に充実している所だった。
食品が並べられた建物が見えた。
男は飛びついて、食べ物を貪った。
身体の中が喜んでいる。もっともっと、と男は食べ物を口に運ぶ。
「おいしいですか」
男が顔を上げると女性が立っていた。
男は女性を突き飛ばす。
女性は尻もちをつく。そして顔を上げ、微笑みながら「あまりにもあなたが美味しそうにお店のものを食べるので、嬉しくなってしまって」と言った。
男はその場に立ち尽くし、自分のしたことを後悔した。
「随分、食事をしていなかったのですね。どうぞ、あがって、ご飯を食べていってください」
女性は町の食品店で働いていた。
見ず知らずの男に女性含め町の住人たちは暖かくもてなしてくれた。
なんの悪意も感じない。
男は女性から紹介された部屋を貸しているという大家に案内され、部屋を一つ借りることになった。
着ていた戦闘服から開放され、自分の好きだった服を着た。
これも住民達が用意してくれた。
それで町を歩いた。
上を向いた。
青空を見た。久々に青色をみた。目尻がゆっくり切り開かれていくように視界が開いていく。まぶたの隙間に風が入る。雲は一つもない。太陽もうるさくない程度に明るい。
この感覚は嘘ではなかったんだ。今男が感じている感覚そのもの。男は生きている。
夢ではない。
男は空に向かって口を開いて微笑んだ。
自分は平和になったんだ。
平和を手に入れたんだ。
男は大工として仕事を始めた。
初めにあった女性とよく話すようになった。
いつも微笑んで自分を出迎えてくれる女性に男は惹かれていった。
男と女性は恋仲になった。
男と女性は結婚して、子供を作り、家族になり、一軒家に住むことになった。
平日は仕事をし、休日は子供を連れて外にでかけた。
外に出ると、自分と同じような人にたくさん出会った。
これが普通なのだと安心する。
お父さん。と男に向かって男の子供が駆け寄る。子供は転ぶ。
男が慌てて近づき、子供を抱き上げると子供は膝から血を流していた。
「大丈夫かい?」
子供に聞く。
「どうして?」
と子供は男に聞いた。
「…、泣かなかったな。えらいな」
と男は子供の頭を撫でた。
その日、妻に男は子供が怪我をしたことを話した。妻はいつものように微笑みながら、子供の怪我した膝を「あらら、かわいそうに」と撫でた。
「きみはいつも微笑んでいるね」
男は妻にいった。
「そうかしら」
妻は笑いながら首をかしげる。
「いや、素敵だと思って」
男は本心で言った。
「ならこの町の人たちはみんな素敵な人たちね。だってみんな笑っているもの」
「そういえばそうだ。いい町に住んでいるね。僕たちは」
男は嬉しくなった。
「みんな優しい人たちで良かったわ」
ここまで妻はずっと微笑んだまま話していた。
翌日、仕事をしていた男の頭上から釘が雨のように降り注いだ。
男は怪我はしなかったが、周辺で仕事をしていた仲間が腕に傷を付けてしまった。男は釘を落とした犯人を問い詰め怒鳴りつけた。
「ふざけているのか!」
落とした犯人、これも仕事仲間は微笑んでいた。
「ごめんなさい」
「どうしてそんなに怒っているんだ」
男と仕事仲間の間に割り込むように怪我をした人間が微笑みながらやってきた。
「きみは怪我をさせられたじゃないか」
「怪我をさせられただけだろう」
仕事仲間達はいつも通りに仕事を再び始めた。
男はハンマーを持った。
すぐ横にいた同僚の頭に振り下ろす。
男の方に振り返った同僚は頭から血を流していた。
「何か用事があるなら声で言ってくれよ」
同僚は困った顔で笑いながら言った。
その週の休日、男は家の椅子にぐったり座っていた。
台所から、妻と子供の楽しげな声が聞こえて来るからそっちを見た。
「お父さん喜んでくれるといいわね」
「お父さんを元気にするんだ」
子供は腕まくりをして妻と一緒に何やら男のために調理を始める。
妻が子供を置いて少し台所から離れた。
男は子供の様子を見た。
子供の横に包丁が置いてあった。
子供は気づいていないのか、肘が包丁にあたり、徐々に包丁は台所の縁にずれていく。
男が肝を冷やしたときには遅かった。
包丁が落下し、子供の足に突き刺さったのだ。
男は叫んだ。
子供に駆け寄り、包丁を引き抜く。手であふれる血を抑える。子供を見た。
子供は男を見て困った顔をしている。
「大丈夫か」
男は子供に聞く。
「どうして?」
と子供は男に聞いた。
「どうしたの?」
聞こえてきたのは妻の声だった。
男が振り返ると妻が両手に食材を持って立っていた。
「包丁が落ちたんだ。医者を、呼ばなければ」
慌てる男をの顔を妻は微笑みながら、うなずく。
「はい。わかりました」
「なぜ急がないんだ!」
「だって包丁が刺さっただけでしょう?」
妻は微笑みながら言う。
男は子供の足から引き抜いた包丁を握りしめる。
「あらら、あなたいけないわ。そんな怖い顔して」
男は「ふざけんな」と包丁を妻に向けた。妻の顔は微笑んだままだった。
「大丈夫だよ、お母さん。僕ぜんぜん痛くない」
子供は男を見ていた。
「お父さんどうして怖い顔をしているの?」
「どうして、そんなに平然としていられるんだ」
「どうして?お父さんお母さんを怒らないで」
「あなた、そんな怖い顔をしていたら、平和に暮らせなくなるわ」
「子供が、包丁が、刺さったんだぞ」
「さあ、あなた笑ってちょうだい」
男は叫び、包丁を妻に向かって投げつけ、すぐ近くの部屋の壁に頭を打ち付けた。壁に血の跡が広がる。男は振り返り、妻と子供を見た。妻の腹部に包丁が突き刺さっていた。二人とも微笑んでいる。
「うわああああああああああああ゛あ゛!!!!!こんなところにいたら頭がおかしくなっちまう゛ううううううう゛!!!」
男は裸足で家を飛び出した。
歩道の人をかき分け初めに来た道を目指し走る。
突き飛ばす人々はなにもいわなかった。
激しく突き飛ばされてもなにも言わない。突き飛ばされた人が車に引かれても誰もなにも言わない。
今日は雲一つない青空が広がるいい天気だ。
風が優しく木々を撫でる音。小鳥たちのさえずりが時々、良いアクセントになって耳元へと素敵な音楽となってやってくる。今日はなんていい日なのだろうとみんな幸せそうに大手を振って、歩いて、笑っている。
半狂乱で叫ぶ男の目に入る人々はみんなそうだった。
男が走り続けていると、徐々に霧がかかっていく。
懐かしさを感じ、それを頼りに走り続ける。
全身が泥に飲まれる感触。
それをかき分け、身体が軽くなった所で男の目の前に暗い森林が広がった。
男はそれを見て歓喜の声を上げ、同時に両手を上に突き上げた。
足の動きを緩めていく。とたんに数発銃声が鳴り響くと、男は糸が切られた操り人形のように前に倒れた。
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