鏡の中へ···

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鏡の中へ····[2]

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実体のない世界の中を····わたしは見回してみた····。····しかし、その世界はただただ暗闇が拡がっているだけだった。あわてたわたしは、何処かの壁のようなものにぶつかった。わたしは、僅かな光を頼りにさまよう。·····················································································································································································································································································································································································································································································································································································································あたりには、冷たい空気が漂い、わたしはその冷たい空間から片時も抜け出すことが出来なかった。口から吐き出した息が····まるで綺羅星のように、暗闇の中で煌きながら····空間の中を流れてゆく····。                                                     ·····················································································································································································································································································································································································································································································································································································································どのくらい経っただろうか?   わたしは、もう此処が何処なのか分からなくても良くなっていた。その真暗な洞窟のような空間は、言ってみれば、わたしが行ったり来たりするためにあるようなものなのだ。····こちらへいらしてください····。                                                  得体の知れない女の声が、わたしの心の中を駆け巡る。··············································································································································································································································································································································································································わたしは、恐怖を抑えるのに必死の思いだった····が、序でわたしは、真珠にも似た薄紅色に耀く宝石を両手いっぱいに拾い集めていた。しかし、そのような宝石が何故此処に····こんなにも多く存在しているのか····不思議に思えて仕方がなかった····。もしも此処が単なる宝石の隠し場所であるとするならば、都合が悪く思えてしょうがない····。··············································································································································································································································································································································································································わたしは、宝石を元に戻し光の方へ向かって歩いて行った。身体を通すのがやっとの狭苦しい通路を抜け出し、やっとの思いで、表の広場に出ることが出来たのだ。
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