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うわさと嫌な予感

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「上官がそういうなら俺に異存はありませんが…まぁ本来の目的は憑依後の戦闘力がどれほど落ちるかという話ですね。」


 と、なると元の俺と上官のレベル差は2ランクくらい下だったがその上官にギリ勝ちのような負けのような戦いだったので3ランクダウンくらいに考えていたほうがいいかな。


「そうだな。近接戦闘力は私と同等前後くらいまで下がったと報告書に書いておくよ。」


 そういうと上官はなにやらメモを取り出した。


「さすが上官はマメですねぇ…俺はそういうのは苦手なもので…」

「戦闘力で部下に負けているのにそれ以外も負けていたら私の存在価値が無いだろう。なんならお前が私の立場になってみるか?」


 そういいながら上官が俺にメモを渡そうとしてくる。いやいや絶対嫌だぞそんなの。


「ちょ、勘弁してください!俺なんかが人をまとめるとかできるわけ無いでしょ。部隊リーダーをまかされてますがあくまで戦闘力で黙らせているだけで慕って俺についてきてるやつなんていませんよ。」


 みんな俺の寝首をかくことを狙ってるようなやつらだ。

 まぁだからと言って俺はそれを悪いこととは思わないがな。軍人なんてそんなものだ。より強いやつを倒して自分が一番になりたい…それくらいの気概が無いと軍人は務まらない。


「今頃お前の追放処分がうわさになっているかもな。ネクロノミコンの話は完全に秘密になっているが追放されることは特に秘密じゃないからな。」

「そうなんですか!?俺の個人情報保護法はどこに言ったんですか?がばがばじゃないですか」


 おいおい…ネクロノミコンのことは秘密だろうけど女子校の事はどうなんだ?女装して女子校行くとか思われて無いだろうな?いくらなんでもそれだけは勘弁してほしい。






―その頃ロイがいた部隊待機部屋―



「おい、聞いたか?ロイが追放になるらしいぞ!」


 軍人である男が服を着替えながら隣にいた同僚に話しかける。


「え?俺は公開処刑になるって聞いたけど?」


 同僚のほうの男は飲んでいたコーヒーをこぼしそうになりながら聞き返す。


「うそ?俺は暗殺されることになっているって聞いたぞ?」


 また別の男が話しに加わる。


「なんだなんだ?どの情報が正しいんだ?」


 騒ぎを聞きつけたロイが指揮していた部隊の軍人たちがわらわらと集まってくる。


「まぁどれが正しいにしろロイがこの部隊に戻ってくることは無いってことだな。」


 そこでただ一人、この事態に違和感を感じている男がいた。


「へぇ…それはまた…(これはなにかあるな…少し調べてみるか…)」


 拷問卿と呼ばれている男でその名をガスゲイルと言う。性格が少しアレ過ぎて孤立しているがその強さはロイに匹敵するとも言われている。

 ことあるごとにロイに絡んでは戦闘に持っていこうとする厄介な男でロイの苦手とする男だ。


 そんな男が今ロイの行方の真相を探り始めたのだった。







「くっしゅん」


 不意に悪寒を感じとても俺の口から出たとは思えないようなくしゃみをしてしまう。


「何だロイ?ずいぶんかわいらしいくしゃみをするようになったじゃないか。その体になっていいこともあったな。」

「上官からからかわないでくださいよ…」

「はははは」


 それにしても嫌な予感のするくしゃみだ。すっごいさむけがした…
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