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街の人々

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「私は将来の自分のための打算でやってるだけです。誉められるような事ではありません。」

 やっぱ気恥ずかしさを我慢できないので否定しておく。だが…

「ぷははははは!!いやはやお嬢にもそんな子供っぽいところがあったとはな!いやいやお嬢の年齢考えれば充分大人か。6歳で16歳並の考えが出来るならホントすごいぜ。お嬢にも善意だけではない打算があるってんだろう?…んな事は分かってんだよ。分かった上で立派だって言ってんだよ。大人はみんな打算で生きてるんだよ。ただその打算が他の人のためになるかそれとも自分だけのためだけなのかで価値が決まる。お嬢は自分のためのついでに他の人のためになる事をしてるんだからそれが良いんだよ!がはははは!」

 なんだか大爆笑されてしまった。うぅ…この護衛さん見た感じ30歳前後だから私の実年れ…ゴホン…私のピーーーよりは下なんだけどなぁ…まぁそれは護衛さんのが引きこもりだった私なんかより人生経験があるから大人な考えが出来るのは分かるけど…私の考えが16歳程度と言われてしまった…
 うぐぐぐ…悔しいがその通りなのかも知れない引きこもりオタクな私が精神的に成長しなくて学生の頃のままって言われればそうかもしれない。
 その後死んでまた学生をやって挙句の果てには今小学生だもん。そりゃー精神は16くらいになるかもね…
 ふん…いいわよ。それだけ私は若いってことなんだから。見た目も精神も若いって事だから褒め言葉として受け取っておくわ。

「ありがとうございます。そういってもらえると助かります。」

 一応感謝を伝えておく。それに対して護衛さんはこちらに背を向け馬車の外に出ながら手をピコピコと振る。「気にすんな!」ってところかしらね。
 そして私もゆっくり進む馬車の窓から外に顔を出す。

「みなさまークラーク家のサラです!」
 
 出来るだけ遠くの人まで聞こえるように大きな声で話してみる。

「おぉ!サラ様だ。」
「すげー本物だ。」
「俺初めて見たわ。」
「ばかやろう!そんなのみんな一緒だよ!」
「誰だって貴族様の顔なんて俺たち庶民が見る事なんてほとんどねぇよ」
「そりゃそうか」
「それをわざわざ出向いてくれてる事がどれだけの事か考えてみろ!」
「え?そりゃー…つまりやべぇってことか?!」
「そうだよー!やべぇんだよ!」

 なんか顔を出しただけなのにすごい反応だ。
「今回の事は皆様にご協力いただいた事大変感謝しています。」

「感謝だってよ!俺ら貴族様に感謝されたのかよ!?」
「そうみたいよ!びっくりよ!ねぇ。」
「てか、あの顔見ろよ。お前のところのジャガイモ娘と比べてなんだあの顔のサイズ。それに整った顔。同じ人間とは思えねぇな!」
「あぁ…確かにお前の言いたい事は激しく同意だが…誰の娘がジャガイモだって?あとでテメェぶっ殺すからな!」

 なんか変なところで争いが起きてしまった。私ごときでそんな事言ってしまったらイリス様見たら失神するんじゃなかろうか…
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