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領民の暮らし

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「あの…お父様?マーカスを追い詰めるのにいったいどれだけの方が手を貸してくださったんですか?軍まで動かして…」
「王国とオブライエンの軍だけで100が二つだからな。その他にも我が領民が1000人は軽く超えているが正確な数は分からん。宝石強盗事件でサラが有名になったから街のみんなまで動いてくれたのだ。無償でな…いやはや…さすが私の天使…領民に慕われてこれだけの数がすぐ動くなんて…しかも数日にわたって…」

 ななな…1000って…しかも何日も…お父様…それ天使だとか言ってる場合じゃないわよ。

「お父様!そんなのんきな事言ってる場合じゃないですわ。領民の経済とか破綻しちゃいますよ。ちゃんとお礼として救済政策しないと…せっかく人気あっても経済不安で領民一揆とか起きたらどうするんですか!?」

 この国の国民の精神は微妙なバランスの上で立ってるんだから…十数年後の未来ではそれが傾いて私は殺されちゃうんだから。きっちりしないと!

「お、おう…そうだな…サラの人気と忠誠心の高い領民に感激していてそんなこと考えもしなかったよ。さすがサラはえらいな。真っ先に領民の暮らしを考えれるなんて…そういう所が人気の秘訣か…」

 ダメだ…なんとかしないと…お父様は事務は優秀な人なのに私の事が関わってるから今回の件では完全にポンコツになってしまっている。こんなお父様に任せていてはダメね。

「お父様…私はしばらく学校をお休みして街の視察とお礼をしてきます。手続きをお願いしてもよろしいでしょうか?」
「ん?あぁ…それはかまわないが…いやそもそも今は学校の方も休校でな…あっさりマーカスに進入された警備体制にも問題があると言うことで改善されるまで他の貴族たちも自分の子供を預けることが出来ないと不安がって休校になった。だから王子たちの謹慎もホント形だけと言う意味だ。休校明けと同時に謹慎も解除されるらしい。」

 そうだったのか…心配して損したわ。確かにあんな事件があって学校をそのまま続けるわけに行かないわよね。

「あと…これはまだ極秘の話だが…マーカスが侵入した経路は誰かの親族として侵入したみたいなんだ…つまり…協力者がいたと言うことだ。どうにかしてそいつをあぶりださないといけない。」

 確かに…普通に進入はあの高い壁を登るとかしないといけないけど目立ちすぎるしそんなやついたら即通報されるわよね。要するにマーカスは協力者と一緒に入り口から堂々と入ったわけね。
 でもいったい誰が協力者なのだろう…同じ学年の子の親が犯人なのは確実…と言う事はもしかしたらいずれ友達になるかもしれない子の親が…あんまり考えたくない話ね。
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