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落ち込まなくてもいい

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「と、とりあえずもうこれだけよね?他に爆弾じみた私の知らない記憶とかないよね?」
『たぶんないと思うわ。』

 たぶん…と来たか。これはあとから何かあるかもしれないな。一応覚悟はしておこう。

『あ~そうだ…やっぱさっきの魔法説明はこの世界にふさわしくないのでまた記憶回収しておくね。ちょっとふんわりした内容の記憶にしておくよ。』

 え…えぇぇえぇ!?!?

 私が何かを言い返す間もなく私はまた光に包まれて元の現実に戻ってきた。

「サラ!?大丈夫か?なんか急に光ったと思ったが…例の回復魔法なのか?」
「あ…お父様…はい…そうですけどダメでした。残念ながらこの魔法自分には基本的には使えないみたいです。対象と魂をつないで協力する事で回復の効果が発動するみたいで自分にかけると過負荷で魂に傷が付くようなのです。今回は発動するより前に魔法が失敗したので良かったけど自分には二度と使えませんわ」

 ん?なんか魔法の説明に違和感感じるけどこんなだったかな?気のせいかな?気のせいよね。

「そうか…そんな危険なリスクがあるのでは自分には使えないな。そもそも人はそんなものなくても生きていけるんだ。別に落ち込む必要はないぞ?サラ。おまえは他者であれば回復させられるなんて言う特異な事が出来るんだ。充分すごいんだ。自信を持っていいんだぞ。」

 そ、そうよね。落ち込む必要はないわね。

 それよりも学校どうしよう…せっかく入学したのに初日から大怪我で何日も休むなんて…それにあの子供たち大丈夫かな?勉強教えてあげるって言ったのに行けなくなるなんて…メル先生ちゃんと教えてくれるよね?私の事うらんでなきゃいいけど…私の勉強自体はあと6年小学校卒業まで寝てすごしてもトップレベル維持できると思うけどみんなが学校行ってるのに私だけ行けないのはさびしいなぁ…せっかくレオン王子が頑張って入学してくれたのに…そう言えばレオン王子私の事心配してくれてたのかな?

「そう言えばレオン王子とついでにキースは…」
「あーそれな…サラを発見したあとすぐに王国の馬車に報告してキースにも連絡したら力を貸してくれてな…それ自体は良いんだが…国王とオブライエン侯爵当主に許可を取らずに強行に軍を動員してな…二人とも今は謹慎処分だよ。悪事を働いたわけじゃないから形だけのものだけど一応立場上問題があるからなぁ…国王も当主も断腸の思いの選択だよ。」

 え?軍を動員?ななななななんで??二人が心配してくれたのは分かるけど何でそんな話に…
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