77 / 93
神罰
しおりを挟む
「なんだって!?うちの領の守り神様であるサラ様がマーカスとか言うのに怪我をさせられただと!?」
「宝石強盗事件の英雄であるサラ様が!?」
「庶民さえ守ってくれるサラ様が!?」
「探せ!マーカスとか言うのを見つけて八つ裂きにしろ!」
馬鹿な…俺は今何を見ているんだ…これが現実なのか…あれから二日間逃げ回っている。何でたかが子爵の娘を数発蹴って怪我させただけでこれだけの人間が動くんだ…これじゃ生かして逃げてきた意味がないじゃないか!
普通10人くらいだろう!どうみてもこれは1000人規模で俺を捜索されている。ふざけんなよ…こんな事があってたまるか!
そんな!?あそこにいるのは王国軍!あっちはオブライエン家の家紋が入った鎧を着た兵士たち。なんだこれ…これじゃとても逃げ切れない…
馬鹿な…百歩譲って王国軍は分かる。あの小娘とは関係なくイリスとレオンを殺しかけた俺を血眼で捜すのはわからなくもない。でもそれでも少しおかしいがな…俺がいた頃の王国軍ならそれでも軍を動かすのにまず会議をしてからだから少々動きが早すぎるのが気になるが…とりあえず動くこと自体は納得は出来る。
だが、オブライエン家は関係ないだろ!?あの小娘はそれだけの価値があるとでも言うのか!?まさか王国軍もイリスとレオンとは関係なくほんとはあの小娘のためだけに動いているとしたら?王国軍さえも動かすほどの価値があの小娘にあるとしたら…もしそうならあの時小娘を生かしておいたのは俺の人生の最大の失策になるのでは…
いやいやいや…馬鹿か俺は!?そんなことあるか!ふざけんな!たかが子爵の6歳の子供が王子や王女より価値があるとか世迷言を考えるとか完全に冷静さを失っている。落ち着け…このままではあっという間に捕まってしまう。何とか脱出用の船のところまで行かないと…
「いたぞ!あそこだ!撃て!」
くそ!弓兵に見つかってしまった!
ヒュン!ヒュン!ヒュン!
矢が雨のように降ってきた。ちくしょぉぉお!かわしきれない!
ザクッザクッザクッ!
「ぐはぁあああ!!!」
右腕に一本わき腹に一本みぞおちに二本矢が刺さった。
こんな馬鹿なことが…まさかこれが神罰!?こんな事があるというのか。俺があの小娘に蹴りを入れた場所と同じ場所に刺さるなんて!
幸いといっていいのか分からないが皮鎧を着ていたおかげで内臓までは刺さっていないが確実に筋肉は突き破っているのでこのままでは失血死してしまう。なんなんだ!なんなんだ!俺は何に手を出したんだ!?あの小娘は神の使いとか天使だとでも言うのか!それに暴行した俺は『死あるのみ』だとでも言うのか。ふざけんなぁあああ!
「宝石強盗事件の英雄であるサラ様が!?」
「庶民さえ守ってくれるサラ様が!?」
「探せ!マーカスとか言うのを見つけて八つ裂きにしろ!」
馬鹿な…俺は今何を見ているんだ…これが現実なのか…あれから二日間逃げ回っている。何でたかが子爵の娘を数発蹴って怪我させただけでこれだけの人間が動くんだ…これじゃ生かして逃げてきた意味がないじゃないか!
普通10人くらいだろう!どうみてもこれは1000人規模で俺を捜索されている。ふざけんなよ…こんな事があってたまるか!
そんな!?あそこにいるのは王国軍!あっちはオブライエン家の家紋が入った鎧を着た兵士たち。なんだこれ…これじゃとても逃げ切れない…
馬鹿な…百歩譲って王国軍は分かる。あの小娘とは関係なくイリスとレオンを殺しかけた俺を血眼で捜すのはわからなくもない。でもそれでも少しおかしいがな…俺がいた頃の王国軍ならそれでも軍を動かすのにまず会議をしてからだから少々動きが早すぎるのが気になるが…とりあえず動くこと自体は納得は出来る。
だが、オブライエン家は関係ないだろ!?あの小娘はそれだけの価値があるとでも言うのか!?まさか王国軍もイリスとレオンとは関係なくほんとはあの小娘のためだけに動いているとしたら?王国軍さえも動かすほどの価値があの小娘にあるとしたら…もしそうならあの時小娘を生かしておいたのは俺の人生の最大の失策になるのでは…
いやいやいや…馬鹿か俺は!?そんなことあるか!ふざけんな!たかが子爵の6歳の子供が王子や王女より価値があるとか世迷言を考えるとか完全に冷静さを失っている。落ち着け…このままではあっという間に捕まってしまう。何とか脱出用の船のところまで行かないと…
「いたぞ!あそこだ!撃て!」
くそ!弓兵に見つかってしまった!
ヒュン!ヒュン!ヒュン!
矢が雨のように降ってきた。ちくしょぉぉお!かわしきれない!
ザクッザクッザクッ!
「ぐはぁあああ!!!」
右腕に一本わき腹に一本みぞおちに二本矢が刺さった。
こんな馬鹿なことが…まさかこれが神罰!?こんな事があるというのか。俺があの小娘に蹴りを入れた場所と同じ場所に刺さるなんて!
幸いといっていいのか分からないが皮鎧を着ていたおかげで内臓までは刺さっていないが確実に筋肉は突き破っているのでこのままでは失血死してしまう。なんなんだ!なんなんだ!俺は何に手を出したんだ!?あの小娘は神の使いとか天使だとでも言うのか!それに暴行した俺は『死あるのみ』だとでも言うのか。ふざけんなぁあああ!
0
お気に入りに追加
41
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】悪役令嬢エヴァンジェリンは静かに死にたい
小達出みかん
恋愛
私は、悪役令嬢。ヒロインの代わりに死ぬ役どころ。
エヴァンジェリンはそうわきまえて、冷たい婚約者のどんな扱いにも耐え、死ぬ日のためにもくもくとやるべき事をこなしていた。
しかし、ヒロインを虐めたと濡れ衣を着せられ、「やっていません」と初めて婚約者に歯向かったその日から、物語の歯車が狂いだす。
――ヒロインの身代わりに死ぬ予定の悪役令嬢だったのに、愛されキャラにジョブチェンしちゃったみたい(無自覚)でなかなか死ねない! 幸薄令嬢のお話です。
安心してください、ハピエンです――
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる