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厄災という名のあいつがやってきた

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 そんなわけで私は今この町ではイリス王女よりも人気が高いのだ。領民の味方、英雄、アイドル、そういう扱いを受けている。
 王女よりも人気とかそれ私が国家反逆罪で処刑されない?大丈夫?私の知らないところで勝手に死亡フラグをたてに行かないでよね?ホント勘弁してほしいわ…まさかこんなじたいになるなんて…
 でもまぁ…それでも店員さんの命も救えたし…経済破綻での自殺者も救えたしそのデメリットがこれくらいなら笑って受け入れ…れ……れ…れるかああああああああ!!!!

 仕方ないってわかってるけどこれ以外の選択肢がなかったのはわかってるけどさすがに笑って受け入れるなんてほどのんきな性格はしてないわ。
 はぁ…つらい…
 こんな日はレオンとうちの庭でデートでもして…

「おーーいサラ嬢!来てやったぞ!」

 まぁ…レオンから誘いに来てくれるなんて…って違うわ!!!こんな誘い方するのはレオンじゃない。
 あいつだ!キース…この人と関わると私がレオンに殺されるルートが開きかねないから関わりたくないのに…何で来たんだ…

「サラ嬢!いないのかー?今月が誕生日だと聞いて祝いに来てやったぞー!」

…たくなに目線だよ!王子ですら私に丁寧に接してくれるのにキースは完全上から目線で話す。
 いや…まぁ常識で言えばキースが正しくてレオンがちょっと非常識なくらい私に優しいだけなんだけどさ…それでもなんかやっぱ納得できないよね。王子より偉そうって…
 仕方ない…一応社交辞令だけはやらないとさすがに貴族相手に階級を無視した無礼をするなんて出来ないわ。

「これはこれはオブライエン侯爵家のご子息様…わざわざこのような僻地に御足労頂きまことに感謝の念が耐えません。つきましてはこのような子供の私が相手するなど大変無礼と思われますのでこれより先は私の父であるロバートがお相手いたしますのでご容赦くださいませ。」

 どうだ!名前を呼ばない他人行儀。徹底的な距離のある会話。そして最後はお父様爆弾よ!これでキースなんていちころよ。

「ん?なに言ってるんだ?訳わからんことを言うなよ。俺はお前に会いに来たんだ。父親なんかと話してもつまらんぞ。よし行くぞ!」

 このくそがきぃぃいぃイケメンだからって何でも許されると思うなよ!空気読みなさいよ!!てか、勝手に女の子の手を握って引っ張るんじゃない!そういうのはもっと雰囲気があるシュチュエーションで…いやそういう問題じゃなくて普通これだけ言われたら心が折れてうなだれて帰るものでしょうが!
 まったく…これだからお子様は皮肉が通じないから困るわ。
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