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サラの策略

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「落ち着けサラよ。そうおびえなくていい。確かに私も魔法の事は驚いているがそのおかげでレオンも無事死なずにすんだのだ。そのことでお前を責めたり処分しようなどとは思っておらん。そんな連中がいるならこの俺が許さんよ」
「陛下…」
「つまりこの世にはわれわれの知らない力がありお前はそれが使えその力でレオンを救ったと言う事だな?」
「はい。その通りでございます陛下。」
「そうか…だが今回の事はことが重大すぎる…幸いこの事を知っているのはレオンにイリスに私にロバートこれだけだ。全員が黙っていればなかった事には出来る。問題は王子が刺されたのにまったくの無傷と言う事実をどうするかだ…サラが魔法とやらをつかったと発表するにはあまりに危険すぎるしかと言ってロバートがどうにかしたと言うのも変だしな…何か良い手はないだろうか…」

 確かにそこをどうするかが問題だよね…
 どうすれば…
 傷があっという間に治ったという状況…これがまずいわけで…うーん
 そもそもあの邪神の杯は王家の人間を殺したがっている節があるんだよね。イリス王女を殺そうとしたり、となると生きてるとまた命を狙われて危険なわけで…

「いっそ死ねばいいんじゃないかな…」
「サ、サラ!?」

 お父様が蒼白な顔で私を見ている。
 あ…ヤバイ…今の部分だけだと完全に不敬罪な発言だ!?

「ほぉ…随分物騒な言葉が聞こえたが何かいい案があるようだな。聞かせてもらおうじゃないか。」

 国王が人の悪い笑みを浮かべながら私を見た。怖い…

「あ…いえ…案と言うほどでもないのですが邪神の杯は王家の命を狙ってるようなのでこのままではまたレオン王子の命が危ないので今回の件で死んだ事にしてどこかに身を潜めてもらってほとぼりが冷めたころに実は王子を安全に療養するために死んだ事にしたと発表。
思ったよりも深い傷じゃなかったため、とある名医のところで安静にしていた。この案を考えその名医を紹介したのがお父様ってことにすれば全て丸く治まるような気がしますが…どうでしょう?」

 即興だがそこまで問題ない気がする。

「ふむ…悪くない案だがひとつ大きな穴がある。王子をどこに隔離しておくのだ?」
「そ、それは…」

 そこが難しいところなんだよね…
 とか思っていると王子がとんでもない事を言った。

「ロバート子爵の領とかってどうかな…なんて…(そしたらもっと一緒にいられるし)」
「うむ…そうだな…一応変装はするにしても万が一王子とばれてもその名医がロバートの領にいると言う話なら話の矛盾にはならないから好都合かもな。」

 確かにそうだけど…でもそれって…

「そういうわけだ。ロバート、お前の屋敷に空き部屋のひとつやふたつあるだろう?
レオンを半年ほど預かれないか?お前の娘のその能力を隠すためでもあるんだ…否はないだろう?」
「いや…まぁ…その…はい…陛下のお心のままに…」

 お父様!?押し切られてしまった。断ろうとしたけど国王には逆らえなかった…
 ど、ど、どうしよう…!?レオン王子と一つ屋根の下で暮らすことになっちゃった!?


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