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王子たちと
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「あ…サラたん…いらったいまちぇ」
お人形のように可愛いイリス王女が私に向かってそのちっさな手でスカートの裾を摘みカーテシーをしながら言った。
うにゃああかわいいぃぃ前回会った時はあんまりまだしゃべれる感じじゃなかったのに。
私がイリス王女の愛らしさに感動していると後ろから国王が話しかけてきた。
「どうだ?うちのイリスも負けてないだろう?今回に備えてしっかり挨拶できるように教育しておいたのだ。」
「えぇ…素晴らしいご成長振りです。やはりイリス様はこの国の至宝でございますね。」
「そうだろう!そうだろう!わかるか?やっぱお前もそう思うか。見る目があるな!」
そう言いながら私の背中をバシバシ叩く。痛ひ…中身大人の私だから耐えれるけど5歳児にこの威力じゃ泣くよ?親馬鹿国王め…
そう言えばよくよく考えれば当たり前のことなんだけど私が王子と結婚したらイリス王女は私の義妹になるわけだよね?こんな可愛い子が妹かー嬉しいような辛いような…
そのうち嫉妬で『姉より優れた妹など存在しねぇ!』とかどこぞの世紀末な人たちみたいになったらどうしよう。
最後私イリス王女に打倒されちゃうよ!やっぱ主人公イリス王女だったんだよ。
はぁ…脳内妄想で負けて凹みそう。
「おい、おまえ!よく来たな!歓迎してやるぞ!あ、ありがたく思え」
(やぁ、サラ!よく来たね!歓迎するよ!遠慮は要らないよ)
なにやら私の耳に副音声が聞こえてくると思ったら横で国王が王子の言葉の通訳をしてくれていた。
「あいつは大人っぽく見られたいがために俺の真似をしてるみたいでな…そのうち…本人が気づくのを待ってるのだがまだ子供だしな…だからせめてサラお前だけはあいつの言葉の意味を理解してやってくれ。空回っているが一応お前によく見られたくてあんな喋りをしているようだ。」
「まぁ同じ歳のお前に気を使ってくれって言うのもなんだがな。ははは」
まったくである。
「お、おい!おまえ!なぜ、パ…じゃなくて父上とばかり話しているのだ!」
「おぉ!怖…まずいな俺まで嫉妬の対象にされちまうな。いい女は辛いね!ほら、いってこい!」
そういって国王は私の背中をパシッと押し王子の前に行かせた。
ほんとにこの国王は何を言っているんだ子供相手に…
そう思いながら私は王子の前でカーテシーをし
「お招きいただき光栄です。王子…ご機嫌麗しゅう。」
「お、おう。気分はいいぞ?うん。お前はあれから変わりないか?」
(えっと元気だよ?サラはあれから体調崩してない?)
って所かな?うん、通訳が入ると王子もすごく可愛いく愛しく思えてくる。
「はい。お気遣い大変嬉しく思っております。」
あれ?よく見ると頬に軽くあざが出来ている…この前まではなかったのに…
お人形のように可愛いイリス王女が私に向かってそのちっさな手でスカートの裾を摘みカーテシーをしながら言った。
うにゃああかわいいぃぃ前回会った時はあんまりまだしゃべれる感じじゃなかったのに。
私がイリス王女の愛らしさに感動していると後ろから国王が話しかけてきた。
「どうだ?うちのイリスも負けてないだろう?今回に備えてしっかり挨拶できるように教育しておいたのだ。」
「えぇ…素晴らしいご成長振りです。やはりイリス様はこの国の至宝でございますね。」
「そうだろう!そうだろう!わかるか?やっぱお前もそう思うか。見る目があるな!」
そう言いながら私の背中をバシバシ叩く。痛ひ…中身大人の私だから耐えれるけど5歳児にこの威力じゃ泣くよ?親馬鹿国王め…
そう言えばよくよく考えれば当たり前のことなんだけど私が王子と結婚したらイリス王女は私の義妹になるわけだよね?こんな可愛い子が妹かー嬉しいような辛いような…
そのうち嫉妬で『姉より優れた妹など存在しねぇ!』とかどこぞの世紀末な人たちみたいになったらどうしよう。
最後私イリス王女に打倒されちゃうよ!やっぱ主人公イリス王女だったんだよ。
はぁ…脳内妄想で負けて凹みそう。
「おい、おまえ!よく来たな!歓迎してやるぞ!あ、ありがたく思え」
(やぁ、サラ!よく来たね!歓迎するよ!遠慮は要らないよ)
なにやら私の耳に副音声が聞こえてくると思ったら横で国王が王子の言葉の通訳をしてくれていた。
「あいつは大人っぽく見られたいがために俺の真似をしてるみたいでな…そのうち…本人が気づくのを待ってるのだがまだ子供だしな…だからせめてサラお前だけはあいつの言葉の意味を理解してやってくれ。空回っているが一応お前によく見られたくてあんな喋りをしているようだ。」
「まぁ同じ歳のお前に気を使ってくれって言うのもなんだがな。ははは」
まったくである。
「お、おい!おまえ!なぜ、パ…じゃなくて父上とばかり話しているのだ!」
「おぉ!怖…まずいな俺まで嫉妬の対象にされちまうな。いい女は辛いね!ほら、いってこい!」
そういって国王は私の背中をパシッと押し王子の前に行かせた。
ほんとにこの国王は何を言っているんだ子供相手に…
そう思いながら私は王子の前でカーテシーをし
「お招きいただき光栄です。王子…ご機嫌麗しゅう。」
「お、おう。気分はいいぞ?うん。お前はあれから変わりないか?」
(えっと元気だよ?サラはあれから体調崩してない?)
って所かな?うん、通訳が入ると王子もすごく可愛いく愛しく思えてくる。
「はい。お気遣い大変嬉しく思っております。」
あれ?よく見ると頬に軽くあざが出来ている…この前まではなかったのに…
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