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最終章

57.恋人

「えーっと…つまり、付き合い始めるってことでいいのかな？」

マンションに帰り、みんながいる事を知っているため2人で手を繋いでリビングに行く。

突然手を繋いでいる為、みんな動揺していて暫くすると瀬戸さんが口を開いた。

「はい…」

「うん。
忍と遥と由と尚には、知ってもらいたかったから。
隠したままここで生活はしていられないし」

4人は真っ直ぐこっちを見る。
場合によっては私は出ていかないといけないのかもしれない。

「良いんじゃない？別に事務所も交際NGじゃないし」

しれっと忍くんが今度は沈黙を破る。

「忍…」

「僕も良いと思います。明里ちゃんと司くんならお似合いかと」

「由くん…」

「俺も別に明里と司が付き合おうがどっちでといいし。美味いご飯が食べられれば」

「尚くん…」

何も言わない瀬戸さんの顔を恐る恐る見る。

「仕事やファンを大事に出来るなら、交際しても良いと思うよ。
明里ちゃんなら司を任せられるし」

「何それ、遥いつから僕の親になったの？」

「んー。いつからでしょー」

いつもと変わらない雰囲気。
緊張していたからか、足に力が入らなくなってその場に座り込む。

「明里！？」

「私、これからも皆に美味しいご飯作ったりするから…だから、認めてくれてありがとう…」

「当然でしょ。明里ちゃんはもう俺たちの仲間だと思っているんだから」

瀬戸さんに手を引かれて立ち上がる。

「あ、ごめん。この役司がやりたかったかな？」

「たまに遥イラつかせてくるよな」

「知っててやってるー」

みんなを見ているとポケットに入れていた携帯がなり響く。

【着信 お父さん】

「え？」