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第6章
52.お願い
しおりを挟む突然自分の辛い素性を話されて、驚いたけど。なんか少し雰囲気が柔らかくなった?
「明里ちゃん。最後のお願い聞いてくれる?」
私は「うん」と答えると、手を引っ張られて外に出る。
水族館の外には大きな噴水があったり、広くて涼しい。
「忍くん?」
「写真!写真一緒に撮ってもいいかな?」
「えっと、それが最後のお願い?」
「うん。お願いします」
「わかった」
私たちは周囲にあまり人がいないことを確認してから噴水の前で自撮りをする。
「いくよー」
写真を撮り終えると画像を忍くんが見て笑っていた。
「ありがとう、明里ちゃん。
最高の写真だよ」
「良かった」
「じゃあ…話を聞こうかな。
俺の告白の返事をしてください」
携帯をポケットにしまい、私の方を真っ直ぐ見る。
「うん。
ごめんなさい!やっぱり忍くんとはお付き合いできません」
「うん。わかってたよ。
それで、明里ちゃんは誰が好きなの?」
しゃがみこんで、頭を下げてる私の顔をのぞき込む。
「私は…司さんの事が好きです」
「うん。わかった!
司くんかっこいいもんなー。
明里ちゃんの気持ちわかる」
頭をかきながら立ち上がって、忍くんは「うんうん」と納得していた。
「じゃあこれからは、友達として。
よろしく」
「友達…」
「何があっても明里ちゃんの味方でいる友達になるよ!」
「凄い頼もしいね」
忍くんに差し出された手を笑って握り返す。
「好きだって言ってくれて、ありがとう」
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