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Ririsu◡̈*♡.°⑅

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第6章

50.思い出がほしい

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「お待たせしました…」

「やっぱり可愛いね!明里ちゃん」

私は約束のデートをしに、忍くんと水族館で待ち合わせをしていました。

忍くんがご機嫌なのは、必ずワンピースを着てきた事と外で待ち合わせしたこと。

「あの、外で待ち合わせはわかりますけど。
ワンピースを着ないといけなかったの?」

「うん、だって可愛いから」

「あの…ありがとう」

忍くんのストレートさに、毎回恥ずかしくなる。

「明里ちゃん。今日は来てくれてありがとうね。めいいっぱい楽しんで思い出作ろうか」

私の手を握って、私の左隣に来る。

「しの…」

困って焦る私の顔を見てニコッと微笑む。

「行こう」

手を引いて水族館に入る。

「うわー!見てここトンネルも水槽になってると、海の中にいるみたいだねー」

「うん。そうだね」

一人でキョロキョロしてる私を見て笑っている。

「ごめん、私ばかり…」

「いいよ。見てて楽しいから
明里ちゃんといるとホントに楽しい」

私を見てくれるその忍くんの瞳から伝わってくる。好きでいてくれてること。

「次はイルカショーでも見に行こうか」

「うん!」

本当にこれで良かったのかな?
気持ちに応えられない事がわかってるのに一緒にいて。

「明里ちゃん。またその顔」

下を見ている私を見て頬に手を当てて顔をあげさせる。

「笑って。明里ちゃん」

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