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第5章

45.½—

「でも、こんなに寝不足にしてたのは俺たちのせいでもあるから…ごめん」

ポンっと頭を撫でられる。

「ごめんじゃなくて、違う言葉が欲しいんだけど…」

「え？」

ジーッと司さんは私を見る。

「お疲れ様？」

「はい！」

何故か照れてる司さん。
司さんにつられて、わたしも恥ずかしくなって頬に手を当てる。

「聴いていい？」

「うん！もちろん」

パソコンにイヤホンをつけて司さんは曲を聴き始める。

途中から司さんは指をテーブルにリズミカルに叩いていく。

私は黙って珈琲を入れるため立ち上がる。

「ただいまー」

忍くんも帰ってきた。

「お帰りなさい」

「もしかして、司くんが聞いてるのって…」

「まだ編曲中だけど、全体は出来上がったよ！とりあえず歌詞作りに間に合うといいなーって」

「俺も聞こう！
司くん、俺にも片耳貸して！
あ、明里ちゃん俺にも珈琲」

「はい！」

2人は、曲を聴きながらメモを取ったり、ああした方がいいとか、このフレーズ良いとかそんな会話をしていた。

私は邪魔にならないようにソファに座ってテレビをボリューム下げて見る。

そのうちだんだん、瞼が重くなってきて…
意識が飛ぶ。

「「出来た！」」

2人の大きな声に驚いて飛び起きると、目の前に2人がノートを広げて立っていた。

「タイトル…½—？」