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第5章
42.コンビニ
しおりを挟む夕飯とお風呂を終えてシメのアイスを食べようと冷凍庫を開けると…
「ない…」
「あ、最後の1個俺が貰ったぞ」
テレビを見ていた尚くんが手を振りながら言う。
「んー…」
今アイスの気分。
仕方がない、買ってこよう。
部屋着の上にパーカーを来て、部屋を出てエレベーターに乗り込む。
幸いマンションの隣にコンビニがあるので、数分でいける。
コンビニの入口で仕事帰りの忍くんとばったり会う。
「明里ちゃん。買い物?」
「あー…うん、今日のシメのアイスを…」
「え?わざわざ買いに来たの?」
「無性に食べたくて。
忍くんも…何か沢山買ってるね」
ビニール袋にこれでもかってぐらいペットボトルが入っていた。
「あー…部屋に置いてるスポドリとか水が無くなってきて買い足し」
「そっか」
「ねぇ、俺ここで待ってていい?」
「すぐそこだけど」
「少しでも明里ちゃんと一緒にいたいんだ」
「~っ」
コクンと頷いて急いでコンビニの中に入る。
司さんも割とそうだけど…
忍くんはもっとナチュラルにストレートすぎて…
「心臓がもたない」
冷凍ケースの近くにいるのに体が熱いのか、全然涼しさを感じられなかった。
「お待たせ」
「ん。帰ろ」
2、3分しかしないであろう距離を一緒にいたいって…そんな風に思ってもらう資格ないよ。
エレベーターに乗り込むと、私は口を開く。
「あの、忍くん…私やっぱり」
「その話の続きは今度にして。
今は10周年ライブに集中したいし、司くんとも上手くやりたいから。
ごめん」
「わかった。今度ちゃんと話そう」
苦笑いしながら「ごめん」と謝る忍くん。
謝るのは、私の方なのに。
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