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Ririsu◡̈*♡.°⑅

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第5章

40.約束

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話し終わったのか、司さんがリビングから出てきて、すぐさま駆け寄る。

「大丈夫?」

私が尋ねると、微笑んで私の頭を軽く叩きながら、「ん、大丈夫」と答えてくれた。

最近の1つ1つの司さんの仕草に胸がドキッとなる。

「明里」

司さんの後ろに賢人が立って落ち着いた口調でこっちを見る。

「悪かった。俺、自分のことばっかりだった」

「ちょっ!?賢人、頭を上げてよ!」

「もしも、泣かされるようなことあったり、辛かったら俺に言えよ!
俺はどこまでも助けに行くヒーローだからな」

「あっ…」

このセリフ。前にも1度聞いたような…

そうだ。
昔、気が弱くて泣き虫だった私にいつもそばにいてくれて助けてくれたのが賢人で。

小学生の頃に虐められて、同じようなことを言ってくれて…

「ヒーロー」

「ん。 俺の立ち位置はずっと変わらないから。
明里の幼なじみで、ヒーローだから」

右手の親指を立てて、いつもみたいに笑う賢人に抱きつく。

「ごめんね、ありがと…」

「明里が好きなやつ、嫌いじゃない」

ボソッと耳元で囁かれる。

「え?」

「悔しいけど、良い奴だと思う。
俺は応援するから」

「うん、ありがと…」

「ちょっと、いつまで抱きついてんの?」

私と賢人の仲を司さんに剥がされる。

「じゃあ、俺帰るわ。
たまには家に帰って来いよ」

「うん!」


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