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第5章
38.幼なじみ
しおりを挟むユニット名が決まってから3日かが経ち、私は学校の休み時間は音楽室で、放課後は吹奏楽部が使用するため、自宅に戻ってピアノと向き合う。
2人に合う曲を作らないと…
「頑張ろう…」
2人に合うような曲調…
華やかだけど、どこか切ないような
2人の甘い声に合うように
「ダメだ…」
いい曲を作ろうとすればするほど、音が出てこない。
ピアノに顔をつける。
すると、バタンッと扉が開く音が聞こえた。
「明里!!」
「え?賢人」
ドアの方を見ると息を切らした、幼なじみでご近所さんの賢人が立っていた。
「何?」
「何してんだよー!お前は!!」
駆け寄られて肩をゆらされる。
「はい?」
「明里パパから聞いた!
家政婦が見つかるまでお前がタレントたちの家政婦してるって」
「あー…うん」
「最近、家にいないと思ったら…何してんの?」
「だから家政婦…」
「1つ聞くけど。タレントに恋愛感情なんて抱いてないよな?」
いつもヘラヘラしてる賢人が珍しく真面目な顔をして言うもんだから、嘘はつけなかった。
私は首を横に振る。
「マジか…
相手は芸能人だろ?相手にされるわけない」
頭を抱えながら苛立っている賢人。
「連れていけ。俺もマンションに連れて行け」
「え?」
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