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Ririsu◡̈*♡.°⑅

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第4章

32.ユニット

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リビングに戻ると、ズーンと空気が重かった。

「えっと…」

司さんと忍くんはお互いを見ないでソファの端っこに各々座っている。

「あの…これって」

「明里ちゃん、頑張ってね」

右肩をポンッと叩く瀬戸さん。

「瀬戸さんも由くんと尚くんと組むんですよね?」

「うん、組むよ。
ユニット名も決めたよー」

「そうなんですか!?早いですね」

「明里ちゃん達が不在の時に話あって決めたんだ」

「すんなり決まったんですか?」

「うん。割と」

瀬戸さんのケロッとした顔を見たあとに司さん達を見る。

あの2人だと…ユニット名…

「battleとかdeathとかだね」

私の心を見透かしたように瀬戸さんが答える。

「そんなユニット名ありえないですよね」

瀬戸さんと見守る中、2人はビクともしない。

「あのさ、いつまでこうしてる気?」

司さんがやっと口を開いて忍くんに聞く。

「どっちが。司くんの方こそ何か言いたそうだけど」

「別に…」

瀬戸さんに背中を押されて2人の前に行く。

「何?」
「どうしたの?明里ちゃん」

「とりあえず…ユニット名考えない?」

「は?」
「え?この状況で」

ご最もな答えが返ってきてそれ以上なんも言えない。

「ユニット名決めた方が曲もイメージしやすいだろうから先に決めたら?」

瀬戸さんが助け舟を出してくれた。

「ユニット名ね」

「遥さんの所はなんてユニット名なの?」

「俺らのところは、Ha-noyu,
3人のなまえを崩して作った。
曲も爽やかな楽曲を依頼してるよ」

「なるほど…」

「…ごめん、電話。
明日また決めよう」

司さんは突然立ち上がり、リビングから出て行ってしまった。
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