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第4章
26.平凡な日々
しおりを挟む「ただいまー」
修学旅行から帰ってくるとリビングには由くんと椎葉くんがテレビを見ていた。
「お帰りなさい。明里さん」
「おーす」
「お土産買ってきたよー」
テーブルを見ると既に生八つ橋が置いてある。
「もしかして、司さんか忍くん?」
「このお土産は司から」
椎葉くんは生八つ橋を取り出して口に入れる。
「忍くんはまだ帰ってきてないよ」
「そうなんだ」
そういえばあれから連絡来なかったし、仕事忙しかったのかも。
「明里さん、ご飯用意しといてくれてありがとう!」
「お陰で地獄を見なくて済んだよ」
「それは良かった。
私着替えてくるね!その後、夕ご飯作るけど…」
「あ、僕ラジオの収録が19時からあるからそれ終わったら食べるね!」
「由くん、ラジオ出るの?生放送?」
「今度の水曜日にOAするんだ」
「そうなんだー!水曜日楽しみにしてるね」
「うん、ありがとう」
恥ずかしそうに下向く由くんが可愛い。
「そういえば明里って、俺らの出る番組とかドラマとかチェックしてくれてるよな」
「一緒に住んでいるんだから当たり前でしょ!もっと皆のこと知りたいし」
私はカバンから音楽プレイヤーを取り出して椎葉くんに見せる。
【splash 夏の夜空に見えていた】
椎葉くんの所属するグループ·splashの新曲。
「CDわざわざ買ったの?」
「うん!予約して」
「バカじゃん?俺にいえば渡すのに」
「それじゃあ意味ないでしょ!
自分で購入して聞いた方が楽しいし、嬉しい。
それに、他のファンに申し訳ない」
「明里…お前、本当に良い奴だな」
ギューッと椎葉くんに抱きしめられる。
「ちょっ、椎葉くん…苦しい」
「そうだ!前から言おうと思ってたんだけど!
椎葉くんじゃなくて、"尚"って呼んでよ」
「え?うん、わかった」
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