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第3章
19.旅行当日の朝
しおりを挟む6月上旬、夏休み前のビックイベントの修学旅行。今日から2泊3日で行く予定なんですが…
「明里!本当に行くのか!?」
「行っちゃ嫌だよ」
椎葉くんと由くんに涙目で引き止められている。その理由は…
「2人共無理言わないんだよ。
明里ちゃんがいない分、俺が頑張るから」
瀬戸さんの家事事情だ。
「ご飯なら冷凍庫におかず作って入ってるから温めて食べてね」
私の言葉を聞くと、パーッと明るい表情になる2人。
そんなにヤバいのか。
逆にどんな料理か気にはなるけど。
「そういえば修学旅行の場所は京都だっけ?」
「はい」
「昨日から司も忍も撮影で行ってるから会えるといいね」
「え?そうでしたっけ」
私はホワイトボードの予定表を見ると、撮影泊まりしか書いてないから場所までは知らなかった。
「でも京都広いですもんね。そう中々会うことはないですよ」
「明里さんは2人に会いたくないの?」
きょとんと上目遣いで由くんに言われたら、
「そんな事ないけど…」
会いたくないとは言えない。
でも、何となくこないだから2人と話すのギクシャクしてて、気まずいだけ。
「明里ちゃん。何かあったら俺に話してね」
「瀬戸さん」
「一応、司よりも誕生日早いし、年長者だから」
「ありがとうございます」
頭を下げ、キャリーバッグを持ってマンションから出て新幹線乗り場の東京駅に向かう。
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