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第1章
7.素直じゃない人
しおりを挟む食器を片付けるために、お風呂に入ってからリビングに戻るとカチャカチャと物音が聞こえて、ドアを少し開けて中を見ると、天海さんが私の作ったご飯を食べていた。
「えっ?」
意外だったから驚いて思わず声が出る。
「誰?なんだ、アンタか…」
一瞬私を見てすぐに食器に目線を戻す。
私はそのままリビングに入り、間宮くんの使った食器の片付けをする。
「…食べてくれたんですね」
「用意されてたから」
「別に無理してくれなくても…」
「まぁ、普通に美味しそうだったし。
お腹空いてたし」
あ、こういう人を人は素直じゃないと言うのだろう。と思った。
「それで、美味しかったですか?」
「それなりに。
ご馳走さまでした」
食べ終わり、天海さんは立ち上がる。
「あ、食器はそのままで大丈夫ですよ。
片付けるので」
私がそう言うとスタスタと冷蔵庫に行き、何やらガサガサと始める。
「あの、天海さん?」
「ん」
グイッと目の前に手を出されて、これは…私も手を出せってことかな?
「何でしょうか?」
「ん」
渋々と彼の手の下に手を出すと、丸く青い包み紙に入ったものを落とされた。
「これって…天海さんの」
「夕飯のお礼。
じゃあ部屋戻るから」
手に置いてくれたのは天海さんが買いだめしてるチョコレートだった。
「天海さん!ありがとうございます」
「…司でいい。あと敬語使わなくていいから。
じゃあ、おやすみ」
私の顔を見ずに話して、そのままリビングから出ていった。
「本当に、素直じゃない人…って、私もか」
司さんのくれたチョコレートを口に含む。
「甘い…」
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