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第1章
6.お節介
しおりを挟むご飯を食べ終えて片付けをしていたら、
「たっだいまー!明里ちゃん」
元気よく間宮くんがリビングに入ってきた。
「おかえりなさい」
「なんか、いいね!新婚さんみたいだね」
「はぃ?何言ってるんですか?」
私は間宮くんに背を向けて食器を洗っていく。
「ねぇ、今の結構本気なんだけど」
声のトーンが少し低くなり、ビクッと肩を震わせる。
「ねぇ、明里ちゃん」
私の右肩に手を置く。
「そういう事は!好きな人にちゃんとしてください!」
私は正論を言ってから右肩に置かれた手を剥がす。
「はい…すみません」
いきなり大きい声を出したからか、間宮くんはびっくりした顔をして立ちっぱなしだ。
「あ、の…ごめんなさい」
「いや、俺こそごめんね!ちょっとからかい過ぎた!
明里ちゃんみたいな可愛い子がいるからつい…」
「かわっ!?そんな事ないですよ!
あ、ほら冷蔵庫に夕ご飯作ってあるので食べてくださいね」
「おぉ!?ハンバーグだ!!」
冷蔵庫に入ってるハンバーグのお皿を嬉しそうに取り出す間宮くんは子供のようで可愛い。
「あれ?もう1個あるけど。
司くん、ご飯いらないって」
「うん、だけど多く作れちゃって。
余ったら明日食べるから」
「そう?」
「じゃあ食器洗い終わったので、お風呂入ってくるから食べ終わったら置いといてください」
エプロンを外してリビングから出ていく。
お節介だと思ったけど、一応用意してしまった。
自分の部屋に戻る途中オートロックの扉が開き、天海さんが帰ってきて目が合う。
「えっと…。おかえりなさい」
「…ただいま」
無視されるかと思ったけど言葉が帰ってきてちょっとびっくり。
そのまま自分の部屋に入っていってしまった。
「あの、もし…ご飯食べてなかったら。
お節介だと思ったんですけど作ってあるので…」
特に返答はなく、私は自室に戻る。
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