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第1章
1.お小遣いアップのため
しおりを挟む「ここかー…」
私、笹塚明里はただ今超高層マンションを下から見上げて苦笑いをしています。
それは先日の事。高校2年生にもなると友達付き合いにも少しお金がかかる頃で欲しいものも多いし、お小遣いアップを父親にお願いしましたが、もちろん…
「ダメだ。そんなに欲しいなら自分でアルバイトでもしなさい」
「うちの高校禁止なんだってば!!」
「じゃあ、父さんの仕事の手伝いをしなさい。そうしたらお小遣いをアップしよう」
「やったー!でも、何するの?」
芸能プロダクションを経営している父親だ。マネージャー?営業?何をさせるのかと思いきや、渡されたのは1枚の紙切れで。
「新しい人を雇えるまででいい。そこのマンションに引っ越して、同じフロアの所属タレント達のお世話係だ」
「はっ?はー!??」
そして今に至る。
流石そこそこ知名度のあるプロダクションなだけにマンションも大きい。
持てる範囲の荷物を手にして、オートロック式のエントランスを過ぎて、エレベーターに乗り込む。
「そういえば、どういう人が住んでるんだろう。あまりにも衝撃的すぎて所属してる人聞くの忘れてた」
エレベーターから降りると更にオートロックで部屋番号を入力して鍵で開ける。
「凄い…」
中に入ると広々としたダイニングが長い廊下の奥に見える。
そういえば「キッチンは1つで、共有スペースにしかないからな」って言ってたな。
とりあえず誰か居たら挨拶しようかと思い、自分の部屋の前に荷物を置いてダイニングへ。
「わー!凄い眺め」
部屋には大きな窓が付いていて、眺めが最高だ。
「何してんの?あんた」
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