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第一部 サークルポリス襲撃編
元転移転生魔術師、説教する 後編
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「最後に一つ、これだけは言っておく。これからワシはある村でスローライフを送る! なのでこれからはワシに一切干渉しない事! 分かったな!」
「ええっ!?」
ワシの宣言に、ルイスロールたちが驚きおった。
「そ、そんな! せっかく私たちの前に降臨して下さったというのに……! 導いて下さらないのですか?」
「当たり前じゃ! ……ワシはの、穏やかな暮らしがしたくて千年後に転生したんじゃ……。なのに国中がワシを崇め、派手に崇拝する教団なんてものができておる……」
ワシはもう、歯を食いしばっておった。
気持ちが溢れておったからの。いや鬱憤か。
「もう必要以上に評価されるのはウンザリじゃ……。いや、千年かけて人々の生活に密着した教団を無くせとは今更言わん。ただせめて、ワシが住んでいる村にまで関わってこんといてほしいんじゃ……。他所でやるのは勝手じゃがの、デウディーンの人生は千年前に終わったんじゃ……!」
「ご、ご無体な……。せっかくデウディーン様に出てもらって、教団の新たなシンボルになっていただこうと考えておりましたのに……」
「それがいらんと言うんじゃ! ワシに関わろうとするな! それが守れないんなら、教団も信者もやってる事全部難癖つけてやる! お主らのやってる事は迷惑だって否定しまくってやるからな!」
「ひっ! それだけはご勘弁を!」
「いいやはっきり言ってやる……。ワシのためになるのか知りたいなら言ってやる……。ワシが望んでない事をするな、ワシのためとか偽って兵や国を動かすのはやめろ、戦いなんかするな! ……それができないなら、教団なんか、やめてしまえぇ!!」
「ひっ! ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……!」
路地裏に響く、ルイスロールの奇声。
「……デウディーン様、さすがにちょっと言い過ぎだと思う……」
ミミティに指摘され、ワシは我にかえった。
相当鬱憤が溜まっていたのじゃろう。
喉が焼き切れるくらいまで、怒鳴り散らしてしまった。
そのせいかルイスロールが仰向けに倒れておったのだ。ショックのあまりなのか、青ざめた表情で痙攣しておる。
「いや、教団をやめろは言いすぎた。これからは……人々のための教団であってほしいんじゃ」
フォローを入れつつ、手招きをしてみる。するとルイスロール、仰向け状態から上体を起こしてきたではないか。
「で、では、私たち、どうすれば……」
「まずは傷ついた人を治し、建物を建て直せ。壊れた物は全部元通りにしろ。……それと」
もう一つ、思い出した事を付け加えておく。
「教団騎士への教育もしっかりな。実力主義なのは結構じゃが、それで心に余裕を失くして市民に当たるようでは意味がない。市民には優しくな」
マネキンの事じゃった。あヤツはまだ若い。
イヤな態度をとってきたが、まだ改善の余地はあるかもしれん。あえて実名は出さず、指導はしておく。
「まあとにかく、まずは復興じゃ。それさえしてくれるなら、ワシから何も言う気はない。目の前の人々を助けるんじゃ……分かったな」
「わ、分かりました! で、では教団騎士と信者を総動員して……」
「我が兵も動かしましょう! 国中でかかればあっという間ですぞ……!」
「分かった。もういいから、さっさと行って」
「「は、……ははああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」」
もういいって言っているのに、ルイスロールも王様も、深々と土下座をしておった。
やれやれ、と肩をすくめた所で。
ついでにミミティも……。
「……何でお主まで土下座しとるん?」
「や……そういう流れかと思って」
どういう流れじゃい。
まあよい。気を取り直そう。
何にせよ、ワシは釘は刺したのだ。彼女らの反応を見れば十分じゃろう。
これでようやく一段落つけるというもの。
これでやりたい事ができた。いや、二つのうちの一つはできた、と言った方が正しいか。
一つはワシのスローライフを守る事。これはうまくいった。
そしてもう一つは――
************************
【サージャ】≪『第二十四話をお読みいただき、ありがとうございます』
【サージャ】≪『マスター、ようやく言いたい事が言えて溜飲が下がったみたいです。顔つきがスッキリしていますよ』
【サージャ】≪『今回の説教を聞いて、デウディーン教団は変わってくれるのでしょうか』
【サージャ】≪『それとも何も変わらず、生前のマスターを崇拝し続けるのでしょうか』
【サージャ】≪『今は様子見しかありません。何事もトライ&エラーです』
【サージャ】≪『それでは、次回をお楽しみに』
「ええっ!?」
ワシの宣言に、ルイスロールたちが驚きおった。
「そ、そんな! せっかく私たちの前に降臨して下さったというのに……! 導いて下さらないのですか?」
「当たり前じゃ! ……ワシはの、穏やかな暮らしがしたくて千年後に転生したんじゃ……。なのに国中がワシを崇め、派手に崇拝する教団なんてものができておる……」
ワシはもう、歯を食いしばっておった。
気持ちが溢れておったからの。いや鬱憤か。
「もう必要以上に評価されるのはウンザリじゃ……。いや、千年かけて人々の生活に密着した教団を無くせとは今更言わん。ただせめて、ワシが住んでいる村にまで関わってこんといてほしいんじゃ……。他所でやるのは勝手じゃがの、デウディーンの人生は千年前に終わったんじゃ……!」
「ご、ご無体な……。せっかくデウディーン様に出てもらって、教団の新たなシンボルになっていただこうと考えておりましたのに……」
「それがいらんと言うんじゃ! ワシに関わろうとするな! それが守れないんなら、教団も信者もやってる事全部難癖つけてやる! お主らのやってる事は迷惑だって否定しまくってやるからな!」
「ひっ! それだけはご勘弁を!」
「いいやはっきり言ってやる……。ワシのためになるのか知りたいなら言ってやる……。ワシが望んでない事をするな、ワシのためとか偽って兵や国を動かすのはやめろ、戦いなんかするな! ……それができないなら、教団なんか、やめてしまえぇ!!」
「ひっ! ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……!」
路地裏に響く、ルイスロールの奇声。
「……デウディーン様、さすがにちょっと言い過ぎだと思う……」
ミミティに指摘され、ワシは我にかえった。
相当鬱憤が溜まっていたのじゃろう。
喉が焼き切れるくらいまで、怒鳴り散らしてしまった。
そのせいかルイスロールが仰向けに倒れておったのだ。ショックのあまりなのか、青ざめた表情で痙攣しておる。
「いや、教団をやめろは言いすぎた。これからは……人々のための教団であってほしいんじゃ」
フォローを入れつつ、手招きをしてみる。するとルイスロール、仰向け状態から上体を起こしてきたではないか。
「で、では、私たち、どうすれば……」
「まずは傷ついた人を治し、建物を建て直せ。壊れた物は全部元通りにしろ。……それと」
もう一つ、思い出した事を付け加えておく。
「教団騎士への教育もしっかりな。実力主義なのは結構じゃが、それで心に余裕を失くして市民に当たるようでは意味がない。市民には優しくな」
マネキンの事じゃった。あヤツはまだ若い。
イヤな態度をとってきたが、まだ改善の余地はあるかもしれん。あえて実名は出さず、指導はしておく。
「まあとにかく、まずは復興じゃ。それさえしてくれるなら、ワシから何も言う気はない。目の前の人々を助けるんじゃ……分かったな」
「わ、分かりました! で、では教団騎士と信者を総動員して……」
「我が兵も動かしましょう! 国中でかかればあっという間ですぞ……!」
「分かった。もういいから、さっさと行って」
「「は、……ははああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」」
もういいって言っているのに、ルイスロールも王様も、深々と土下座をしておった。
やれやれ、と肩をすくめた所で。
ついでにミミティも……。
「……何でお主まで土下座しとるん?」
「や……そういう流れかと思って」
どういう流れじゃい。
まあよい。気を取り直そう。
何にせよ、ワシは釘は刺したのだ。彼女らの反応を見れば十分じゃろう。
これでようやく一段落つけるというもの。
これでやりたい事ができた。いや、二つのうちの一つはできた、と言った方が正しいか。
一つはワシのスローライフを守る事。これはうまくいった。
そしてもう一つは――
************************
【サージャ】≪『第二十四話をお読みいただき、ありがとうございます』
【サージャ】≪『マスター、ようやく言いたい事が言えて溜飲が下がったみたいです。顔つきがスッキリしていますよ』
【サージャ】≪『今回の説教を聞いて、デウディーン教団は変わってくれるのでしょうか』
【サージャ】≪『それとも何も変わらず、生前のマスターを崇拝し続けるのでしょうか』
【サージャ】≪『今は様子見しかありません。何事もトライ&エラーです』
【サージャ】≪『それでは、次回をお楽しみに』
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