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第一部 転生編
元転移転生魔術師、事実を知る 前編
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『マスター。女騎士が覗いています』
何じゃと? ワシは秘密基地の入口の方に、視線を向ける。
「………………………」
おった。確かにおった。
女騎士が体を半分隠し、食い入るようにコッチをジッと見ておる。
カップラーメンはもう、食べ終えたようじゃな。
いつから見ておったんじゃろうか。やはり、ワシの戦闘シーンの下りから、そこにいたのかもしれない。
「……何やっとんじゃ、お主?」
とうとう根負けして聞いてしまった。
「ハッ! これは失礼しました」
ワシの呼びかけに、すぐに応じてくれた。少々慌てた様子で入口から飛び出してくる。
「実は……アナタ様が出てからどうしても心配で……気になって様子を見にきたのです」
何となく、バツが悪そうにしている女騎士。
まあ、ウソはついておらんのかもしれん。腰に剣を着けている辺り、ワシを助けるため、ここまで飛び出したんじゃろうしな。
「そうか。では、お主に頼みがある」
「はい、何でしょう?」
「そこで倒れてるモンスター共に、トドメを刺してくれ」
「はい、分かりまし……ええっ!」
驚いたのか、女騎士が声をあげよった。
「何じゃその反応は? お主の手柄にすると言っておるんじゃが?」
「いえ、しかし……まるで漁夫の利みたいな事……」
「パーティーでもない限り、経験値は最後に倒した者が手に入れる……のは知っとるじゃろ? クエスト報告に行く時に、【幼女に助けられました】なんて言って信じてもらえるか? 面倒じゃろ? これが一番丸く収まるんじゃて……分かるじゃろ?」
などと……あれこれ言い訳を述べているワシ。
実際の所、目立ちたくないからの。
オーガやゴブリンを倒す幼女……なんて世間に知られたら、有名になってしまうに決まっておる。
そういうのは嫌じゃ。
ワシは、スローライフを送りたいと思っておる。この村での。
だからこの手柄は女騎士に譲る。んで、内緒にしてもらう。これで完璧という訳じゃ。
「分かりました。ではトドメを刺させていただきます」
女騎士は頭を下げた。そして剣を抜き、オーガやゴブリンの喉を次々と刺していく。
んん? 女騎士のヤツ、妙に素直じゃのう。それにさっきからかしこまった態度、出会った時と全然違うではないか。
どうしたというんじゃ、あヤツは。なぜか敬語で喋ってるし。
『マスター、全モンスターの生命反応消失を確認。経験値は全て、女騎士の元に入りました』
「ん? おお、そうか」
疑問は残っていたが、立ち話もどうかと思ったワシは、女騎士を秘密基地のルームに案内した。
何じゃと? ワシは秘密基地の入口の方に、視線を向ける。
「………………………」
おった。確かにおった。
女騎士が体を半分隠し、食い入るようにコッチをジッと見ておる。
カップラーメンはもう、食べ終えたようじゃな。
いつから見ておったんじゃろうか。やはり、ワシの戦闘シーンの下りから、そこにいたのかもしれない。
「……何やっとんじゃ、お主?」
とうとう根負けして聞いてしまった。
「ハッ! これは失礼しました」
ワシの呼びかけに、すぐに応じてくれた。少々慌てた様子で入口から飛び出してくる。
「実は……アナタ様が出てからどうしても心配で……気になって様子を見にきたのです」
何となく、バツが悪そうにしている女騎士。
まあ、ウソはついておらんのかもしれん。腰に剣を着けている辺り、ワシを助けるため、ここまで飛び出したんじゃろうしな。
「そうか。では、お主に頼みがある」
「はい、何でしょう?」
「そこで倒れてるモンスター共に、トドメを刺してくれ」
「はい、分かりまし……ええっ!」
驚いたのか、女騎士が声をあげよった。
「何じゃその反応は? お主の手柄にすると言っておるんじゃが?」
「いえ、しかし……まるで漁夫の利みたいな事……」
「パーティーでもない限り、経験値は最後に倒した者が手に入れる……のは知っとるじゃろ? クエスト報告に行く時に、【幼女に助けられました】なんて言って信じてもらえるか? 面倒じゃろ? これが一番丸く収まるんじゃて……分かるじゃろ?」
などと……あれこれ言い訳を述べているワシ。
実際の所、目立ちたくないからの。
オーガやゴブリンを倒す幼女……なんて世間に知られたら、有名になってしまうに決まっておる。
そういうのは嫌じゃ。
ワシは、スローライフを送りたいと思っておる。この村での。
だからこの手柄は女騎士に譲る。んで、内緒にしてもらう。これで完璧という訳じゃ。
「分かりました。ではトドメを刺させていただきます」
女騎士は頭を下げた。そして剣を抜き、オーガやゴブリンの喉を次々と刺していく。
んん? 女騎士のヤツ、妙に素直じゃのう。それにさっきからかしこまった態度、出会った時と全然違うではないか。
どうしたというんじゃ、あヤツは。なぜか敬語で喋ってるし。
『マスター、全モンスターの生命反応消失を確認。経験値は全て、女騎士の元に入りました』
「ん? おお、そうか」
疑問は残っていたが、立ち話もどうかと思ったワシは、女騎士を秘密基地のルームに案内した。
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