災嵐回記 ―世界を救わなかった救世主は、すべてを忘れて繰りかえす―

牛飼山羊

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第二章

解明

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朝廷はウルフを滅ぼした後のレオンの行方を追った。
彼は定期的に山間でケタリングと交流をとるものの、ほとんどの時間を金を稼ぐことに費やしていた。
金になる話であればどんな仕事でも請け負う流れ者の一人として、商隊の護衛から荷役人、盗賊に手を貸すこともあれば、旅の一座で芸者として技をふるうこともあった。
レオンは腕が立つ上に警戒心が強かった。
仕事は器用にこなしていたが、決してなれ合うことはせず、常に隙を伺う見張りの武官たちにも、手を出す隙を見せなかった。
レオンは休まず金を稼ぎ続けたが、贅沢をしている様子はみられなかった。
そもそもケタリングを使えば、強盗などたやすくなせるはずなのに、なぜ労働によって金銭を得るのか。
朝廷はますます警戒心を強めた。
やはりレオンの狙いは朝廷の転覆で、その軍資金を稼いでいるのではないか。
ケタリングをつかわないのは、きたるべき反乱まで温存しているからではないか、と。
だがその憶測は外れていた。
彼は稼ぎの一切を、ある一座に寄付していたのだ。

「――――もうやめろ」
レオンはノヴァを激しく睨みつけた。
「てめえらそんなことまで嗅ぎつけていやがったのか――――くそが。いま関係ないだろ、おれの話は――――」
「あるよ!」
食い気味に、前のめりに、カイは言った。
「ノヴァ、続けて!」
「カイてめえ――――」
カイは怒ったように鼻を鳴らし、レオンの肩を抱いた。
「おれは自分のこと全部話したのに、レオンは隠すの、ずるいだろ」
「隠してねえよ。言う必要がないだけだ」
「必要かどうか決めるのはレオンじゃないだろ」」
「ああ?」
「おれ、知りたいんだ。本当のところどうだったのか。ノヴァに言われたくないなら、自分の口で説明してくれよ」
「……」
レオンは黙って立ち上がろうとするが、カイは霊力で地面に張り付き、レオンの肩をきつく抱きよせ、それを許さない。
「いいじゃん、もう察しついてるけどさ、悪いことしてるわけじゃないんだし。レオンってけっこう照れ屋だよあ」
「ばかが」
レオンはカイの額を指ではじく。
「いてっ。やったなこの――――」
「ごほん!」
シェルティはわざとらしい咳払いをして、これまたわざとらしい作り笑いを浮かべて、言った。
「それで?ノヴァ、彼はどうして金を芸座に?」
「そこにウルフの子供たちを預けていたんです」
当時のウルフには十歳に満たない子供が五人いた。
レオンの従弟と、甥と姪にあたる子供たちだ。
レオンは芸座に、子どもたちの面倒を見させていた。
「やっぱりな!」
カイは心底嬉しそう破顔し、レオン肩をさらに強く抱き寄せた。
「そんなことだろうと思ったんだ!」
「ばかが……」
レオンはべたべたとまとわりつくカイを引きはがし、隣に座るシェルティに押し付けた。
「昔の話だ。今はどうなったかしらねえよ」
レオンはそう言ってそっぽを向いたが、それは子供たちが独り立ちし、自分で稼ぎを得られるようになったからである。
ある者は身寄りのない夫婦の里子になり、またある者は商家の下人になった。
一座に残り、芸役者をする者もいる。
その特異な見た目のため、居所に辺境の地を選ぶか、表に顔を出さない仕事を選ばなければならない子もあったが、ほとんどが人並みの生活を送っていた。
「お前そんな顔してるけど、おれはガキ以外は本当に殺したんだ」
しかしレオンは決して自分の行いを美談にはさせなかった。
「おれはあいつらの親を、兄姉を殺した。故郷を奪って、孤児にさせたんだ。おれはあいつらにとってなによりも憎い仇だ。その仇に養われて喜ぶやつがいるか?いるわけねえ。成長すればおれを殺しに来るやつもいるだろうな。実際におれを深く憎んでるやつも――――」
レオンはそこで言葉を切った。
頭を乱暴にかきむしり、舌を打った。
「――――とにかく、ガキを生かしたというだけで、おれを見る目を変えるんじゃねえよ」
「もう遅いよ」
カイはシェルティによりかかったまま笑った。
シェルティはカイの顎をつかみ、その緩んだ頬を無理やり締めさせる
「なにふんだ、しぇる」
「……」
シェルティは無言のまま作り笑いを浮かべている。
「なんは、おこっへる?」
「怒ってないよ」
シェルティはカイのあごから手を離し、額を指で弾いた。
「いたっ!?――――え!?なに!?」
シェルティはカイを無視し、ノヴァに話の続きを促した。
「それで、彼が無害だと知った朝廷はどうしたんだい?」
「やっぱ怒ってんじゃん!?なんで!?なにに!?」
カイは額を抑えて訴えかけたが、ノヴァもまたこれを無視し、話を再開した。
「彼が危険因子であることに変わりはないが、しかし早急に手を打つ必要があるわけではないと、朝廷は判断した」

レオンは朝廷を嫌悪しているが、ウルフの革命思想も復讐心も持ち合わせていなかった。
むしろ距離を置こうとしているようにさえ見えた。
であれば、あえて刺激する必要はない。。
数年後に差し迫った災嵐を前に、余計な荒波を立てるべきではないというのが、朝廷の判断だった。
実際に今回の事件に至るまで、レオンは大人しく暮らした。
ケタリングの目撃情報は続いたが、それは山間に限られ、また被害の報告もなかった。
災嵐が終わった暁には討ち取るべきだと息巻いていた官吏たちも、このまま捨て置いてもかまわないだろうと意見を改めるほどだった。
それが、縮地の演習地に現れたものだから、誰もが肝を抜かれたように驚愕した。

偶然だと楽観視する者はいなかった。
縮地の施術が終了次第、すぐにカイを隠れ家へ戻したが、遅かった。
状況を知らないカイが、とにかく急げばいいのだろうと飛行してしまったためだ。
空飛ぶ人影はあえなく見つかってしまった。
カイは自ら居所をレオンに知らせてしまったのだ。
巨大な陥没穴は、地上からは困難だが上空からは容易に発見されてしまう。
そうしてカイは、世界の命運を握る渡来人は、あっけなく拉致されてしまった。

技官たちの間に激震が走った。
せっかく演習で成功した縮地も、カイがいなければ成り立たない。
しかしこの事件にはすぐ箝口令が敷かれた。
現在に至るまで、一般市民はおろか、朝廷のほとんどの官吏に至るまで、カイが拉致されたことを知りもしない。
演習に携わったものの間だけでこの事件は解決しなければならないと、皇帝自ら指示したからだ。
ただでさえ災嵐を間近に控え、市井の治安は乱れている。
カイの拉致が露呈すれば、ケタリングを操るウルフ族の存在が周知されれば、いよいよ収集がつかなくなるだろう。
最悪の場合都市機能が停止する。
恐慌状態に陥った人びとが暴動を起こし、縮地が失敗した際の保険として各都市に組まれている防壁が壊される。
そうなればその都市にいる何十万という人間は別の都市に移動を始めるだろう。
暴動は連鎖し、災嵐を前に多くの血が流れることになるだろう。

「だから我々は、すべてを隠さなければならなかった」
ノヴァの話を聞いて、ラウラはようやく得心がいった。
なぜ二十日近くもの間、朝廷は自分たちを見つけることができなかったのか。
理由は単純だった。
本来技術職で、探索はおろか山間での行動にも不慣れな技官と、ラサの警護が主だった任務であり、対人戦闘の心得は在れど同じく山行の経験は浅い護衛官。
総勢五十名にも満たない彼らだけで、広大な山麓から自分たち三人を見つけ出そうとしていたのだ。
それも相手は山を知り尽くしている上に、ケタリングという脚をもっている。
暴動の懸念を加味しても、大規模捜索を行わなかった朝廷の対応は、三人を見限ったといっても過言ではなかった。
(カイさんがいなければ、いずれにしても多くの人が災嵐で死んでしまうのに)
(それなのに目の前の治安を優先するなんて)
ラウラは唇を噛んだ。
(それじゃあ結局、カイさんだけじゃない、多くの人命を見捨てることと一緒だ)
(カイさんなしに、どうやって災嵐から世界を守るつもりなの?)
(また貧しい人たちを、ラプソやウルフのような山間の部族を見捨てて、都市の人たちだけを守るつもりなの?)
沸きあがる怒りを、しかしラウラは飲み込んだ。
少なくともこの場にいる人間で、責め苦を負うべきものはいない。
共に拉致されたシェルティはもちろん、少ない捜索隊を率いてここまでやってきたノヴァにも、罪はない。
(むしろノヴァだって同じ気持ちのはずだ)
ラウラはそう信じていた。
ラサの判断にも、朝廷の対応にも、納得していなかったはずだ、と。

事実、ノヴァは捜索隊に加わることを禁止されていた。
当然だろう。皇子である彼には他に果たすべき責務がある。
山中で野宿をしながら行方不明者の捜索にあたるような身分ではない。
それどころか敵に捕らわれ、下手をすればシェルティともども人質となってしまう危険性もあった。
ノヴァはそれでも捜索を強行した。
皇帝の命をほとんど無視する形で、技官たちとともに山中を駆けずり回ったのだ。
ラウラとシェルティは、疲れが深く浸み込んだ、やつれたノヴァの表情からその苦労を察し、本人が語る以上のことを聞き出すことはしなかった。
またカイへの配慮もあった。
カイはノヴァの話を聞いただけでは、自分たちが見限られていたとは考えつかず、そうだよな、みんなびっくりするよな、とのんきな相槌を打っていた。

「――――捜索が難航したのは、公にできなかったから、というだけではない」
みなが飲み込むだけの時間を置いてから、ノヴァは話を続けた。
以前からレオンとケタリングの根城が北方の山麓であるということはつかんでいたが、レオンは寝床として複数の山小屋を構えており、またそのどれもが標高四千メートルを超す山の頂上付近にあった。
慣れぬ高所、深い雪渓と急斜面に阻まれ、捜索は難航した。
「だが、それなら、ラプソとぼくらの間であった騒ぎに気付いたんじゃないか?」
「いえ、それが、最初の数日はこの南方山脈の捜索にあたっていたのですが、その後北部でケタリングの目撃情報が出たので、そちらを重点的に探していたんです」
「北部?」
「はい。我々が到着した時にはすでに姿はありませんでしたが、北方山脈の塩抗警備隊から、低空を飛行するケタリングの観測が報告されました。それを受けて我々は北方に移りましたが、足取りはまったくつかめず、ケタリングも姿を現すことはありませんでした。そこで数日前再び南部に戻り、今日に至ったわけですが――――」
ノヴァはレオンに視線を送る。
「――――北方にいたあれも、貴方のものか?」
問われたレオンは、鼻を鳴らしたが、答えは返さなかった。
「レオンじゃないのか?」
カイが繰り返すと、レオンは憮然とした表情で舌を打った。
「おれだ」
「やっぱレオンじゃん。なにしに行ってたの?」
「陽動だ」
「陽動?」
首をひねるカイの隣から、シェルティが口を挟む。
「捜索隊の動きを知っていたのか」
「追ってくんのはわかってたからな。――――あのとき、お前らは自分の足で逃げてラプソのところまで行ったが、もともとの計画でも、おれがさらったあとはラプソのところで監禁する予定だったんだ」
カイは苦笑する。
「おれ、自分で檻の中に入ったのか」
「これに懲りたら少しは人を疑うことを覚えるんだな」
それはおれ自身にも言えたことだが、と、レオンはカイとラウラにだけ聞こえる声でつけたした。
「そして貴方は、時間稼ぎのために、我々の目を眩ませるために陽動をかけた」
眉間を抑え、まんまと騙された自分をどこか責めるような口調で、ノヴァは言った。
「囮である可能性を考えなかったわかではないが、それにしても、時間をかけすぎてしまった」

北部の山岳地帯で捜索をはじめて十日。
ノヴァ率いる捜索隊はわずかな手がかりひとつ得られずにいた。
ケタリングの目撃情報もノヴァたちが到着してからぴたりと止んでしまっている。
やはり北方か、それともどこかの市中に紛れ込んでいるのか。
ノヴァは追い詰められていた。
朝廷は再三帰還命令を下している。
各地方に散った別の部隊はすでに捜査を打ち切っている。
諦める気などさらさらなかったが、かといって現状のままでは、闇雲に山中を駆け回るだけではらちが明かない。
なにかほんの少しでも手がかりがあれば、と行き詰っていたところに、南部での異常は報告された。
南部でなにか動きがあった際の連絡員として、ノヴァは部下を一人南都に残していた。
報告によると東南の山域で不自然な山火事が発生したという。
火事を最初に観測した現地の警吏は、すぐに現場に赴いた。
火事はレオンとラウラがシェルティ奪還のためにラプソの野営地を強襲したときのものだった。
警吏が赴いた時には、すでに野営地には誰もいなくなっていた。
焼け落ちた木や幕屋、黒焦げになってそれらと同化した焼死体が転がるばかりの凄惨な状態で、野営地は放棄されていた。
とても人の仕業と思えない、という現地警吏の報告を受け、連絡員はノヴァのもとへ知らせに走ったのだった。
ノヴァは部隊を連れ、すぐさま南都へ向かった。
しかしそこでまた手詰まりとなる。
連絡員はあくまで現地の警吏から報告を受けただけで、実際に現場を目撃しているわけではない。
ノヴァはまずその警吏から詳細を聞きだそうとしたが、その警吏は行方をくらませていた。
最初に山火事に気付いた民間の猟師二名と、通報を受け現地に赴いた南都の警吏が三名。計五名の人間が、ノヴァ率いる捜索部隊が南都に到着するまでの三日間に、行方不明となっていた。
「行方不明、ね」
シェルティは胡乱げな目つきで言った。
「まあ口封じだろう。しかもそんな短期間で果たされたのであれば、糸を引いているのは相当の大物と見ていいだろう。消去法で言えば、南方地方を統括する南都の首長が最も怪しいが――――」
「いえ、恐らく首長は無関係です」
ノヴァは控えめがらもはっきりと首を振った。
「兄上の推測はもっともですが、私には、南都があの状態にあって、首長が謀略に暇を割く時間があったとは思えないのです」

ノヴァは目の当たりにした南都の様子を語った。
災嵐を控え、都市は混乱の渦中にあった。
まるで祭日であるかのようない人込みだが、行き交う人びとの表情は暗く、ピリついた嫌な空気が漂っていた。
役場と警吏の詰所はさまざまな問題を訴え出る市民でごった返していた。
警吏はそこら中で発生する喧嘩や窃盗を止めるために、あるいは暴動の火種を消すために、日夜問わず駆け回っている。
官吏たちはもう何日も家に帰っていない様子で、墨のにおいでむせ返るほどの書類の山に埋もれていた。
南都の官人はみな疲弊著しく、とてもではないが謀を巡らせているようには見えなかったのだ。
シェルティたちが最も疑わしいと睨んでいる首長に至っては、あまりの激務に瘦せ衰え、気力だけで机にしがみついているような有様であった。
「では、警団の団長か?」
シェルティは首長の次に疑わしい人物をあげた。
けれどノヴァは、これにも首を振った。
「警団の状況も同じです。むしろ人手不足のおりに三人もの警吏が姿を消したとあって、怒り心頭の様子でした。件の三人は激務に耐えかねて脱走したものと思われていたんです。しかし現状、その脱走者を捕まえに行く余裕はない。――――それは我々とて同じことでしたが」
姿を消した二人の目撃者と三人の警吏を探している時間は、ノヴァには無かった。
遠回りをしている余裕はない。
おまけにカイの捜索は公にすることができない。
諸問題の対処に忙殺される官人たちに、その手を止めて捜索に当たれ、と命じることもできず、ノヴァはわずかな調書を頼りに捜索にあたるしかなくなった。
「ですが、その調書も、消えてしまっていたのです」
シェルティはもはや言葉もなく、深いため息をつくだけだった。
「痕跡ごと残らず消されたわけか」
「はい。役場も詰所も書状で溢れ返っていましたから、どこかに埋もれてしまったのだろうとその場では諦めました。しかし――――兄上たちの話と合わせて考えると、やはり何者かが、目撃者諸共痕跡を消したとしか思えません。さらにもうひとつ、不審な山火事の報告を受けた際、部下は朝廷に使いを走らせていました。僕の名を使わせたので、少なからず増援が向かってくるだろうと思っていましたが、その使いが走ってからすでに七日が経っていました。朝廷まで急げば二日で着くはずです。これは、その使いにも何者かの手が下った可能性が高いとみて間違いないでしょう」
「徹底しているな。――――それで、きみは結局どうやってこの場所までたどりついたんだ?」
ノヴァはレオンに視線を送る。
「貴方はふだん、ウルフの者であることを、笠で隠しておられますね?」
ノヴァはレオンの目立つ風貌、ウルフの者だけが持つ、浅黒い肌と象牙色の髪を指して言った。
レオンはなにも答えない。
しかしノヴァはその沈黙を肯定としてとった。
「運が良かったとしかいいようがありません。――――我々は偶然、災嵐の予兆に遭った、という男たちに行き合ったんです」
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