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第二章
強襲
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ラウラたちがラプソのもと去ってから三日、ラプソはすでに野営地を移動させており、もといた場所にはその痕跡が残されているだけだった。
「そう遠くへは行ってないだろ。やつら、逃げるためとはいえ、家畜を捨てる度胸はないはずだ」
レオンは光球でケタリングを誘導しながら、同時に山肌を照らしていった。
山頂付近とは打って変わり、斜面は初夏の緑で覆われている。
ほどなくしてレオンは、草原の中に馴鹿の群れを見つけた。
野生のものではない、首に縄を撒かれた、家畜の馴鹿だ。
馴鹿たちは上空を通りすぎるケタリングに対し、まるでただ突風が吹いただけとでもいうように、なんの反応も示さなかった。
ケタリングの方も、まるで馴鹿には目をくれず、レオンが操る光球だけを追い続けた。
草地から数キロ離れた森林帯の中に、夏営地は移されていた。
「木が邪魔ですね」
「着地点をずらす」
「いえ、このまま向かってください」
ラウラは外套の内ポケットから、ありったけの硝子球を取り出し、幕屋の明りが漏れる森林帯に向かって放った。
硝子球は発光し、砲弾のように大きく膨れ上がる。
それらは樹木にぶつかり、爆発する。
ドンッ!
爆発は連鎖し、森林を穿っていく。
「ははっ!」
レオンはたまらず声をあげて笑った。
ケタリングに乗るだけでも、振動や風圧から身を守るために、全身を霊力の膜で覆わなければならない。
その状態でさらに霊具を扱って見せたラウラの手腕は、もはや疑いようのないものだった。
間違いなく、レオンがこれまで出会った中で最高の腕を持つ技師だった。
レオンはラウラの空けた穴にケタリングを着地させた。
「くるぞ」
着地するや否や、矢の雨が降り注ぐ。
レオンとラウラは咄嗟にケタリングの羽の下に潜った。
矢はケタリングに当たるが、その鎧のように頑丈な皮膚に刺さることはなく、短い体毛の上を虚しく滑り落ちるだけだった。
矢は半分が毒矢で、もう半分には火がつけられている。
無論、どちらもケタリングにはなんの効果も与えない。
ラプソもそのことはわかっていた。
毒矢はレオンとラウラを牽制するためのもので、火の矢は動けない二人を森ごと焼いてしまうためのものだった。
その思惑通り、ケタリングをかすめて落下した火の矢が種となって、周囲の木々が燃え始める。
「てめえらの土地を焼くか。あいつらもうダメだな。自暴自棄になってる」
レオンは懐から取り出した酒瓶をあおってから、新たな光球を作った。
それを見たケタリングは翼を広げ、走り出す。
飛翔前の助走にしては荒々しすぎる動きで、目の前の木々を、その上で矢をつがえていた人もろともなぎ倒し、幕屋にまっすぐ向かって行った。
ガアアアアアア!!!
ケタリングは飛翔と同時に咆哮した。
大地を揺らす轟音と、竜巻のような突風が、ラプソの幕屋に襲い掛かる。
幕屋は激しく揺れ、一部の幕が剥がれて吹き飛ばされる。
しかし周囲を取り囲む木立が威力を半減させ、倒壊には至らなない。
ラウラたちのいる穴から幕屋まで、一本の道ができる。
その間、約百メートル。
幕屋からは武装したラプソの男たちが次つぎに姿を現し、ラウラたちの方へ向かってくる。先頭を走るのは五頭の狼狗だ。
体高一メートル、体長二メートル近い銀色の獣は、倒木が横たわる道を難なく駆け、ものの数秒でラウラたちの元へ到着する。
「伏せろ!」
レオンは目前に迫った狼狗に、まだ中身の残っている酒瓶を投げつける。
それからラウラを地面に突き倒し、外套を頭まで引き上げ、押さえつける。
ガシャンッ!
狼狗は身を捻って酒瓶を避けたが、酒瓶は爆散し、砕けた破片が狼狗に突き刺さる。
三頭の狼狗が子犬のような甲高い悲鳴をあげる。
同時に、無傷の二頭が穴の中に勢いよく飛び込んでくる。
レオンは地に落ちていた毒矢を拾い、狼狗の脳天に突き出す。狼狗は落下の勢いを殺すことができず、自らそれに突き刺さりに行くような恰好で絶命する。
最後の一匹はラウラに襲い掛かる。
地に伏せていたラウラに狼狗は勢いよく嚙みついた。
ケタリングの皮毛でつくられた外套は頑丈で、狼狗の鋭い歯はラウラまで届かない。
ラウラは狼狗に外套を引き剝がされないよう必死に抑えながら、内ポケットに残る硝子球に霊力を込める。
爆発する限界まで霊力を込めると、ラウラはレオンがするように、硝子を霊操で浮かせた。
内ポケットに入っていた硝子球は外套ごと浮かび上がる。
突然生き物のように動き出した外套に驚き、狼狗は飛びのいた。
ラウラはすかさず硝子球を狼狗に向けて飛ばす。
外套をかぶった硝子球は狼狗に絡みつき、まるでオーガンジーのように、硝子球の動きに合わせて動き、飛び、形を変え、あっという間に狼狗を縛り上げた。
ゴッ。
突然、狼狗の頭蓋が割れる。
身動きができなくなった狼狗の頭を、どこからともなく振ってきた岩石が粉砕したのだ。
狼狗は絶命し、動かなくなる。
ラウラは危険を察知し、すぐに外套を狼狗から引き離すと、自らの頭上を覆った。
「狼狗がやられたぞ!」
「全部か?!」
「やつらとて手負いのはず、殺せ!!」
ラプソの男たちの怒声が響く。
再び火の矢と毒の矢、手拭いにくるまれた拳大の岩石が、雨あられと降り注ぎ始める。
レオンは死んだ狼狗を盾に、男たちに向けて硝子球を放る。
硝子球は弾け、光の球となる。
「やつだ!戻ってきた!」
次の瞬間男たちは投擲をやめ、一目散に逃げだした。
しかし遅かった。
ケタリングは光球めがけて急降下し、飛翔したときと同じように、木々をなぎ倒し、地面を抉りながら、穴めがけて突進した。
逃げた男たちはひとたまりもなく弾き飛ばされ、潰されてしまう。
穴の縁で動きを止めたケタリングは、レオンに首を垂れた。
「乗れ!」
レオンは首伝いにケタリングの背に戻る。
ラウラは外套を投げ捨て、あとを追った。
ケタリングから見下ろす景色は凄惨なものだった。
ケタリングの作った道は、動けなくなったラプソの男たちでいっぱいだった。
多くはすでに命を落としている。まだ息がある者も、大怪我を負っているか、倒木の下敷きになっているか、茫然自失としているかのどれかで、すでに戦意のある者は見られない。
また森に放たれた火は広がり、すでに山火事と呼べるほど手の付けようがないものになっている。
幕屋にまだ火の手はあがっていないが、すでに一帯を黒煙で包まれている。
焼き尽くされるのも時間の問題だろう。
ラウラはシェルティの身を案じ、急いで幕屋へ向かわなければと、ケタリングを降りようとする。
「待て」
レオンはそれを制し、黒煙を指さす。
黒煙の中から、一頭の馬が飛び出してくる。
馬上には二人の人影が見える。
馬は倒木を避けながら器用に駆け、ケタリングの目前で停止した。
馬に乗っていたのはラウラたちを芙蓉から救ったラプソの青年と、シェルティだった。
「そう遠くへは行ってないだろ。やつら、逃げるためとはいえ、家畜を捨てる度胸はないはずだ」
レオンは光球でケタリングを誘導しながら、同時に山肌を照らしていった。
山頂付近とは打って変わり、斜面は初夏の緑で覆われている。
ほどなくしてレオンは、草原の中に馴鹿の群れを見つけた。
野生のものではない、首に縄を撒かれた、家畜の馴鹿だ。
馴鹿たちは上空を通りすぎるケタリングに対し、まるでただ突風が吹いただけとでもいうように、なんの反応も示さなかった。
ケタリングの方も、まるで馴鹿には目をくれず、レオンが操る光球だけを追い続けた。
草地から数キロ離れた森林帯の中に、夏営地は移されていた。
「木が邪魔ですね」
「着地点をずらす」
「いえ、このまま向かってください」
ラウラは外套の内ポケットから、ありったけの硝子球を取り出し、幕屋の明りが漏れる森林帯に向かって放った。
硝子球は発光し、砲弾のように大きく膨れ上がる。
それらは樹木にぶつかり、爆発する。
ドンッ!
爆発は連鎖し、森林を穿っていく。
「ははっ!」
レオンはたまらず声をあげて笑った。
ケタリングに乗るだけでも、振動や風圧から身を守るために、全身を霊力の膜で覆わなければならない。
その状態でさらに霊具を扱って見せたラウラの手腕は、もはや疑いようのないものだった。
間違いなく、レオンがこれまで出会った中で最高の腕を持つ技師だった。
レオンはラウラの空けた穴にケタリングを着地させた。
「くるぞ」
着地するや否や、矢の雨が降り注ぐ。
レオンとラウラは咄嗟にケタリングの羽の下に潜った。
矢はケタリングに当たるが、その鎧のように頑丈な皮膚に刺さることはなく、短い体毛の上を虚しく滑り落ちるだけだった。
矢は半分が毒矢で、もう半分には火がつけられている。
無論、どちらもケタリングにはなんの効果も与えない。
ラプソもそのことはわかっていた。
毒矢はレオンとラウラを牽制するためのもので、火の矢は動けない二人を森ごと焼いてしまうためのものだった。
その思惑通り、ケタリングをかすめて落下した火の矢が種となって、周囲の木々が燃え始める。
「てめえらの土地を焼くか。あいつらもうダメだな。自暴自棄になってる」
レオンは懐から取り出した酒瓶をあおってから、新たな光球を作った。
それを見たケタリングは翼を広げ、走り出す。
飛翔前の助走にしては荒々しすぎる動きで、目の前の木々を、その上で矢をつがえていた人もろともなぎ倒し、幕屋にまっすぐ向かって行った。
ガアアアアアア!!!
ケタリングは飛翔と同時に咆哮した。
大地を揺らす轟音と、竜巻のような突風が、ラプソの幕屋に襲い掛かる。
幕屋は激しく揺れ、一部の幕が剥がれて吹き飛ばされる。
しかし周囲を取り囲む木立が威力を半減させ、倒壊には至らなない。
ラウラたちのいる穴から幕屋まで、一本の道ができる。
その間、約百メートル。
幕屋からは武装したラプソの男たちが次つぎに姿を現し、ラウラたちの方へ向かってくる。先頭を走るのは五頭の狼狗だ。
体高一メートル、体長二メートル近い銀色の獣は、倒木が横たわる道を難なく駆け、ものの数秒でラウラたちの元へ到着する。
「伏せろ!」
レオンは目前に迫った狼狗に、まだ中身の残っている酒瓶を投げつける。
それからラウラを地面に突き倒し、外套を頭まで引き上げ、押さえつける。
ガシャンッ!
狼狗は身を捻って酒瓶を避けたが、酒瓶は爆散し、砕けた破片が狼狗に突き刺さる。
三頭の狼狗が子犬のような甲高い悲鳴をあげる。
同時に、無傷の二頭が穴の中に勢いよく飛び込んでくる。
レオンは地に落ちていた毒矢を拾い、狼狗の脳天に突き出す。狼狗は落下の勢いを殺すことができず、自らそれに突き刺さりに行くような恰好で絶命する。
最後の一匹はラウラに襲い掛かる。
地に伏せていたラウラに狼狗は勢いよく嚙みついた。
ケタリングの皮毛でつくられた外套は頑丈で、狼狗の鋭い歯はラウラまで届かない。
ラウラは狼狗に外套を引き剝がされないよう必死に抑えながら、内ポケットに残る硝子球に霊力を込める。
爆発する限界まで霊力を込めると、ラウラはレオンがするように、硝子を霊操で浮かせた。
内ポケットに入っていた硝子球は外套ごと浮かび上がる。
突然生き物のように動き出した外套に驚き、狼狗は飛びのいた。
ラウラはすかさず硝子球を狼狗に向けて飛ばす。
外套をかぶった硝子球は狼狗に絡みつき、まるでオーガンジーのように、硝子球の動きに合わせて動き、飛び、形を変え、あっという間に狼狗を縛り上げた。
ゴッ。
突然、狼狗の頭蓋が割れる。
身動きができなくなった狼狗の頭を、どこからともなく振ってきた岩石が粉砕したのだ。
狼狗は絶命し、動かなくなる。
ラウラは危険を察知し、すぐに外套を狼狗から引き離すと、自らの頭上を覆った。
「狼狗がやられたぞ!」
「全部か?!」
「やつらとて手負いのはず、殺せ!!」
ラプソの男たちの怒声が響く。
再び火の矢と毒の矢、手拭いにくるまれた拳大の岩石が、雨あられと降り注ぎ始める。
レオンは死んだ狼狗を盾に、男たちに向けて硝子球を放る。
硝子球は弾け、光の球となる。
「やつだ!戻ってきた!」
次の瞬間男たちは投擲をやめ、一目散に逃げだした。
しかし遅かった。
ケタリングは光球めがけて急降下し、飛翔したときと同じように、木々をなぎ倒し、地面を抉りながら、穴めがけて突進した。
逃げた男たちはひとたまりもなく弾き飛ばされ、潰されてしまう。
穴の縁で動きを止めたケタリングは、レオンに首を垂れた。
「乗れ!」
レオンは首伝いにケタリングの背に戻る。
ラウラは外套を投げ捨て、あとを追った。
ケタリングから見下ろす景色は凄惨なものだった。
ケタリングの作った道は、動けなくなったラプソの男たちでいっぱいだった。
多くはすでに命を落としている。まだ息がある者も、大怪我を負っているか、倒木の下敷きになっているか、茫然自失としているかのどれかで、すでに戦意のある者は見られない。
また森に放たれた火は広がり、すでに山火事と呼べるほど手の付けようがないものになっている。
幕屋にまだ火の手はあがっていないが、すでに一帯を黒煙で包まれている。
焼き尽くされるのも時間の問題だろう。
ラウラはシェルティの身を案じ、急いで幕屋へ向かわなければと、ケタリングを降りようとする。
「待て」
レオンはそれを制し、黒煙を指さす。
黒煙の中から、一頭の馬が飛び出してくる。
馬上には二人の人影が見える。
馬は倒木を避けながら器用に駆け、ケタリングの目前で停止した。
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