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第二章
決起
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鞍部の雪渓に、ラウラの小さな足跡が刻まれる。
長く、どこまでも伸びるそれは、山肌にはりつく氷雪が深くなるほど形が崩れていく。
まるで小動物が這い進んだ後のように。
ラウラはすぐに指先の感覚を失くした。
ときおり訪れる、一際鋭い痛みが、小石を踏んだためのものなのか、凍傷によるためのものなのかさえ、判断がつかない。
それでもラウラは歩みをとめなかった。
一歩進むごとに、氷雪は重みを増す。
ラウラは額に汗を浮かべる。
鼻や耳や四肢といった末端は凍りついているが、心臓と肺は燃え上がっている。
ラウラは息を切らしながらも、迷いなく、まっすぐ、歩み続けた。
ようやくラウラが足をとめたのは、膝が埋まるほど雪渓が深い場所だった。
ラウラは正座をし、両手をついて、頭をたれた。
ラウラの身体は雪にほとんど埋まってしまう。ラウラは深呼吸する。
呼吸音は震えている。
吐く息も吸う息も浅い。
汗はあっという間に凍りつく。
口を閉じても歯が鳴ってしまう。
震えが止まらない。
ラウラはそんな状態でも意識を集中させた。
そして霊摂を始めた。
氷雪に宿る霊を、貪るように取り込んだ。
それは日が落ちて、あたりが暗闇に包まれるまで続けられた。
ラウラが小屋に戻ると、カイは寝台に寝かされていた。
寝息は落ち着いていて、規則正しい。顔にも赤みが差している。
レオンはその横で身支度を整えていた。
外套をはおり、硝子球の詰まった網袋を下げる。
カイを攫ったときと同じ、武装状態である。
「どこに行くんですか」
「……」
「ラプソのところですか」
「だったらどうする」
「私も行きます」
「いらねえよ」
レオンは舌を打ち、ラウラを睨み付ける。
「足手まといにしかならねえ」
「役に立ちます」
「てめえ、勘違いしてねえか。おれがやつらのとこにのこのこ交渉に行くとでも思ってねえか」
「殿下を助けに行くんですよね」
「気色の悪りい言い方すんじゃねえよ。――――厄介事になる前に、連中の手から切り札を奪っとくってだけだ」
「どうしてですか?」
「ああ?」
「あなたの目的は、縮地ですよね。縮地で、自分とケタリングを災嵐から守る。そのためにあなたは私たちを攫った。でも縮地は私とカイさんがいれば発動させられます。殿下を救う必要も、ラプソを警戒する必要も、ないはずです」
「なにが言いてえ」
「あなたが、もし、カイさんのために殿下を救おうとしているのなら、私も一緒に戦います」
レオンは否定も肯定もせず、ただ吐き捨てた。
「邪魔になるだけだ」
入り口に立つラウラを押しのけようとするが、華奢なラウラの身体は石のように固く、ぴくりとも動かない。
レオンは驚き、目を瞠るが、ラウラは淡々と続けた。
「カイさんがもし起きていたら、カイさんはあなたとともに殿下を救いにむかったでしょう。だからわたしが代りにいきます。カイさんは私の負うべき痛みを引き受けてくれました。だからわたしがカイさんの代りに戦います」
レオンは動かないラウラから手を引き、正面から、至近距離で相対する。
「おまえあいつが痛み引き受けた意味わかってんのか――――それでお前が死んだら、あいつが幻痛を引き受けた意味はなくなるんだぞ」
レオンは静かな口調だったが、その目には殺気が宿っていた。
「それでもいきます」
しかしラウラは怯まなかった。
決意は固く、レオンがどれだけ凄んでも動くことはない。
例えこの場でカイが意識を取り戻し、止めたとしても、ラウラは揺らがなかっただろう。
「私たちは互いを助け合うことを約束しました。それが一方的であっては、カイさんと共にいることを許されません」
「誰にだよ」
「私自身にです」
ラウラははっきりと答え、全身に霊力を巡らせた。
風もなく、髪や服の裾がはためく。
「硝子球を」
ラウラはそう言って右手をレオンに向けて開いた。
指先は霜焼けで赤くむくんでいる。長時間氷雪に浸けていたにしては、あまりにも軽度の凍傷だった。
火と氷からの霊摂は、短時間で多量の霊を取り込むことができる。
風や水などの、他の自然物より効率的に霊摂を行うことが出来る。
しかし多くの技師は火と氷を霊摂の対象に選ばない。
なぜならばこの二種は、霊摂と同時に身を傷つけてしまうからだ。
当然だが直火に触れれば火傷を、氷では凍傷を負う。
霊摂を行いながら霊力体表に纏い損傷を防ぐことができる、よほど優れた技師でなければ、この二種から霊摂することはできなかった。
レオンは疲弊していたはずのラウラの身体に満ち溢れた霊力と、指先の凍傷を見て、まさか、と眉をひそめた。
レオンの目に、ラウラは非力な子どもにしか映らない。
眼光こそ鋭いが、腕は細く、手は小さく、白い柔肌はすこし爪を立てただけで血を吹きそうなほど薄く見えた。
レオンはラウラの差し出した右手をつかみ、捻り上げようとする。
「……!」
しかしその細い腕は石のように固く、微動だにしない。
「硝子球を」
ラウラは繰り返した。
レオンは手を離し、躊躇うように一瞬、視線をさ迷わせたが、ラウラの求めに応じた。
「ありがとうございます」
ラウラは硝子球を握りしめ、霊力をこめながら、小屋の外に出る。
そして星の瞬く夜空に向けて、硝子球を指で弾いた。
―――――ドオッ!
それはまるで彗星だった。
打ち出された硝子球は、光の尾を伴って夜空を駆け昇り、消失した。
そして数秒後に大爆発を起こした。
爆発の余韻の光は、しばらくのあいだ空に留まり、満天の星々に代わって白雪の頂を照らし
た。
レオンは驚嘆し、瞳孔を収縮させる。
硝子球はこの世界に広く普及する一般的な霊具だった。
本来の用途では照明具として用いられるもので、扱いは角灯より難しいものの、角灯よりはるかに光度が高く、持続力もある。
レオンはこの硝子球にあらかじめ亀裂をいれておくことで、或いは使用の際に硝子球を砕くことで、光度をさらに引き上げる。
砕けた硝子球が散ってしまわないよう、レオンは細かな破片ひとつひとつを霊操し、球体を維持させる。
硝子の材料である岩塩は、霊力に触れると発光する性質がある。
そのため酒瓶などの一般的な硝子製品でも霊力を込めれば発光させることはできる。
しかし霊具として作られたこの硝子球は、岩塩と同じく霊力に反応して発光する黒曜石を内包している。
相乗効果で光度を高めた代物である。
レオンはこれに砕き、発光させることで、ケタリングの操作に不可欠である巨大な光球を作り出していた。
また砕いた硝子玉はただの光る球体としてだけではなく、硝子の許容を上回る霊力を流し込むことで破裂させることができる。
その衝撃はすさまじく、大木をなぎ倒すこともできるほどだった。
硝子球を光球として利用することは、レオンが独自に編み出した技法だった。
ラウラは数回目にしただけでそれを再現し、さらにはレオンの全力と大差ない破壊力の爆発まで起こして見せた。
おまけにラウラの霊力にはまだ十分な余裕があった。
小さな雪崩の飛沫が完全に消えるのを待って、ラウラはレオンに言った。
「私たちの目的はあなたと同じです。災嵐から、大切なものを守りたい。そしてそのためならなんでもできます。傷つくことも、死も、厭いません」
「……はっ」
レオンは身につけていた外套を脱ぎ、ラウラに投げつけた。
そしてラウラと同じように、空に向かって硝子球を放った。
ドオッ!
硝子球は二人の直上に昇り、弾けた。
それはラウラが起こしたものよりずっと小さかったが、光は消えることなく、いつまでも空に留まり続けた。
「いいだろう」
強い風が吹く。
風に乗って、轟音を響かせながら、ケタリングがやってくる。
ケタリングは雪渓を抉りながら着地し、レオンの放った光をじっと見つめる。
レオンは光球をケタリングの眼前へ泳がせ、まるで愛撫でもしているかのように、鼻先から頬にかけて転がした。
ケタリングは目を細め、身をまかせている。
レオンはケタリングに飛び乗り、ラウラに言った。
「行くぞ」
長く、どこまでも伸びるそれは、山肌にはりつく氷雪が深くなるほど形が崩れていく。
まるで小動物が這い進んだ後のように。
ラウラはすぐに指先の感覚を失くした。
ときおり訪れる、一際鋭い痛みが、小石を踏んだためのものなのか、凍傷によるためのものなのかさえ、判断がつかない。
それでもラウラは歩みをとめなかった。
一歩進むごとに、氷雪は重みを増す。
ラウラは額に汗を浮かべる。
鼻や耳や四肢といった末端は凍りついているが、心臓と肺は燃え上がっている。
ラウラは息を切らしながらも、迷いなく、まっすぐ、歩み続けた。
ようやくラウラが足をとめたのは、膝が埋まるほど雪渓が深い場所だった。
ラウラは正座をし、両手をついて、頭をたれた。
ラウラの身体は雪にほとんど埋まってしまう。ラウラは深呼吸する。
呼吸音は震えている。
吐く息も吸う息も浅い。
汗はあっという間に凍りつく。
口を閉じても歯が鳴ってしまう。
震えが止まらない。
ラウラはそんな状態でも意識を集中させた。
そして霊摂を始めた。
氷雪に宿る霊を、貪るように取り込んだ。
それは日が落ちて、あたりが暗闇に包まれるまで続けられた。
ラウラが小屋に戻ると、カイは寝台に寝かされていた。
寝息は落ち着いていて、規則正しい。顔にも赤みが差している。
レオンはその横で身支度を整えていた。
外套をはおり、硝子球の詰まった網袋を下げる。
カイを攫ったときと同じ、武装状態である。
「どこに行くんですか」
「……」
「ラプソのところですか」
「だったらどうする」
「私も行きます」
「いらねえよ」
レオンは舌を打ち、ラウラを睨み付ける。
「足手まといにしかならねえ」
「役に立ちます」
「てめえ、勘違いしてねえか。おれがやつらのとこにのこのこ交渉に行くとでも思ってねえか」
「殿下を助けに行くんですよね」
「気色の悪りい言い方すんじゃねえよ。――――厄介事になる前に、連中の手から切り札を奪っとくってだけだ」
「どうしてですか?」
「ああ?」
「あなたの目的は、縮地ですよね。縮地で、自分とケタリングを災嵐から守る。そのためにあなたは私たちを攫った。でも縮地は私とカイさんがいれば発動させられます。殿下を救う必要も、ラプソを警戒する必要も、ないはずです」
「なにが言いてえ」
「あなたが、もし、カイさんのために殿下を救おうとしているのなら、私も一緒に戦います」
レオンは否定も肯定もせず、ただ吐き捨てた。
「邪魔になるだけだ」
入り口に立つラウラを押しのけようとするが、華奢なラウラの身体は石のように固く、ぴくりとも動かない。
レオンは驚き、目を瞠るが、ラウラは淡々と続けた。
「カイさんがもし起きていたら、カイさんはあなたとともに殿下を救いにむかったでしょう。だからわたしが代りにいきます。カイさんは私の負うべき痛みを引き受けてくれました。だからわたしがカイさんの代りに戦います」
レオンは動かないラウラから手を引き、正面から、至近距離で相対する。
「おまえあいつが痛み引き受けた意味わかってんのか――――それでお前が死んだら、あいつが幻痛を引き受けた意味はなくなるんだぞ」
レオンは静かな口調だったが、その目には殺気が宿っていた。
「それでもいきます」
しかしラウラは怯まなかった。
決意は固く、レオンがどれだけ凄んでも動くことはない。
例えこの場でカイが意識を取り戻し、止めたとしても、ラウラは揺らがなかっただろう。
「私たちは互いを助け合うことを約束しました。それが一方的であっては、カイさんと共にいることを許されません」
「誰にだよ」
「私自身にです」
ラウラははっきりと答え、全身に霊力を巡らせた。
風もなく、髪や服の裾がはためく。
「硝子球を」
ラウラはそう言って右手をレオンに向けて開いた。
指先は霜焼けで赤くむくんでいる。長時間氷雪に浸けていたにしては、あまりにも軽度の凍傷だった。
火と氷からの霊摂は、短時間で多量の霊を取り込むことができる。
風や水などの、他の自然物より効率的に霊摂を行うことが出来る。
しかし多くの技師は火と氷を霊摂の対象に選ばない。
なぜならばこの二種は、霊摂と同時に身を傷つけてしまうからだ。
当然だが直火に触れれば火傷を、氷では凍傷を負う。
霊摂を行いながら霊力体表に纏い損傷を防ぐことができる、よほど優れた技師でなければ、この二種から霊摂することはできなかった。
レオンは疲弊していたはずのラウラの身体に満ち溢れた霊力と、指先の凍傷を見て、まさか、と眉をひそめた。
レオンの目に、ラウラは非力な子どもにしか映らない。
眼光こそ鋭いが、腕は細く、手は小さく、白い柔肌はすこし爪を立てただけで血を吹きそうなほど薄く見えた。
レオンはラウラの差し出した右手をつかみ、捻り上げようとする。
「……!」
しかしその細い腕は石のように固く、微動だにしない。
「硝子球を」
ラウラは繰り返した。
レオンは手を離し、躊躇うように一瞬、視線をさ迷わせたが、ラウラの求めに応じた。
「ありがとうございます」
ラウラは硝子球を握りしめ、霊力をこめながら、小屋の外に出る。
そして星の瞬く夜空に向けて、硝子球を指で弾いた。
―――――ドオッ!
それはまるで彗星だった。
打ち出された硝子球は、光の尾を伴って夜空を駆け昇り、消失した。
そして数秒後に大爆発を起こした。
爆発の余韻の光は、しばらくのあいだ空に留まり、満天の星々に代わって白雪の頂を照らし
た。
レオンは驚嘆し、瞳孔を収縮させる。
硝子球はこの世界に広く普及する一般的な霊具だった。
本来の用途では照明具として用いられるもので、扱いは角灯より難しいものの、角灯よりはるかに光度が高く、持続力もある。
レオンはこの硝子球にあらかじめ亀裂をいれておくことで、或いは使用の際に硝子球を砕くことで、光度をさらに引き上げる。
砕けた硝子球が散ってしまわないよう、レオンは細かな破片ひとつひとつを霊操し、球体を維持させる。
硝子の材料である岩塩は、霊力に触れると発光する性質がある。
そのため酒瓶などの一般的な硝子製品でも霊力を込めれば発光させることはできる。
しかし霊具として作られたこの硝子球は、岩塩と同じく霊力に反応して発光する黒曜石を内包している。
相乗効果で光度を高めた代物である。
レオンはこれに砕き、発光させることで、ケタリングの操作に不可欠である巨大な光球を作り出していた。
また砕いた硝子玉はただの光る球体としてだけではなく、硝子の許容を上回る霊力を流し込むことで破裂させることができる。
その衝撃はすさまじく、大木をなぎ倒すこともできるほどだった。
硝子球を光球として利用することは、レオンが独自に編み出した技法だった。
ラウラは数回目にしただけでそれを再現し、さらにはレオンの全力と大差ない破壊力の爆発まで起こして見せた。
おまけにラウラの霊力にはまだ十分な余裕があった。
小さな雪崩の飛沫が完全に消えるのを待って、ラウラはレオンに言った。
「私たちの目的はあなたと同じです。災嵐から、大切なものを守りたい。そしてそのためならなんでもできます。傷つくことも、死も、厭いません」
「……はっ」
レオンは身につけていた外套を脱ぎ、ラウラに投げつけた。
そしてラウラと同じように、空に向かって硝子球を放った。
ドオッ!
硝子球は二人の直上に昇り、弾けた。
それはラウラが起こしたものよりずっと小さかったが、光は消えることなく、いつまでも空に留まり続けた。
「いいだろう」
強い風が吹く。
風に乗って、轟音を響かせながら、ケタリングがやってくる。
ケタリングは雪渓を抉りながら着地し、レオンの放った光をじっと見つめる。
レオンは光球をケタリングの眼前へ泳がせ、まるで愛撫でもしているかのように、鼻先から頬にかけて転がした。
ケタリングは目を細め、身をまかせている。
レオンはケタリングに飛び乗り、ラウラに言った。
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