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第二章
戌歴九九八年・夏(三)
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ラウラとカイ、シェルティの三人が霊堂に戻ると、丙級の候補生、ヤクートが出迎えた。
「よかった!戻ってきてくれたんですね!」
驚くラウラをよそに、あらかじめ示し合わせていたカイとヤクートは目配せする。
「準備はばっちりだよ」
「さんきゅ!いやまじ無駄になんなくてよかったあ」
「みんなカイが先生を連れて帰ってくるって信じてたから、あんまり心配してなかったけどな。どっちかといえば成功するかどうかの方が――――」
「それもまたカイ次第だけどね」
口を挟んだシェルティは、流れるようにカイを茶化す。
「でも、きっと成功するよ。だってカイは直前の予行練習を蹴ってまで、自ら迎えを申し出たんだ。天地がひっくり返っても失敗はしないという自信があってのことだろう」
「おいばか、緊張させんなよ」
ラウラは会話の流れが汲めず、説明を求めた。
しかし三人はなにも答えず、ラウラを霊堂の地下にある修練場に引っ張っていった。
修練場は五十メートル四方の何もない広い空間だった。
その中央にアフィーをはじめとした丙級の候補生が集まり、隊列を組んでいた。
全員肩に丸めた太い荒縄をかけている。
カイとヤクートもその中に加わると、ラウラに向かって大きく手を振った。
「見てて!」
正方形の隊列の四隅にいる候補生はそれぞれ松明を手にしている。垂直に掲げていたそれを、四人は列の中央にいるカイに向ける。
ドォオオッ!!
松明の炎は一斉に大きく燃え上がり、カイに伸びていく。
「危ないっ!」
ラウラは叫んで一歩前に出るが、隣に立つシェルティがそれを制する。
「待って。……ほら」
ラウラの杞憂をよそに、カイは両手を上にあげ、炎を平然と受けとめる。
四つの松明が尽きるまで、カイの元に炎は送り続けられた。
「嘘……」
修練場内に出現した小さな太陽に、ラウラは唖然とした。
候補生の頭上に集まった炎は、カイの制御下におかれ、球体を為している。
その大きさは松明が尽きた段階で直径十メートルに及び、尚も膨らみ続けている。
ラウラの驚きも無理はない。火、水、風、土の四元素は最も霊操が容易であるが、同時にその利用が非常に困難であるとされているのだ。
四元素は最も原始的な霊摂の媒体である。
人びとは紀元前、意識的に霊操を行う以前から、無意識化で四元素から霊を取り入れ、体内の霊力へと変換していた。
しかし霊力を得ることはできるが、それを操るには技量が求められた。
例えば蠟の先にともる炎など、対象が少量であればある程度の操作が可能だったが、その大きさが増した場合、対象の含有する霊が操作を行う人間の霊力を上回り、制御が不能となる。
ところがカイはおよそ人間業とは思えない巨大な火球を作り出している。
「すごいだろう?」
シェルティはまるで自分ごとにように目を輝かせて、自慢げに言った。
ラウラはそれに返事をすることができなかった。
カイの持つ無限の霊力をもってすれば、確かにこれくらいのことはできても不思議ではない。
しかしカイはほんのひと月前まで、刺繍針ひとつ満足に動かせていなかったのだ。
これだけの短期間で炎を操ることなんてできるはずがない。
ラウラは目を疑った。
それは昨日までつかまり立ちをしていた幼児が突然逆立ちして見せるようなもので、ほとんど奇跡といってよかった。
ラウラは目の前で起こる奇跡のような現実に、ただ圧倒されることしかできなかった。
「すごいですよねえ」
ラウラに代わってシェルティに答えたのは、ラウラが不在の間丙級の指導教官であった技師、ブリアード・ダルマチアだった。
「規格外の霊力があるとはいえ、それにしたって、がんばりましたよねえ、彼」
「ブリアードさん。あれは、貴方が指導を……?」
「私はあんな曲芸じみた真似をしろとは教えてないんですけどね、彼らどうしても腕前をあなたに見せたいようで……まあとにかく最後まで見てあげてください」
ラウラが視線を戻すと、ちょうどカイの作る火球が隊列と同じ大きさにまで膨らんだところだった。
「うぎぎ……もうむりっ!」
カイはそう叫び、両腕を下に降ろす。
それまで球体を保っていた炎は崩れ、候補生たちに襲い掛かる。
(危ない!)
ラウラは悲鳴をあげそうになるが、それよりもはやく候補生たちは肩にかけた荒縄を火球に向かって投げた。
荒縄は生き物のように広がっていく。重なり合い、絡み合い、やがて巨大な網となって頭上に広がった。
「ああっ!」
ラウラはそれを目にして、悲鳴の代りに感嘆を漏らした。
荒縄は降り注ぐ炎を受け止め、その身に移した。
全ての炎を受け止めるとともに燃え尽き、灰となって候補生の頭上に降り注いだ。
あれだけの火球であったにも関わらず、熱気や硝煙は少しも出ていない。
「うわっ!」
が、候補生たちは落ちてきた灰を浴びて騒ぎたてる。
「服に穴が!」
「練習では灰も出なかったのに、なんで!」
「カイの火力が足りなかったんじゃないか?」
「人のせいにすんな!お前らの捌き方が甘かったんだろ!」
言い争っているようだが、その顔はみな誇らしげだった。
「ラウラ先生、練習ではもっとうまくいったんですよ!」
一人が言うと、全員が一斉にラウラに視線を向けた。
ラウラは首を振って、笑顔で拍手をした。
「これ以上ない出来です。すごいです!!」
それを聞いた候補生たちは歓声を上げ、手を取りあって喜んだ。
ラウラはその中にアフィーも混ぜっていることに気づき、さらに驚いた。
アフィーは相変わらずの無表情だったが、カイに肩を組まれ、輪の中にしっかりと入りこんでいたのだ。
「よかった!戻ってきてくれたんですね!」
驚くラウラをよそに、あらかじめ示し合わせていたカイとヤクートは目配せする。
「準備はばっちりだよ」
「さんきゅ!いやまじ無駄になんなくてよかったあ」
「みんなカイが先生を連れて帰ってくるって信じてたから、あんまり心配してなかったけどな。どっちかといえば成功するかどうかの方が――――」
「それもまたカイ次第だけどね」
口を挟んだシェルティは、流れるようにカイを茶化す。
「でも、きっと成功するよ。だってカイは直前の予行練習を蹴ってまで、自ら迎えを申し出たんだ。天地がひっくり返っても失敗はしないという自信があってのことだろう」
「おいばか、緊張させんなよ」
ラウラは会話の流れが汲めず、説明を求めた。
しかし三人はなにも答えず、ラウラを霊堂の地下にある修練場に引っ張っていった。
修練場は五十メートル四方の何もない広い空間だった。
その中央にアフィーをはじめとした丙級の候補生が集まり、隊列を組んでいた。
全員肩に丸めた太い荒縄をかけている。
カイとヤクートもその中に加わると、ラウラに向かって大きく手を振った。
「見てて!」
正方形の隊列の四隅にいる候補生はそれぞれ松明を手にしている。垂直に掲げていたそれを、四人は列の中央にいるカイに向ける。
ドォオオッ!!
松明の炎は一斉に大きく燃え上がり、カイに伸びていく。
「危ないっ!」
ラウラは叫んで一歩前に出るが、隣に立つシェルティがそれを制する。
「待って。……ほら」
ラウラの杞憂をよそに、カイは両手を上にあげ、炎を平然と受けとめる。
四つの松明が尽きるまで、カイの元に炎は送り続けられた。
「嘘……」
修練場内に出現した小さな太陽に、ラウラは唖然とした。
候補生の頭上に集まった炎は、カイの制御下におかれ、球体を為している。
その大きさは松明が尽きた段階で直径十メートルに及び、尚も膨らみ続けている。
ラウラの驚きも無理はない。火、水、風、土の四元素は最も霊操が容易であるが、同時にその利用が非常に困難であるとされているのだ。
四元素は最も原始的な霊摂の媒体である。
人びとは紀元前、意識的に霊操を行う以前から、無意識化で四元素から霊を取り入れ、体内の霊力へと変換していた。
しかし霊力を得ることはできるが、それを操るには技量が求められた。
例えば蠟の先にともる炎など、対象が少量であればある程度の操作が可能だったが、その大きさが増した場合、対象の含有する霊が操作を行う人間の霊力を上回り、制御が不能となる。
ところがカイはおよそ人間業とは思えない巨大な火球を作り出している。
「すごいだろう?」
シェルティはまるで自分ごとにように目を輝かせて、自慢げに言った。
ラウラはそれに返事をすることができなかった。
カイの持つ無限の霊力をもってすれば、確かにこれくらいのことはできても不思議ではない。
しかしカイはほんのひと月前まで、刺繍針ひとつ満足に動かせていなかったのだ。
これだけの短期間で炎を操ることなんてできるはずがない。
ラウラは目を疑った。
それは昨日までつかまり立ちをしていた幼児が突然逆立ちして見せるようなもので、ほとんど奇跡といってよかった。
ラウラは目の前で起こる奇跡のような現実に、ただ圧倒されることしかできなかった。
「すごいですよねえ」
ラウラに代わってシェルティに答えたのは、ラウラが不在の間丙級の指導教官であった技師、ブリアード・ダルマチアだった。
「規格外の霊力があるとはいえ、それにしたって、がんばりましたよねえ、彼」
「ブリアードさん。あれは、貴方が指導を……?」
「私はあんな曲芸じみた真似をしろとは教えてないんですけどね、彼らどうしても腕前をあなたに見せたいようで……まあとにかく最後まで見てあげてください」
ラウラが視線を戻すと、ちょうどカイの作る火球が隊列と同じ大きさにまで膨らんだところだった。
「うぎぎ……もうむりっ!」
カイはそう叫び、両腕を下に降ろす。
それまで球体を保っていた炎は崩れ、候補生たちに襲い掛かる。
(危ない!)
ラウラは悲鳴をあげそうになるが、それよりもはやく候補生たちは肩にかけた荒縄を火球に向かって投げた。
荒縄は生き物のように広がっていく。重なり合い、絡み合い、やがて巨大な網となって頭上に広がった。
「ああっ!」
ラウラはそれを目にして、悲鳴の代りに感嘆を漏らした。
荒縄は降り注ぐ炎を受け止め、その身に移した。
全ての炎を受け止めるとともに燃え尽き、灰となって候補生の頭上に降り注いだ。
あれだけの火球であったにも関わらず、熱気や硝煙は少しも出ていない。
「うわっ!」
が、候補生たちは落ちてきた灰を浴びて騒ぎたてる。
「服に穴が!」
「練習では灰も出なかったのに、なんで!」
「カイの火力が足りなかったんじゃないか?」
「人のせいにすんな!お前らの捌き方が甘かったんだろ!」
言い争っているようだが、その顔はみな誇らしげだった。
「ラウラ先生、練習ではもっとうまくいったんですよ!」
一人が言うと、全員が一斉にラウラに視線を向けた。
ラウラは首を振って、笑顔で拍手をした。
「これ以上ない出来です。すごいです!!」
それを聞いた候補生たちは歓声を上げ、手を取りあって喜んだ。
ラウラはその中にアフィーも混ぜっていることに気づき、さらに驚いた。
アフィーは相変わらずの無表情だったが、カイに肩を組まれ、輪の中にしっかりと入りこんでいたのだ。
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