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1章
50話 初来客
しおりを挟む洋服屋でオカマのおっさ.....お姉さんに採寸された後、暫く待っていると、オカマのお姉さんが俺に似合う服を上下セット見繕ってくれた。
デザインはシンプルな物で、黒ジャケット、白シャツ、黒ズボンのスタイリッシュなワンセットになっている。
俺は早速試着してみる。
うんうん、着心地は悪くないね。動きも阻害されないし、なんの問題もないな。
どうせ何着てもファッションなんてわかんねえんだ。
よし、これに決めた!!!
「店員さん、これと同じサイズで同じものを後、二セット程用意してもらえますか?」
「わかったわぁーん! ちょっと待っててねん!」
オカマのお姉さんは、そう言うと裏手に行って在庫を取りに行った。
......そういえば名前聞いてないな。......いや、無理に聞く必要はないよな? うん、ないな。別に服屋の店員の名前なんて知らなくてもなんの問題もない。
そんな決意を固めていると、所謂オカマ走りで、こちらに向かってくる。その様は正に奇〇種のようだ。
「お待たせぇ~。ちゃんと持ってきたわよぉ~ん。それじゃあ全部合わせて合計7500ゴルよぉ~ん!」
7500ゴルか.........高いのか安いのかは全くもって分からないが、お金にはまだまだ余裕はあるし、まあいいだろう。
俺はアイテムボックスから、銀貨七枚と大銅貨五枚を取り出して、丁度の値段で渡す。
「ん~。きっちり丁度頂いたわ~! それじゃあ、またなにかあればぜひ来てね~ん? あっ、それと私の名前は、ミルキーよ? これから末永くよろしくねぇ~ん?」
ミ、ミルキー!?!?!?!?!?!?
マジかよ? 本気でミルキー? どう見てもゴー〇キーの方がお似合いな顔をしているんですが!?
余りにも似合わない名前すぎて思わず鳥肌立っちまったよ!!
いや、ダメだ。人は見た目で判断してはいけない。それは名前と顔が余りにも不釣り合いで合ったとしても考えてはいけないことだ。
俺は苦笑いしそうなのを必死に堪えて、笑顔を作り、こちらも自己紹介をする。
「は、ははははっ。自分は、レイって言います。その、また服が必要になれば来ますので、これにて失礼します! それでは!!」
俺は最後の方は捲し立てて話ながら、素早くお店から飛び出て、そのまま洋服屋ミルキーを後にした。
そう、今気づいたけど、あの見せの名前もミルキーなのだ。
うん、もう考えるのはやめよう。そして感じるのもやめよう。
考えるな! そして感じるな!! だ。
さて、当初予定していたやるべき事はとりあえず済ませられたけど、この後はどうしたものか........。
一回家に帰って学生服から今買った服に着替えるか? 幸いにもこっから家まで五分もかからないくらいには、近い。
これから、マリーたちがいるであろうとある場所に赴くのに、この世界では得体の知れない学生服はちょっと怪しすぎるしな。
うん、そうと決まれば一旦家に帰るか。
ってことで、帰ってまいりましたよ我が家に!!
早速2階に上がり、寝室として作った部屋に赴いて、着替えを済ませる。
一応衣装ケースはあるが、アイテムボックスの容量はまだまだ空きが沢山なので、買った服と着替えた学生服は、アイテムボックスに収納した。
さて、着替えも済んだし、早速マリーたちのところに向かおうかな?
そんなことを考えていた時だった。
コンコンコンッ!
一階の玄関のドアをノックする音が聞こえてきた。
まさか家を造って初日に誰か訪ねてくるとは思っていなかったので、俺は一瞬固まってしまう。
だが、よく良く考えれば、いきなり何も無かった場所に家が出来たら、周りに住んでいる人達が不思議に思って訪ねてくることもあるのか? と思い、すぐに玄関の方に向かい、訪ねてきた人を迎える。
そして、やってきていたのは..........。
「レイお兄ちゃんー! こんにちわー!!」
なんと、先程別れたばかりのマリー........と、二十代くらいのとても綺麗な女性だった。
..........どちら様?
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