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1章
39話 流石に予想してなかったです。
しおりを挟むスキル『創造』を使用した瞬間、一瞬だけその場が光輝き、俺はその眩しさに思わず目を瞑ってしまう。
そして、次に目を開けた時には、石造りの家が目の前に出来上がっていた。
「え? うそでしょ........?」
俺は呟かずにはいられなかった。
だって、定番だとこういうのって徐々に出来上がるっていうか、凄い時間が掛かるもんじゃないの? え? こんな一瞬で出来ちゃっていいのか?
いや、てか、内装ばかり意識して外装のことなんて石造りくらいしかイメージしてなかったのに、外装もなんだかいい感じに仕上がっている。
基本の色は白を基調としていて玄関のドアや窓枠、屋根等の部分が青色。
白と青のコントラストがこれ程に美しいなんて今まで知りもしなかった。
てか、俺だったらこんな鮮やかで美しいデザインを想像出来やしない。これは一体どうなってるんだ?
いや、犯人.......というより、原因は、この『創造』というスキル自体にあるのではないか思う。てか、それ以外に原因が思い当たらないしな。
いや、ははっ。それにしてもいつまでも見ていられる。
そうか、これからこのお店で俺は商売をしていくんだな.......。
俺は出来上がった家をその場で暫く見続けていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
家の外観を見続けること1時間程、漸く興奮状態から落ち着いてきた俺は、冷静になることが出来た。
うん、いつまでも外観を見ている場合ではなかった。
「早速。中を見てみようかな!!」
俺は独りそう呟いて、玄関のドアを開け、中に入った。
「うわあーーー、すげーーー」
なんとも語彙力のない感想で申し訳ないが、俺にはそれしか言うことが出来なかった。だって、外観だけじゃなく、内装までなんだか想像よりも良くなっているんだもの。
てか、40畳で結構広いな。もうちょっと狭くても良かったけど、これはこれでいいな。
てか、中に配置する棚やレジ場なんて想像していなかったはずなのに、既に壁側には棚が配置されている。
そして、従業員専用にと作った部屋に行くためにある扉の前にはレジ場のような台が一つ佇んでいて、その横には、高級な指輪を配置できるようなショーケースがある。
そして、天井には、照明器具.......という化けの皮を被った豪華なシャンデリアが吊るされている。
そして床一面は真っ白で透明感のある大理石。
俺、こんな高級そうな内装イメージしてないんだけどな? いやまあ、感動してるから文句なんて欠けらも無いし、むしろなんだか分からないけどありがとうございます。って感じなんだけどね。
いや、マジですげえな.........。
うん、これだけ素晴らしい内装なら、女性客も多くつくんじゃないだろうか? これは益々俺の創作センスが試されそうだな。
ははっ。まあ望むところだけどな! ふっふっふっ。お店を開くのが楽しみだな.......。
さて、お店側を見るのは終わったし、次行くか......。
俺は、レジ裏に回るとすぐ前にある扉を開け、次なる部屋へと向かう。
扉を開けると、そこには幅1メートルの廊下が眼前に広がり、三つの部屋に続く扉と、二階と地下へと続く階段がある。
まずは、一番手前の右側にある扉を開ける。
.......トイレでした。広さは2畳分くらい使ってるのかな?
この世界はおそらく中世ヨーロッパレベルの文明なはずなのだが、目の前にあるトイレは洋式便所で水洗式でウォシュレットも付いていた。
水はどこから引っ張てるのか。流した便はどこに行くのか。他にも色々と疑問はつきなかったが、分からないものは考えても仕方ない。使えるんだから大丈夫だろうと、俺は考えるのを止めた。
さて、次だね。
次はトイレのある部屋の隣にある部屋。この時点で在庫置き場か休憩室の二択だけど、どっちかな?
そう思いながら部屋の扉を開け、中を見る。
広さは4畳程。中には高さ2m程の棚が2つ部屋の両端に備え付けられている部屋だった。うん、これはたぶん在庫置き場だろう。
........特に他に確認することはないので、俺は部屋を出て、最後の部屋の扉の前にくる。
さて、最後は休憩室なわけだけど......どうなってるのかなっ!
今までの感じから普通になにもない部屋であるわけが無いと思い、期待の念を抱きながら扉のを開け、中を見渡す。
広さは10畳程。中には、質の良さそうな白色の高級ソファーが二つあり、その対面に青色のテーブルが置かれている。
そして、部屋の隅には結構大きめの冷蔵庫と冷凍庫があった。
.........いやいやいや。なんで電化製品あんの? ここ異世界だよ? 現代じゃないよ? まじでどうなってんの?
え、まさかあるだけ? 使えないけど創造は出来てしまった的なやつ? だったらでかいだけでめちゃくちゃ邪魔なんだけど?
いや、ワンチャンス使えるって可能性もあるんだし、一応開けて確認してみよう。よし、
.............うん、中から冷気が出てきてるね。
現在進行形で稼働してるね。
どゆこと????
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