成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮

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4章

154話 ルカルドの日常 昼

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 朝食を食べ終えた俺は、家族との軽い談笑を終えると、一人錬金小屋へと向かい、ポーション作製を始める。

 二歳の頃に小銭稼ぎのために始めたものだが、億万長者になった今でも、何もなければ基本毎日欠かさず行っている。

 最初の頃は家族のみんなも見物しに来ていたが、既に六年目ということもあり、今では誰かが見物しにくることの方が珍しいほどだ。

 だが、一人ぼっちというわけではない。

 何故なら、誰も見物に来ない時は大抵アテナかククのどちらか、あるいは二人共が錬金小屋にやって来るからだ。

 家族とは違い触れ合う時間が限られているため、二人がいる時は、基本的に錬金小屋での滞在時間がいつもより長くなってしまうのは、仕方ないことだろう。

「マスター、の錬金術は相変わらず綺麗ですねぇー」
「ルカ様の錬金術を見てるの、一生飽きないと思う!」

 二人はいつも俺が錬金術を行なう姿を褒めちぎってくる。まあ、世界で唯一の神級レベルマックスの錬金術師だし、これくらい当然だけどね。

「ルカルド様~! 昼食の時間になりましたよ~!」

 ポーション作りを終えてからもしばらくの間錬金小屋で二人と話し込んでいると、昼食の時間が来たとアリーが知らせにやってきた。

「今行くよ~! 二人共、またね!」

 早く行かないと、また兄さんが騒ぎそうなので、俺は二人に別れを告げて足早にアリーの元へと駆けた。

 ダイニングルームに辿り着くと、既に俺以外のみんなが席に座っていた。

 案の定、兄さんからは朝と同じように早く座るように催促されてしまったが、もはやそれ自体が日常と化しているから、一ミリも気にせずにスルーして昼食をとり始める。

 昼食後は、先程作ったポーションの納入。それから俺が経営しているルル商会と温泉宿に顔を出して、新たな事業を展開するための領内の下見などもしなければいけない。

 この異世界に生まれ落ちてから八年と少し、スローライフを目指して日々精一杯生きているのだが、何故だが歳を重ねる毎に忙しい日々を過ごすようになっている。

 これではスローライフならぬ、ハード……いや、ベリーハードライフなんだよな……

 スローのスの字もいまだ見えてこない日々ではあるが、それでも、前世とは比べものにならないほど充実した日々を送れているのもまた事実。

 そう考えれば、プラマイゼロ……むしろプラスな人生とも言えるのかもしれないな。

 出会う人全員に恵まれている俺の今世は、例えスローではなくとも、フルライフであるから、今日も笑顔は絶やさない。

 この最高の世界を俺は死ぬまで存分に満喫してやろうと思っている。


 まあ、そもそも神様である俺に死がやってくるのかは謎なんだけどね?
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