この恋に殉ずる

冷暖房完備

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並木 智恵子 目線

No.7 親友

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んで、どうなったかと言うと……
 
 
 
 
 
 
 
すっかり友達ですわ。
ええ、そりゃもう色気も素っ気もない……。
 
「ジョージ、飲み足りないんじゃない?」
言うが早いか佳世がバーテンを呼ぶ。
「カヨ、なにかタベタイよ。エランデ」
とジョージが言う。
「あたし、ピザ食べた~い」
さらに小百合もシュタッと手を上げる。
「小百合、あんた飲み過ぎ」
「なぁによぉ。一足先に嫁にいく あたしにジェラシー?」
ニヤニヤと薬指のリングを見せる。
「一足先って、かなり行き遅れ
だけどな」
そんな小百合を佳世が ぶった切る。
「うるさ~い、うるさ~い!!」
地道に通った何回目かの街コンで お相手を見つけて神谷 小百合から久留米 小百合になった。
「次は智恵子たちだな」
「だな」
二人が肩を組ながらニヤニヤとアタシたちを見る。
「ないない」
 
友達だもん。
 
「そう思ってるのは あんただけよ」
「外堀そろそろ完成するんじゃないの?」
「なによ、外堀って……」
「まぁまぁチエコ。このチーズおいしいよ」
言いながらアタシの口にチーズを放り込むジョージ。
「お~お~。仲いいこって」
「まぁいいんじゃない?形なんて。二人が自然ならね」
ニヤニヤする二人をスルー。
 
妙齢の男女を くっつけようとしないでよ。
居心地いいんだからさぁ。
 
「この関係が一番いいんだから変に波風たてないでよ?」
一応クギは刺しとく。
 
あんなに口うるさかったパパもジョージとの友情には文句を言わなくなったし、ジョージの家族も好意的に見守ってくれてる。
親友でビジネスパートナー。
 
最高じゃない?
 
「ずっとナカヨクしていこうね」
「うん!!」
艶っぽく微笑むジョージに笑顔で答える。 
 
 
 
 
 
 
 
心の傷も癒え、すっかり外堀を埋められて、どっぷり愛されるのは もう少し先のこと……。
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