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ラブラブちゅ
No.9 恋敵は抹殺
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「カツ丼 いっちょ~!!」
「はいよぉ」
夕飯時ラッシュ、厨房は てんてこ舞い!!
「おう神楽~、お前 今月までなんだって?」
「あ、おっちゃん いらっしゃい。そうなんだよ~来週の金曜日で終わり~」
「寂しくなるなぁ」
「そう言わずに食べに来てよ~。私も免許とったら時々来るから!!」
「やめてくれ!!高速が渋滞になる」
「おっちゃん、ゴハンおかわりナシね!!」
「おいおい。て、この やり取りも残りわずかかぁ、寂しくなるなぁ」
「新しく入ってきた子も若い子だし優しくしてやってね!!」
ちらりと厨房を見ると危なげな手つきで二人の新人がフライパンを振ってる。
「まぁここの飯は安くて旨いから来るわ来るけどな。ほれ」
ふいに何かが飛んできて反射的に受けとる。
「え?なに!?」
「就職祝いだよ。娘が選んだから変なもんじゃねぇぞ?」
「ええ!?もらえないよ~!!」
「つっかえされても困るから受けとれ」
がはははと笑いながらカウンターを離れていく おっちゃん。
「人気者ね~神楽ちゃん」
フライパン振りながらオバチャンズの面々が笑ってる。
私も苦笑いで返し、厨房の隅を見る。
今月までって言った日から少しずつ増えてく就職祝いのプレゼント。
お菓子や化粧品などなど。
オバチャンズはもらっとけって言ってくれるけどイイのかな……。
お返しを考えたら家計簿が真っ赤になりそう……(泣)
ラッシュを終えて少し落ち着きを取り戻した時、いつも美味しいお菓子をくれるお兄ちゃんが入ってきた。
「あ、いらっしゃい!!」
「お、おう」
長距離の運転手らしく日に焼けた筋肉が繋ぎの作業着からも うかがえる。
が、筋肉そんな興味ないけどね。
「いつものでいい?」
「あ、うん」
オバチャンズに牛丼大盛りを頼む。
「どったの?元気ないね」
ここの客にしては珍しく20代のお兄ちゃんは、いつも元気なのに。
「風邪でもひいた?」
「あ、いや……辞めるんだって?」
「あ、うん。就職 決まったから」
「そうみたいだね……。おめでとう」
「ありがとう」
なんか元気ないなぁぁ。
「そんな顔されたら心配で辞めれないわ~」
なんて おどけてみせる。
笑ってくれると思ってたのに じっと見つめられた。
え?ええ?
おろおろして振り替えるとオバチャンズがニヤニヤしながら こっちを見てた。
な、なに~!?(泣)
「神楽ちゃん!!」
「ふへっ!?」
急に手を握られて慌てて顔を戻すと真剣な顔の お兄ちゃんと目が合う。
「好きなんだ。付き合ってほしい」
「……………ええ!?」
思わず歌舞伎役者のように おののいた!!
ま、まじ!?そんな素振り一度もなかったですよね!?
てか私あなたの名前も知りませんけど~!?(泣)
「絶対 幸せする!!行きたいとこ全部 連れてくし欲しいもの全部 買ってやる!!」
え?えーーー!?
「あ、あの、私、付き合ってる人がいま、すから ごめ……」
「そんなの関係ない!!そいつと別れて俺と…!!」
ひええええええ!!
あまりの押しの強さにパニックになっていると掴まれた手の上に さらに一つ手が重なる。
「お客様、申し訳ございませんが手を離していただけますか?」
低い、低~い声で新垣さんが唸る。
瞬間、ビクッとなって お兄ちゃんが手を離す。
ほっとしたけど、新垣さん あなた いったい今どんな顔してるんですか?
私に背を向けてるから分からないけど遠くのお客さんまでビビってますよ~(泣)
「し、仕事中に悪かったよ。神楽ちゃん、後で ゆっくり話した……」
「お客様」
「ヒッ」
う、うわ~(泣)
お兄ちゃん、ヒッとか言ってるよ~(泣)
「時間外での個人的な接触も ご遠慮していただきたいです」
「は、はあ?あんたに そこまで言われる筋合いはねぇよ!!」
わ、わぁ(泣)これは私が ちゃんと断らないとケンカになってしまう~(泣)
「あ、あのっ!!」
新垣さんを押しのけて前に出ると強引に肩を掴まれた
。
え!?
「こいつは俺のなんで ちょっかいかけるの やめていただけますか?」
「「「えーーー!?」」」
フロア中ひっくり返るほどの声。
わ、わ~(泣)微妙にハモってますよ皆さ~ん(泣)
「ちょ、ちょっと待って?じゃあ神楽ちゃんが前に付き合ってるって言ってたのは……」
「俺ですね」
しれっと言う。
「「「えーーー!?」」」
メッチャ ハモってる~(泣)みんな仲いいな!!
「はいよぉ」
夕飯時ラッシュ、厨房は てんてこ舞い!!
「おう神楽~、お前 今月までなんだって?」
「あ、おっちゃん いらっしゃい。そうなんだよ~来週の金曜日で終わり~」
「寂しくなるなぁ」
「そう言わずに食べに来てよ~。私も免許とったら時々来るから!!」
「やめてくれ!!高速が渋滞になる」
「おっちゃん、ゴハンおかわりナシね!!」
「おいおい。て、この やり取りも残りわずかかぁ、寂しくなるなぁ」
「新しく入ってきた子も若い子だし優しくしてやってね!!」
ちらりと厨房を見ると危なげな手つきで二人の新人がフライパンを振ってる。
「まぁここの飯は安くて旨いから来るわ来るけどな。ほれ」
ふいに何かが飛んできて反射的に受けとる。
「え?なに!?」
「就職祝いだよ。娘が選んだから変なもんじゃねぇぞ?」
「ええ!?もらえないよ~!!」
「つっかえされても困るから受けとれ」
がはははと笑いながらカウンターを離れていく おっちゃん。
「人気者ね~神楽ちゃん」
フライパン振りながらオバチャンズの面々が笑ってる。
私も苦笑いで返し、厨房の隅を見る。
今月までって言った日から少しずつ増えてく就職祝いのプレゼント。
お菓子や化粧品などなど。
オバチャンズはもらっとけって言ってくれるけどイイのかな……。
お返しを考えたら家計簿が真っ赤になりそう……(泣)
ラッシュを終えて少し落ち着きを取り戻した時、いつも美味しいお菓子をくれるお兄ちゃんが入ってきた。
「あ、いらっしゃい!!」
「お、おう」
長距離の運転手らしく日に焼けた筋肉が繋ぎの作業着からも うかがえる。
が、筋肉そんな興味ないけどね。
「いつものでいい?」
「あ、うん」
オバチャンズに牛丼大盛りを頼む。
「どったの?元気ないね」
ここの客にしては珍しく20代のお兄ちゃんは、いつも元気なのに。
「風邪でもひいた?」
「あ、いや……辞めるんだって?」
「あ、うん。就職 決まったから」
「そうみたいだね……。おめでとう」
「ありがとう」
なんか元気ないなぁぁ。
「そんな顔されたら心配で辞めれないわ~」
なんて おどけてみせる。
笑ってくれると思ってたのに じっと見つめられた。
え?ええ?
おろおろして振り替えるとオバチャンズがニヤニヤしながら こっちを見てた。
な、なに~!?(泣)
「神楽ちゃん!!」
「ふへっ!?」
急に手を握られて慌てて顔を戻すと真剣な顔の お兄ちゃんと目が合う。
「好きなんだ。付き合ってほしい」
「……………ええ!?」
思わず歌舞伎役者のように おののいた!!
ま、まじ!?そんな素振り一度もなかったですよね!?
てか私あなたの名前も知りませんけど~!?(泣)
「絶対 幸せする!!行きたいとこ全部 連れてくし欲しいもの全部 買ってやる!!」
え?えーーー!?
「あ、あの、私、付き合ってる人がいま、すから ごめ……」
「そんなの関係ない!!そいつと別れて俺と…!!」
ひええええええ!!
あまりの押しの強さにパニックになっていると掴まれた手の上に さらに一つ手が重なる。
「お客様、申し訳ございませんが手を離していただけますか?」
低い、低~い声で新垣さんが唸る。
瞬間、ビクッとなって お兄ちゃんが手を離す。
ほっとしたけど、新垣さん あなた いったい今どんな顔してるんですか?
私に背を向けてるから分からないけど遠くのお客さんまでビビってますよ~(泣)
「し、仕事中に悪かったよ。神楽ちゃん、後で ゆっくり話した……」
「お客様」
「ヒッ」
う、うわ~(泣)
お兄ちゃん、ヒッとか言ってるよ~(泣)
「時間外での個人的な接触も ご遠慮していただきたいです」
「は、はあ?あんたに そこまで言われる筋合いはねぇよ!!」
わ、わぁ(泣)これは私が ちゃんと断らないとケンカになってしまう~(泣)
「あ、あのっ!!」
新垣さんを押しのけて前に出ると強引に肩を掴まれた
。
え!?
「こいつは俺のなんで ちょっかいかけるの やめていただけますか?」
「「「えーーー!?」」」
フロア中ひっくり返るほどの声。
わ、わ~(泣)微妙にハモってますよ皆さ~ん(泣)
「ちょ、ちょっと待って?じゃあ神楽ちゃんが前に付き合ってるって言ってたのは……」
「俺ですね」
しれっと言う。
「「「えーーー!?」」」
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