好きなんだからいいじゃない

優蘭みこ

文字の大きさ
上 下
18 / 124

17.とんかつのお肉は厚けりゃいいってもんじゃ無さそう

しおりを挟む
前回のコロッケつながりのお話です。とんかつのお肉は厚いのが喜ばれますが、私の場合、そんなでも無いんです。極薄お肉の物凄く美味しいとんかつが有ったんですよ。

★★★

で、前回のコロッケのお話からの続きみたいになります。

甘くない、私が大好きなコロッケを売ってた『花田精肉店』さん。ここで売ってた『とんかつ』も実は大好きだったんですよ。どんなものかと言うと、衣がザクザクでクリスピーで香ばしくて、衣だけでも美味しかったんですが、お肉が薄い、物凄く薄い。たぶん2mくらいしかなかったんじゃないかな、いやもっと薄かったかも。ミルフィーユカツってあるじゃないですか、あれは薄いお肉を何層か重ねて衣でくるんであげるんですが、そのお肉を重ねないで一枚で作った、そんな感じのとんかつでした。



香ばしく、サクサクに揚げられてたのはたぶんこのお肉の薄さにあるんでしょうね。揚げる時間が短くて済みそうだから、その分余分な脂が染み込まないで脂っこくならなくて軽い食感を表現することができたんでしょうね。でも、どうしてこんなに薄いお肉でとんかつを作ることを思いついたんですかねぇ、ネットで調べてもこういうのが名物と言うお店も地域も見つかりませんでしたので、おそらく花田精肉店さんオリジナルの作り方というか発想だったんだ無いかと思います。

お肉はたぶんロースで豚肉の旨味がしっかり感じられてとんでもない薄さなのにジューシーで、私の両親も分厚い脂っこいお肉を使ったとんかつよりも、この薄いお肉のとんかつの方が好きだって言ってました。とんかつソースとの相性が抜群でしたよ、ただ、私の父はこれを辛子醬油で食べるの好きでしたね。辛子はまぁ、とんかつにはつきものかとも思うんですが、私はお醤油はちょっと合わないなっともいました。ちょっと父の味覚を疑ったりなんかしましたね。

肉厚ならとんかつは闇雲に美味しいというのははっきり言って間違ってます、こういう作り方も有るんだって言うことを広く知っていただければと思います。

このとんかつ、ファンの方も多かったようで売れ行き好調だったらしく、お昼過ぎには売り切れてることも有って、お使いで買いに行って無かったりしたら、結構がっくり来ましたよ。その分、コロッケ買い込んで凌ぎましたけど。そうそう、コロッケも売れてたみたいですが、とんかつよりは数が揃ってたみたいで売り切れに当たったことはなかったです。



花田精肉店さんは残念ながら閉店してしまって、コロッケもとんかつも幻と化してしまいました。でも、私の思い出の中ではしっかり輝いています、でも、どこかの誰かが復活させてくれないかな、もう一度だけでいいから食べてみたいなぁ。極薄肉のとんかつ。あの幸せをもう一度噛み締めてみたいです。

でも、ここ最近、ローソン様で発売されてる超厚切りロースとんかつ弁当にもハマってたりなんだりします。なんか言ってることとやってる事が・・・
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

優等生の裏の顔クラスの優等生がヤンデレオタク女子だった件

石原唯人
ライト文芸
「秘密にしてくれるならいい思い、させてあげるよ?」 隣の席の優等生・出宮紗英が“オタク女子”だと偶然知ってしまった岡田康平は、彼女に口封じをされる形で推し活に付き合うことになる。 紗英と過ごす秘密の放課後。初めは推し活に付き合うだけだったのに、気づけば二人は一緒に帰るようになり、休日も一緒に出掛けるようになっていた。 「ねえ、もっと凄いことしようよ」 そうして積み重ねた時間が徐々に紗英の裏側を知るきっかけとなり、不純な秘密を守るための関係が、いつしか淡く甘い恋へと発展する。 表と裏。二つのカオを持つ彼女との刺激的な秘密のラブコメディ。

家出したとある辺境夫人の話

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』 これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。 ※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。 ※他サイトでも掲載します。

独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立

水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~ 第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。 ◇◇◇◇ 飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。 仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。 退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。 他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。 おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。 

闇鍋【一話完結短編集】

だんぞう
ライト文芸
奇譚、SF、ファンタジー、軽めの怪談などの風味を集めた短編集です。 ジャンルを横断しているように見えるのは、「日常にある悲喜こもごもに非日常が少し混ざる」という意味では自分の中では同じカテゴリであるからです。アルファポリスさんに「ライト文芸」というジャンルがあり、本当に嬉しいです。 念のためタイトルの前に風味ジャンルを添えますので、どうぞご自由につまみ食いしてください。 読んでくださった方の良い気分転換になれれば幸いです。

婚約破棄の甘さ〜一晩の過ちを見逃さない王子様〜

岡暁舟
恋愛
それはちょっとした遊びでした

私には、大切な人がいます。でも、この想いは告げないつもりです。――そのつもりだったのですが……まさかの展開です。

茉丗 薫
ライト文芸
5年前、神領舞白はフィギュアスケート一筋に生きることを決意した。 欧州から日本に一時帰国した彼女は、町中で思いがけない人物に出会う。 彼、蓮見日向は舞白の幼馴染で、そして……。 家族に顔を見せるだけのつもりだった一時帰国は、二人にとって思わぬ急展開につながるのだった――。

だってお義姉様が

砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。 ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると…… 他サイトでも掲載中。

『 ゆりかご 』  ◉諸事情で2/20頃非公開予定ですが読んでくださる方が増えましたので先延ばしになるかもしれませんが宜しくお願い致します。

設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。 最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。 古い作品ですが、有難いことです。😇       - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - " 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始 の加筆修正有版になります。 2022.7.30 再掲載          ・・・・・・・・・・・  夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・  その後で私に残されたものは・・。            ・・・・・・・・・・ 💛イラストはAI生成画像自作  

処理中です...