君は太陽 〜自閉スペクトラム症の息子〜

LikuHa

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息子と私

便秘による辛さ     ー薬に頼るー

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(注)食事中の方や便の話が苦手な方は気分が悪くなるかもしれませんので、おすすめしません。


***


息子は0歳の頃から便秘気味だった。

そういう”体質”である。

私の記憶では確か・・・
授乳中は全く気にしたことが無かったが、離乳食に移った頃くらいに排便回数が少ないなと感じていた。

周囲に相談したり、インターネットで調べたりして
お腹の「の」の字マッサージもしていたし、食事にも気を付けていたが特に改善されずそのまま3歳になっていた。

この時点で週1回出るか出ないか、といったペース。

転園したC園では一度も排便したことがなく、必ず自宅にいる時に出そうとするのだ。

しかもいつも夜から踏ん張り始める。

問題はそこからだ・・・。

息子がトイレに駆け込んで暫くは「やっとウン〇が出るね~、良かったね~」と優しく声をかける。

だがなかなか便は出ない。

時間が経つにつれて息子も泣き叫ぶし、私も苛立ち始めてしまう。

だって、2~3時間以上踏ん張っても全く出ないんです。

息子は一人でトイレに行けなかったので、私は付きっ切り。

トイレの狭いスペースに息子と2人きりだ。

そしてその間ずっとお腹をマッサージ。

・・・家事?何それ?何も出来な~い。

次男の寝かしつけも出来な~い。



ーーーこんな日々が続いていたので
息子が20時前後でトイレへ駆け込んだ日には、息子には悪いが「オワッタ・・・」という絶望感でいっぱいになっていた。

そう・・・排便を催す日は殆どが20時頃に始まる。

3時間経過して23時頃になっても全く出ない。

泣き叫ぶ息子と苛立つ私。

市販の浣腸も嫌がって暴れまくるので出来ない。


4時間経過して24時頃、全く出ないまま息子はトイレで寝落ち。

泣き疲れていることもあり、それから朝までは起きない。

そして翌日、保育園へ(もちろん朝は出ない)。

そしてそして自宅へ帰り夜になると、かな~~~り大きい便が出てくる「コンニチハ」。

大体が1~2週間に1回のペースだが、
2日がかりの排便がルーティン化されていた。

その1回がいつ突然やって来るか分からない。

大体その辛さを忘れかけた頃にやって来る。




遂に3歳6ヶ月頃、悲劇がやってきた。

踏ん張り始めて二晩かけても出ない日がやって来たのだ。

息子のお腹(腸付近)はカッチカチ・・・。

しかもよくよく考えるとこの時は3週間くらい出ていなかったかもしれない。

便秘を理由に病院を受診しても良いのか分からなかったので、今までは行ったことが無かった。

だが、これは流石に病院へ行くべきだと思い、近所の小児科へ。

何もしてあげることが出来なかった私。
辛そうな息子を連れて、藁にも縋る気持ちで駆け込んだ。

お腹の固さに先生もビックリ。

「なんだか便秘で来るのは申し訳ないんですけど・・・」と言うと先生は優しい口調で「浣腸しに来られる方、結構いますよ」と言ってくれた。

なーんだ、そんな気軽に行っても良かったんだ。
もっと早く受診すれば良かった。

だが気になったのは息子が浣腸を嫌がること。

絶対に受け入れてくれないと思ったし、予想通り大暴れだった。

だが看護師たちが3人がかりで頑張ってくれて無事に浣腸をすることができた。

すると3分も経たないうちに、浣腸されて大泣きしていた息子がピタッと泣き止みトイレに駆け込んだ。

・・・出てきたのだ!

病院では少ししか出てこなかったが、それでも息子はスッキリして満足そう。

その後は自宅に帰って、それはもう沢山出るわ出るわ。

小さな身体からこんなにも出るのか!?というくらいに・・・。




”浣腸=スッキリする”と理解した息子。
今では出なくて辛くなったとき自分から「浣腸しに病院へ行きたい」というくらいになった。
(市販の浣腸は相変わらず断固拒否。)


そして小児科からは便秘症治療薬”モビ〇ール”も処方された。

息子にとって水や茶では飲みにくいようなので、カ〇ピスに混ぜて飲んでいる。

薬を毎日飲むと、週1回くらいで排便のペースがやってくるようになった。
(早い時は4日に1回出ることもある。)

スムーズに出るときばかりではなく苦しむときもあったが、今までとは全然違った。

カチカチで出にくかった便が柔らかくなり、以前に比べると踏ん張る時間も短くなった。

薬に助けられて親子共に一安心。




だが、再び悲劇がやってきた。

この日も順調に週1回のペースで便意がきてトイレに駆け込む。

20時半頃だった・・・。

息子は出す気満々なのだが一向に出てこない。

嫌な予感がした。

とうとう23時を過ぎてしまった。

泣き叫んで小児科に行きたがる息子。

勿論こんな時間に行きつけの小児科は開いていない。

私は手当たり次第に夜間受診ができる病院へ電話したが、”便秘”で受け入れてくれる病院は無かった。

結局息子は24時を過ぎると泣き叫びながら寝落ちした。

明日は便が出るのを待たずにすぐ病院へ連れて行こう、と決めた。

ーーーが、最悪なことに気付く。

あ・・・明日?
行きつけの小児科、定休日やー!!!
まあ、それなら違う病院に行けば良いか・・・。

他にも病院はあるのだから、明日になればどうにかなるだろうと安易に考えて私も眠りにつく。


そして翌日、
近所の内科消化器科へ駆け込む。

便秘なのだからピッタリな科でしょう?

そう思って受付で症状を説明すると、先生が出てきて「うちは幼児を診察することが出来ないから小児科へ行って下さい」と言われた。

慌てて別の小児科へ駆け込むと「うちは浣腸していません」と言われた。

次の小児科・・・には、行く前に電話で確認した。
そこも浣腸はしていないようだ・・・。

息子に「家で浣腸するしかないよ」と伝えるが、相変わらず断固拒否。

次の小児科で最後にしようと思い電話すると「とりあえず診察します」と言われたので急いで向かった。

・・・確かに診察はしてくれた。
だが、浣腸はしていないとのこと。

「事前に電話で『浣腸して欲しい』って伝えたのに・・・。」
と、つい口からこぼれてしまった。

すると先生が、もっと強い薬を出してくれると言うではないか!

その薬ならすぐに出るだろう、と。
(薬の名前は忘れた。)

私は感謝感謝で処方箋を受け取り、自宅近くの薬局へと向かった。
(小児科の近くには薬局がなかったため。)

ーーーが、またしても問題が発生。

その薬の在庫が無いと言う!!

私は近くの薬局へ次々に電話して訊ねたが、どこにも置いていない。

期待していた息子も待ちきれずに苦しむ一方。

私は処方箋をもらった小児科に電話して、この薬は一体どこに置いているのか訊ねた。

すると「1年前に処方したことがあるので、〇〇薬局なら置いているかもしれません」と。

場所を調べて薬局に電話すると、小児科の言う通り在庫があった。
しかも息子の処方で最後らしい。

息子はその薬を飲んで、無事にお腹から大量に便を出すことができた。
(まるで出産のようだ・・・)

カチカチだったお腹が少し柔らかくなって私もすごくホッとした。




そんなこんなで息子はとても苦しい思いを経験してきた。


よく周囲からは「食事を気にした方が良い」とアドバイスされるが、結構気にしている。

自分で調べる以外にも、保育園の給食室にレシピを相談しに行ったことだってある。

食生活のおかげで次男の方は1日に何回も便を出す。
「2人を足して2で割ると丁度いいのに・・・」とよく家族で話していた。


一番辛い思いをしているのは息子。
それは事実なので、出来ることなら変わってあげたいと何度も思った。

でももう二度と息子には昔みたいな思いをして欲しくない。

因果関係は分からないが、
この便秘が脳や発達にも影響があったのではないか、と少し思ってしまう。

相変わらず薬に頼る以外、今でも方法は見つかっていない。
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