選べません。

ラムネ

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 昨夜の事はもう仕方ない。酔って調子に乗った俺も悪かった。でもやっぱり、セックスは1対1の丸腰で臨むのが望ましいと思う。
 1対1でちゃんと向かい合って想い合って、100%の納得ずくで致すのがお互いの為だと思う。
 ややこしいから自分のことは棚上げだがマジでそう思うぞ。
 リクもソラも俺には大事な弟だから……余計にそうあって欲しいって。

「や、だからどっちか選ぼうって話になったんだよね」
「え」
「どっちか一人となら健全な男々交際してやるっててっちゃんがゆーから。俺らはどっちが選ばれても恨みっこなしで、選ばれた方が全力でてっちゃんを幸せにするって誓い合ったし」

 その誓いは有り難くない訳じゃないが選ぶの選ばないの……!これはコンテストか……!俺は審査員か……!自棄酒なんてするもんじゃない……!

「お……お前らの純情を踏みにじったのは謝る。でも冷静になれ」
「「俺ら常に冷静だけど」」
「まあ聞け。俺がお前らのうち一人だけ選ぶなんて無理なんだ。昔っからどっちも全く同じくらい可愛いんだ」

 ここに天秤があるなら完全にフラット状態で静止するんだぞ。どっちかに傾くなんて有り得ないんだぞ。優劣なんぞ付けようがない。お前らが俺を半分こにするのはまだいいが、俺がお前らを半分に割いたりは出来ん。お前らはいつまでもニコイチで居てくれなきゃ俺が嫌なんだ。

 リクとソラは互いに視線を交わし、大きく息を吐いた。そしていそいそと布団を並べると俺を引き込み、タオルケットを掛けて来た。

「なっ……何が始まるんだ……」
「何にもしないってー」
「お昼寝お昼寝」

 さっきまでの鼻息の荒さは何処へ消し飛んだのか、右のリクが俺の胸をトントンし左のソラが髪を優しくヨシヨシする。何だこれ。

「俺ら紳士だから嫌がるてっちゃんに無体はしないよー」
「てっちゃん寝たらちゃんと帰るから。困らせてごめん」

 ─────………目をぎゅっと瞑る。マジで何だこれ。あんなにギラギラしておいて何で今こんなにホンワカほのぼのムードになってんだ?訳がわからんぞ。
 いや、訳がわからんのは俺だ。何で俺は双子が大人しく引いてくれた事にちょっと、いや明らかにガッカリしてんだオイ。


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