イケメンに愛されてみたかったので異世界転生させてもらうことにしました

時雨 雪

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笑顔が恐怖な執事長(リーシャ)

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私はソイビアント家のメイドのリーシャといいます。私は新人メイドでソイビアント家に務めさせていただいてからまだ一ヶ月弱です。そんな私はある日、執事長のロキ様に呼びだされました。

ロキ様は兄弟3人でソイビアント家で働いていて、3人方の美貌で美形執事3兄弟、とメイドの先輩方の中でも大変人気で有名なのです。そして、ロキ様はソイビアント家の主人であるルマンジェス様のことになると普段のお優しさが嘘のように鬼のようになる、という噂もございます。
……うぅ……実は私…先日、ルマンジェス様に紅茶をぶっ掛けてしまったのです。わざとではないのですが…なぜかつるっと……つるっと滑ってしまいそれは見事にルマンジェス様に紅茶をぶっ掛けてしまいました。ルマンジェス様は無言で「…下がれ」と一言……ああぁ…やってしまった、もうクビだ…と思っていたのですがその後は何の音沙汰もなくて…ああ、神様ありがとうございます。と神を崇めていたのに……ああ…もう終わりだ……私はもう終わったー…きっとロキ様のところへ行ったら「お前はもうクビだぁ!このクソ女!!」(ミーシャの想像です)(私はそんなこと言いませんよ~ byロキ)とでも言われそうだ………と、そんなことを思っているとついに執事長室に着いてしまった…あぁ…



「コンコン」
「し、失礼致します、メイドのミーシャでごさいます。」
「………、あぁ、貴方ですか。早く入ってきてください。」
うっ、こ、怖い、でも…
「はい、失礼致します。」
私が恐る恐る部屋に入ると、執事長は椅子に腰を掛け、指を組み、とても怖い顔でにこにこと口しか笑っていない笑みを見せた。
「…貴方に単刀直入に申し上げます。」
「っ、は、はいっ」
うぅっ…私はもう終わりだ…!
「…貴方には……明日からソージュレンス様の専属メイドになっていただきます。」
「えっ、あ、あの、ソージュレンス様とは…」
この家には「ソージュレンス様」という方はいないはずだ……一体誰なのだろう?…
「ああ、まだ一部のメイド達には伝わってませんでしたか……」
「ソージュレンス様は昨日お生まれになったこのソイビアント家の長女様です。」
「そ、そうなんですか」
「はい、という訳で貴方にはソージュレンス様の専属メイドになっていただきます。」
「えっ、えっとー、どういう訳ですか?」
「………………簡単にいいますと、リーシャ様からの強い要望でごさいます。」
「リーシャ様からの?ですが…私、リーシャ様とは一度も話したことはございませんよ?」
「……細かいことは今はいいです。それよりも早くソージュレンス様のメイドになる準備をしなさい。」
……こっちは細かいことも聞きたい!聞きたいです!執事長!!
「あっ、で、でもっ」
「…まだ何かありますか?」
「!」
ロキ様はさっき程までとは打って変わって厳しい顔つきになった。や、やばい!!
「申し訳ありません。なんでもございません。」
「……ならいいのです。早く行って下さい。」ニコッ
!!!!口は笑ってるけど…目は全然笑ってない!!
「ひいっ、し、失礼しました!」
私は失礼ながらも全力疾走で執事長室から逃げたのであった。怖い怖すぎるっっ!執事長!!

でも…
「クビじゃなくて良かった~!!」
と私は安心感でそう叫び、今度は鬼のような顔をしたメイド長にこてんぱんに怒られました。












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