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灼熱の太陽 編

第54話 受け継ぐ

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「姿が変わったところで俺には勝てない!!」

ズバァァァァ!!

ノワールが剣を構えると同時に剣の刀身に青い炎が纏わりつく。そして剣を振るい青い炎を纏った斬撃が俺に向かって飛んできた。

「............。」

ボンッ!シュッ...........

「なんで俺の炎が逆に吸収されるんだッ.........。」

青い炎の斬撃は俺の身体に当たる直前に俺の赤い鎧に吸い込まれるように中へと消えていってしまった。

「今度はこっちの番だ!!」

エレアさんの形見である剣を強く握る。俺はノワールに向かって勢いよく走り出す。ノワールは剣を使って防御の構えを取るが俺の方が速い!!

「いつのまに!?」

「師匠の仇だッ!!灼紅剣舞ッ!!」

ズバァァァァァァ!!!

「グハァァァぁぁ!!!」

ドガッ!

斬った瞬間にノワールは後ろに下がった。そのせいで大ダメージとはいかなかったようだ。でもあの様子だと少し焦っている。俺に付けられた傷を手で必死に抑えていた。

(コイツ.....なんて速さだ。防ごうとした時にはもうすでに間合いに入られていた。それになんだあの技は.......見たことない。)

「なんだその技は.......。」

「これはお前の技じゃない.....これはこの森を守ってきた戦士達の技だ!俺が受け継いだ想いだ!!」

俺はノワールに近づく時に地面に落ちていた自分の剣を拾い上げた。左手には俺の剣、右にはエレアさんの形見の剣。

「........ここは退くしかないみたいだな。」

バサッ!!

そう言うとノワールはよろめきながら剣を地面に突き刺す。すると背中から青い炎が噴き出てそれが漆黒の大きな翼へと姿を変えた。大きな翼を羽ばたかせてノワールは空へと舞い上がってしまった。

「待て!逃げるな!あの方角は......村の方か。だったら!!」

俺は自分の剣を地面に突き刺し左手でベルトに付けられている赤いアイテムの大きなボタンを2回ほど押す。

「来い!ドラゴン!!」

突き刺した剣の周りに大きな赤い魔法陣が出現しそこから赤い機械の竜が飛び出す。竜の背中には俺の剣が操縦レバーのように突き刺さっていた。



太陽展開!

サモン!カモン!nonstop!プロミネンスドラゴォォン!!!


「キシャァァアァァオン!!!ハハハ!気分がいいぜ!!」

赤い竜は木が揺れるくらい大きな雄叫びをあげると辺りを飛び回り始めた。うん?この声聞いたことがあるぞ.........。

「って!その声ディルバか!?!?」

「そうだぜ!俺様はバイクってやつからドラゴンに昇格したんだ!ハハハ!かっけぇーだろ?」

「そっそうだな.......ってそんな事より行くぞ!アイツを追いかけるんだ!」

俺はドラゴンになったディルバの背中に飛び乗り背中に突き刺さった剣の持ち手を掴む。するとディルバの目が水色に輝いた。

「分かったぜ!加速はいつもノンストップ!俺様の力を見せてやるぜッ!!」

ブルンブルン!!

どこからかエンジン音のようなものが聞こえ始めると共にディルバは大きい翼を羽ばたかせて村の方へと向かった。









一方その頃村の入り口では

「サファイアちゃん♪サファイアちゃん♪一緒に協力して戦いましょ♪」

「嫌です。」

イバラとサファイアは背中合わせで何十体ものシャドウ達に囲まれていた。

「そんな......ひどい.....。私はただサファイアちゃんと一緒に戦いたかっただけなのに......うっ.....。」

イバラの瞳がうるうるとし始める。そしてそこから水滴が数滴零れ落ちた。

「どうせ嘘泣きですよね?」

「てへ♪バレちゃった~。それじゃ321せーので行きましょ。」

イバラはそう言うとどこから手に入れたか分からない普通の安そうな剣を取り出し構える。

「だから貴方とは協力しないって.......。」

「3」

「ちょ」

「2」

「まっ」

「1」

「はぁーしょうがないですね.......。」

「「せーーのッ!!」」

2人は剣を同じように構えると自分の向かい側にいる数体のシャドウに向かって走り出し一瞬で全てを斬ってしまった。

ズバァァァァァァァァァァァァアァァァァァァァァァァァア!!!!!!!

激しい2つの強い風が辺りに吹き荒れる。先程まで近くを徘徊していたシャドウ達は動くのをやめ地面にバタバタと倒れていった。

「ヘブン........」

「ガーデンクォーツ......」

「ストラッシュ♪」

「トゥルーエンド........」

その様子をサナは呆然と見つめていた。

「すごーい!息ぴったり!あの一瞬で2人ともシャドウ達を倒しちゃった!」

「サファイアちゃん♪私達息ぴったりだって!私達~意外とお似合いかもよ~」

「やめてください。貴方とお似合いだなんて......だいたい.....」

ズバッ!

「えっ........。」

「危ないわよ。戦場で気を抜くのは.......いつ敵に仲間を殺されてもおかしくない状況なんだから。」

サファイアのすぐ後ろにいたシャドウはイバラによって倒されていた。

「あっありがとう....ございます.....。」 

「お礼は....そうね....今度アイスクリームでも奢ってもらおうかしら♪」

「は?」

「最近私ぃ~♪アイスクリームの~ストロベリーチーズケーキ味にハマっているの~今度また会ったら奢ってもらうわ♪」

「もう二度と貴方には会いたくありません........。」

そう言うとサファイアはサナ達の元へとゆっくりと歩き始めた。その様子をイバラはくすくすと笑いながら見つめている。

「サファイアちゃん可愛いな~なんだか少し懐かしい。あら?そろそろ来るわね。」









ドガァァァァァァァァァアン!!

「きゃっ!!!」

空から黒い炎が急降下し地面にヒビが入る。その衝撃で辺りにいたほとんどの人達は倒れてしまった。黒い炎の中から腹部に傷を受けたノワールが出てきた。

「あら、ノワール様....いやギガモンスターのノワールじゃない。どうしたの?惨めな姿ね。ふふっお似合いですわ。」

「イバラ.....テメェ.......。」

「あそこでリオ君にやられて見事に爆散すると思ってないのに。意外としぶといのね貴方。でももうすぐ貴方の命も終わり......。」

「なん.....だと...ッ!!」

ノワールは黒い剣を構えてイバラに向かって歩き出す。微弱ではあるがノワールの剣の刀身には青い炎が纏われていた。

「上よ上。」

イバラが笑顔で空を指差す。ノワールも続いて空を見上げた。眩しい太陽に照らされた赤い大きな機械の竜がそこにはいた。

「キシャァァアァァオン!!!」

「あっ......あぁ.......。」

「みんなー離れた方がいいわよーー」

「おっおい!待て!」

イバラの言葉を聞くとエルフやサナ達はノワールから離れ始める。イバラもゆっくりとノワールに向かって手を振りながら笑顔で後ろに下がっていった。

「ばいばーいノワール・ドラゴン♪あの世で償ってくる事ね♪」

太陽必殺詠唱!

ノワールを中心に赤い魔法陣が出現する。

「クソ.....くそがぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ノワールはただ空を見上げていた。その瞳に映ったのは上空でドラゴンに乗っていたリオが竜のような炎を纏ったエレアの剣を大きく振るい自分を焼き斬ろうとする姿であった。


「魔を焼き払う太陽の機神竜よ。この森に生きる全ての生物達の祈りと共に我が一撃を叩き込もうぞ!一点集中・炎心の大両断撃ィィィィィィイ!!!!」



プロミネンス!スラッシュ!

プロミネンススラッシュ!!!エンド!!!

ズバァァァァァァァァァァァァァァア!!!!




リオの太陽の光のように眩しい斬撃によってノワールの身体は衝撃で舞った。気づけば地面に倒れ死ぬ直前である。

「この俺が負けた....だと....ふっ...はははははは。惨めな最期だぜ...でも.....悪かねぇ人生だった。また戦おうぜ紅き剣の剣士.....。」

「うるさいですわよ。さっさと爆発して死になさい。」

「グァァァアァァァァァァァァアァァァァァ!!!!」

ドガァァァァァアァァン  !!!!!

ノワールを中心に激しい爆発と爆風が起こり辺りの木が折れてしまいそうな勢いで曲がり始める。
 
爆風が終わるとノワールがいた地面は大きく凹んでおりその大きな穴の奥には一枚の黒いカードが一つ。それをリオは大きな穴の中へと入り手に取り太陽にかざす。

「やりましたよ師匠........。」

彼はロボットの姿だから涙を流す事はできない。でも彼は確実に心の中で涙を流していた。太陽の暖かい光が彼を優しく包み込む。







おまけコーナー

デュリオン   プロミネンスドラゴン

リオの諦めない「心の中の炎」に師であるエレアが持っていた本が反応して変化したアイテムをベルトにセットして天面のボタンを押す事によって扉が開き変身完了。

能力としてはスピード特化のデュリオニックマッハーと炎、斬撃強化のデュリオニックドラゴンの両方の力をさらに強化したものを使用可能。さらに歴代のエルフの剣士達の技を使う事ができる。

変身した状態で天面のボタンを一回押すと通常斬撃技。2回押すとプロミネンスドラゴンを魔法陣から召喚。3回押せば最も強い技「プロミネンススラッシュ・エンド」を使える(しかしMPを多く消費する)

見た目としては赤い鎧を纏っており左腕と左脚がデュリオニックドラゴンのような暗い赤色。それに対して右腕と右脚はデュリオニックマッハーのような明るい赤色になっている。各部位に水色のラインがあり、目は水色でエックスのような形になっている。まるで西洋の甲冑である。










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