Metal Blood World 〜ようこそ選ばれしプレイヤー達〜

風鈴ナツ

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流星祭 編

第37話 ただいま

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オリオンの街にて

「みんなのおかげだよ(*´∀`*)街への被害は0!誰もケガしてないよ!」

「それは良かったですハンドさん..........。」

俺達はギャラクシーファブニスを倒したあと俺達は街へと戻っていた。どうやら祭を再開するらしい。屋台に人が並び始めていた。

「もうすぐ祭を本格的に再開........あれ?リオ君達どうしたの元気なさそうだよ(´;ω;`)?」

「いえ........なんでもありません。俺達.....ギルドに戻っていいですか?」

「え?別にOKだけど......」

俺達はそのままギルドへと帰ってしまった。サナさんもしょんぼりしたままだ。





10分後

「ほら、サナさん.....ギルド着きましたよ。」

「うん.........。」

ガチャ

俺が2人の代わりにドアを開ける......クツを脱ぐと廊下を歩き始めた。

「リオ先輩.....うちってこんな所に絵なんて飾ってましたっけ?」

メガネ君が廊下の壁にかけられた絵を指差す。そこには綺麗な花畑にいる1人の少女の絵がかけられていた。

「いや......そんなの無かった気がするけど?」

俺は気にせずリビングのドアを開けようとした。あれ?何か音が聞こえる。

「誰か......いる?」

「泥棒?」

「開けてましょう........。」

ガチャ

リビングのドアをゆっくりと開く......リビングに誰かいる。


「うん?.....遅かったですね3人共........私の予測では10分前に到着する予定だったのですか。」

「君は..........。」

そこにいたのは消えたはずのサファイアだった。ソファーでくつろぎながら本を読んでいる。

「スララ..........」

「サナ......だから私の名前はスララではなくサファイアです.....。」

サナさんはサファイアに向かって走り出し思いっきり抱きつく。

ぎゅっ

「さっサナ!......だから抱きつくのはやめ........」

「おかえり!おかえりなさいスララ......!!」

「........ふふっただいまです。だから泣かないでください......。」

「だって.....だって!」

サファイアは泣きじゃくるサナさんの頭を優しく撫でる。ジェネシスは4人に増えたんだ。




30分後

「で....なんでサファイアは帰ってきたの?消えちゃったんじゃないの?」

俺がそう質問するとサファイアは持っていたカップを机に置く。

「新しい目的ができたからです。」

もちもち

「新しい目的?」

「はい.....ジェネシスの仲間になる.....それが私の新しい目的です。」

もちもち

「じゃあこれからもずっと仲間って事!」

「はいそうなりますね.....私も貴方達の正式な仲間になれて嬉しいです。」

もちもち

「あの.......サナ?」

「うーん何?」

「なんで私の頬を指でつんつんするんですか?」

「もちもちだから!」

サファイアは笑顔でこう言った。あ、これ怒ってるな。

「控えめに言って鬱陶しいです........。」

「ガーーーン!!ひど~い!」

「あっあははは........これはサナさんが悪いね。」




俺はそのあと.....サファイアが消えたあと何があったのかを説明した。

「ラグル族のモーゼ......冒険者から名前を奪った理由......。」

「ねぇラグル族ってなんなの?君なら知ってるんじゃないの?」

サファイアは考えごとをした後こう言った。

「知っていますが....それはまた後日。今日は祭を楽しみましょう!」

「え?」

「屋台.....たこ焼き.....焼きそば.....わたあめ!かき氷!食べた事ないものばかりです!今日は楽しみましょう!」

キラキラとした瞳で食べ物への熱意を語り始めた。サファイアってこんな子だったんだ。

「そうだね!今日は祭だ!楽しもう!」

「オー!!!」







次の日  大図書館の会議室

「で?僕達を呼んだってわけ.........。」

「そうなんだよヴァルキル君!ラグル族の情報を共有しようと思ってね!」

「ラグル族.......僕も会いたかったなー(*^◯^*)」

「あぁ、俺もだ.......間に合わなくてすまなかったな。」

そうかハンドさんとダルタンさんはラグル族に会った事がないのか。

「それじゃサファイア!よろしくね!」

「はい.......。」


そう言うとサファイアはみんなの前へ立つ。右腕には何かを持っていた。

「サファイア?何持ってるの?」

「何って......紙芝居です。」

「か......みしばい?」

「はい、分かりやすいかと......。」

サファイアは紙芝居を台の上に置く。子供の頃を思い出した。

「それでは.....はじまり....はじまりー」





ここから先は7000年前に人間によって捕まったラグル族の男の証言を元に作られました。


神様のいる世界「神界」があったそうだ。そこで神達はどんな世界を創るのか......その大いなる力で生命を創り出し続けた。

その神に仕えていたのが「ラグル族」だ。

「え!?ラグル族って神様の側近の一族だったの!?」

「リオ.....話はまだ途中だ。」

「そうですよ......続きを話します。」


ラグル族の族長は「アライブ」という名を持ち、高い功績を残し続け信頼を勝ち取り神に等しい力を手に入れた。しかしアライブはその力を仲間のラグル族に分け与えた。

そんなある日ラグル族の族長のアライブはさらなる力を求め......神を暗殺する事を企てるも.....神にすぐにバレてしまう。

アライブは公開処刑.....一族は全員、神界から追放されてしまった。

神の力で地獄に等しい惑星に飛ばされる......はずだった。何かの間違いで追放する為に作られたワープゲート発生装置がエラーを起こし違う惑星へとラグル族は送られてしまった。

「それが.....この惑星。」

一族は全員、困惑するもその後ある事を誓った.........。

「そうだ.....「復讐」をしよう。」

自分達を地獄へと送ろうとした神に対しての復讐......神達が作ったこの世界に溢れる命を全て摘み取る!!

この時.....もう既に彼らの頭はおかしくなっていた。普段だったから考えないはずの事なのにだ。捕まったラグル族もこう語っている。

「自分もなんでこんな事がしたいのか分からない......でも復讐心しか湧いてこないんだ。」





「これがラグル族のはじまりです......おしまい。」

「なるほどな..........神に仕えるはずの一族が殺戮を繰り返す一族になったってわけだ。」

「ひどい........この惑星に生きる人たちに罪なんてないのに.......。」

「もうすぐ.....7000年前と同じことが起ころうとしているって事か?」

「はい、その通りです。7000年という時を経てラグル族が次々と蘇ろうとしています。だから私が作られた。」


マサムネ君が手をあげる、何か質問があるらしい。





「あのー.....サファイアさんは作られたって言いましたけど.....誰に作られたんですか?」

「そういえば聞いてなかったね。」

「私を作ったのは.........「イデア」という人工知能です。」

俺は必死に思い出す......そういえば街に初めて来た時にお爺さんから聞いた話では........ラグル族を封印できたのは人が作った人工知能のおかげ。

「確か人工知能は二つ.......。」

「一つには戦闘のデータを詰め込んだ....もう一つには人の命を助けるデータを詰め込んだ.....私はそのうちの一つ......命を助ける為に作られた人工知能「イデア」によって作られた。」

「そうなんだ........。」

「リオ....貴方が夢の中で私と会った場所はイデアの中なんですよ。」

「え!?そうなの.....あの真っ白な空間が!?」

俺が夢の中でイデアの中にいたらしい.....あの空間の事は覚えている。とても穏やかで安らぎを与えてくれるような場所だ。




「そのイデア?はどこにあるの(´ω`)?」

ハンドさんの質問に答えるようにサファイアは下を指差す。全員で床を見つめる。

「え?」

「この街の下です。」

全員「えっえーーーーーーーーーーーーーー!?!この街の下!?」

「はい、この街の地下にて各街を監視.....バリアを貼り続け....発電を続けています。」

「なるほど.....この街を守っているバリアはイデアが作った物だったのか......。」

「それにギルドのあの電気って地下で発電されていたんですね........今日だけでだいぶ色んな事を知っちゃいました。」






その後俺達は解散、俺とサファイアは歩きながらジェネシスのギルドへ向かった。

「サファイア.....イデアともう一つあるって言ってたけど.......」

「ラグル族を封印した後に暴走したAI......戦闘のみのデータをラーニングしたのが暴走のきっかけです。」

「そのAIは今どこにいるの?」

「近い未来に会える.......そうとだけ言っておきましょう。」

サファイアはそう言い残すと走り出してしまう。

「ちょっと待って!」





俺は彼女を追いかける.....気づけばジェネシスのギルドの前にいた。

「さぁ着きましたよ私達の家に.......。」

俺は玄関の扉を開ける。

ガチャ

「おっかえりーー!2人ともーー!!」

サナさんが飛び出してやってくる。リビングからメガネ君が顔をひょこっと出す。

「おかえりなさいリオ先輩、サファイア.....今日はハヤシライスですよ。」

微笑みながらメガネ君はそう言った。

「私もね!手伝ったんだよ!!」

「ふふっ......やっぱりここは賑やかですね。」

「そうだね.........。」

俺達は玄関へと足を一歩前に進める。

リオとサファイア「ただいま!2人とも。」





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