Metal Blood World 〜ようこそ選ばれしプレイヤー達〜

風鈴ナツ

文字の大きさ
上 下
47 / 95
流星祭 編

第35話 流れ星に

しおりを挟む
「キシャァァアァァァオン!!!」

龍が叫び声を上げ続ける........HPもだいぶ少なくなってきた。
もうすぐ倒せる!

「リオ君!あの龍....様子がおかしいよ!」

「え!」

龍を見てみると空中でうずくまっていた。身体をガクガクと震わせながら痛みを我慢するように..........そして!


「ワァアダァァシガァァアマァァモォォオオオオオルルルルル!!」

「何だこの声!」

人間に近い叫び声へと変化し身体が青く光始める。俺達は眩しすぎて目を塞ぐ。なんて光なんだ!!

「うっ..........え?なんだ.....これ?」

地面には大量のクリスタルが突き刺さっていた。大小様々で大きい物で一軒家くらい高さの物もあった。それぞれがキラキラと輝いている、綺麗だけど......何が起こったんだ?

「何よこれ!」

「おいどうすんだ!歩きづらいったらあらしねぇぞ!」

みんな困惑している。それよりもあの龍はどこにいるんだ!上空や地面を探してもどこにもいない!

「まさかバリアの外に!?」

「その可能性はありません。あのバリアの外には龍を倒さない限り誰も行けません!」

だったらどこに...........その時だ!

「キャァァ!」

誰かの悲鳴が聞こえた、女性の冒険者らしい。







「どっどうしたんですか!」

「いっ今......クリスタルの中からあの龍の腕が!!私を掴もうと...........」

「そっそんなわけない..........だろう?」

男性の冒険者の質問にヴァルキル君は首を横に振る。そしてクリスタルの中を指差す。

「あそこにいる............。」

指差す先にはクリスタルの中で動き回る龍の姿があった。嘘でしょ..........あともう少しだって言うのに......。

「クリスタルの中を移動している......んですか?」

「そうなるな。」

「だったら壊せば!!」

ソードオブベルサイユの団員の一言に首を振るサファイア

「貴方の武器にはこのクリスタルを破壊するほどの力はありません」

「なっなんだとぉぉお!!」

「落ち着けウィルター....サファイアの言う通りだ。」

「団長までぇぇぇ、だったらどうするんですか!」

全員が無言になる.......俺だってどうやってアイツを倒せるのか分からない。

「サファイア....何か方法は......。」

「面白いですね.........」

「サファイア?」

「私のデータにもこのような事は記載されていませんでした......HPが4分の1を切ると第二形態としてこの技を使うようになるらしいです。だったら.........私も本気を出すしかないですね。」


そう言うとサファイアはコートから何かを取り出した。一枚のカードだ.......何をする気なのだろうか。


「リオ......このカードを使ってください。」

俺はサファイアからカードを受け取った。そのカードは水色で宝石のようにキラキラと輝いていた。

「なんだかよく分かんないけど.....分かった使ってみる!」

俺はカードを右腕に取り付けられているデバイスにカードを読み取る。すると横から青色の魔法陣が現れた。

「あれをくぐればいいんだな!」

「はい」

その魔法陣に向かって走り出した。俺は魔法陣を潜る......するとどこからか声が聞こえた。

「チェンジ...........。」


  





「すごい!リオ君がまた姿変わった!」

「今度は水色ですか.......頭にツノが生えていますね。」

「私はサファイアです。」

私は2人に違う事を伝えた、なるほど私が変身するとこのようなすがたになるのですね.....腰からはローブがある。


「その声.....もしかしてスララ!?え!嘘!」

「リオに先程渡したのは「私のカード」です。人間の姿になれてもまだこの姿になれませんでしたからね。少しの間ですがリオの身体を借りる事にしました。」

私はそう言うと腰に付けていた剣を取り出す。さぁ行きますよ...........。

ジャキーーン  !


「何をするつもりだ.........。」

神経を集中させる......きっとギャラクシーファブニスはもうすぐ私達にこうげきを始める。

「おっおい!何して.........」

「気をつけた方がいいですよ.....もうすぐその方向から攻撃が来ます。」

「そっそんなわけ..........。」

来る!!


ズバズバズバズバ!!!!!

私が宣言した方角からクリスタルでできた大量の剣が飛び出してきた。冒険者達はなんとか避ける事ができた。

「ほっ本当に出てきた............。」

「クリスタルの近くには行かない方がいいですね......まぁと言ってももうクリスタルだらけですがね。」

次来るのは.........きっと

「ここですね」


ズバッ!!

「ギシャァァオン!!」

私が剣を振った方向のクリスタルから龍は首を飛び出させる。斬撃が当たった事による龍の顔に傷が入る。そのままクリスタルの中へと消えていってしまった。

「すげぇ..........。」

「まだまだです!」


次来るのは私の反対の方角!背中を狙ったつもりだと思います。でも.......残念でした。私は剣の刀身を下にすると腕に付いているデバイスから技を選択する。

「ギシャァァオン!!」

クリスタルから龍が出てきた。私は魔法を放つ。

ファイヤ!ウォーター!ランド!ウィンド!
Wizard elemental attack!!!!


炎、水、土、風......4つの魔法が混ざり合いながら龍の腕にぶつかり激しい爆発が起こる。

「ギシャァァァァァァアァァァァァァオン!!!」

龍の腕はその攻撃を受け止めきれず消えてしまった......龍は肩から先がなくなっていた。切断面から赤い血が吹き出す。

「おぉ!だいぶHPを削れたぞ!」


龍は再びクリスタルの中へと戻っていってしまった。

「スララ!地面が!」

「分かっています!」

私は下を向く。地面がどんどんクリスタルになっていく。そうすれば下からも攻撃が可能になる。このバリアの中が全てクリスタルになったら............。そうなる前に終わらせる!

「ちょ!スララどこへ行くの!」

「次!龍が現れる場所が分かりました!」

あの龍が出現する時......鈴の音とクリスタルに黒い影が現れる。次で倒さないと!






「ここだ..........。」

高いクリスタルの上に私はいた15メートルくらいでしょうか.....この下からあの龍が現れる。
私はデバイスから変身解除を選択した。すると魔法陣が上から現れ、私はそれを潜った。

「おっと!」

「リオ.....身体を貸していただきありがとうございました。」

変身を解除した事によって私とリオで別れてしまった。

「リオ.....私があの龍を押さえつけます。その間に貴方が倒してください。」

「わっ分かった...........。」

「それと....私はあの龍を倒した後に「消えてしまいます」。」

「なっなんで!?」

「私はあの龍を倒すために作られた存在.......役目が終われば消えてしまう。そう言う運命です。」

リオが首を横に振る。


「嫌だ!せっかくちゃんと仲間になれたんだ!消えてなんて欲しくない!」

「リオ.........ふふっありがとうございます....短い間ですが3人の仲間になれて良かったと思います。」

「サファイア........だったら!!」

リオは腰に付けているホルダーからカードを取り出しデバイスで読み込ませる。そのカードは............。



一方その頃

「あれ?メガネ君!なんか魔法陣があるんだけど....。」

「この魔法陣はまさか!!」



「2人共!来て!.........チェンジ!!」


YOU GO!

3つの武器が重なる時.........。
全てを切り裂く、幻想の騎士が今!生まれる!!
ロードサバイバリオン!!!


リオの身体は変化し身長も伸びていた。これは......3人が融合している?

「サナさん!メガネ君!」

「この姿になるのは久しぶりですね」

「よぉーし!後もう少しだよ!3人共頑張ろうね♪」

1人の身体に3人の声がする。

「サファイア!俺達があの龍....ギャラクシーファブニスを押さえつける!君が止めを刺すんだ!」

「リオ.........。」

「サナさん達!ここまで来れたのもサファイアのおかげです!止めはサファイアに決めてもらいましょう!」

「いいねリオ君!ナイスアイデア!」


この戦いが終わったら私が消えてしまう事は伝えている........でもリオはサナ達に悟られないようにわざと笑顔で元気な声で接している。私も.......消えたくなんてありませんよ。

「あれ?スララ泣いてる?」

「え?」

気づけば私の目から涙がこぼれ落ちていた。私はすぐに涙を拭き取る。

「いえ.....泣いてなんて.......いませんよ......。」






しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

未来から来た美女の俺

廣瀬純一
SF
未来から来た美女が未来の自分だった男の話

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

身体交換

廣瀬純一
SF
男と女の身体を交換する話

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

高校生とUFO

廣瀬純一
SF
UFOと遭遇した高校生の男女の体が入れ替わる話

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

徒然話

冬目マコト
SF
短編のお話しです。

処理中です...