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流星祭 編

Matel Blood World外伝 エピソード オブ ハンド

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2039年 8月13日 大阪の新世界

空を見上げると太陽がサンサンと輝いていた。どうして夏はこんなに暑いのだろう。これも夏の風物詩っておばちゃんが言っていたのを思い出す。

「×××?どうしたんや?空ばっか見て?」

「ごめんおじさん!空にたこ焼き型の雲が浮かんどって見惚れてたわ」

「ほんまか!わしもその雲見たかったのー。そや!今日の昼はたこ焼きにしよか!」

僕は今大阪で親戚のおじさんの経営している会社で働いている........。まだまだ分からない事ばかりだけど夢に向かって頑張っている。
おじさんはメガネをかけてる明るい人だ.......少し太ってるけどね。

「たこ焼き!」

「その前に仕事じゃ仕事!」

そう言うとおじさんは走って行ってしまった。僕も後を追う。おじさんは年のわりに元気そうだ。




お昼になった。僕達はお昼に近くのたこ焼き屋でたこ焼きを食べていた。やっぱりたこ焼きは焼きたて!それ一番

「ほんま金だこのたこ焼きは美味いのー」

「そうですね!」

「そういえば×××はこの会社に入る前は何をしてたんや?」

おじさんには話した事がなかった。この機会だから言おう。

「僕はですねー、まず大学を卒業していろんな事をやってました。例えば漁師とかー料理人とかーあと外国の企業にも勤めた事があります!」

「いっ意外とすごい事してたんやな.....まぁそれも夢の為やもんな!」

「はい!僕の夢.....自分の会社を持つ事です!」

「×××ならきっとできるで!なんせワシの甥やからなー」

そう言うとおじさんは僕の背中をバンと叩いて思いっきり笑った。やっぱり人が笑っている姿を見るっていいな。



2030年 4月23日 

居酒屋で今日はおじさんに呼び出された。

「どうしたんですかおじさん?」

「×××......ゲームは好きか?」

「いや普通かな?」

「実はな......ミラージュっていう会社の新作ゲームを頂いたんや。」

「ミラージュってあのミラージュ!?」

僕の耳にも入っている「Metal Blood World」ネットでも抽選販売について話題になっていた。そんなすごいゲームをおじさんが持っている。すごい事だ。

「このゲームを作ったプロデューサーの男はワシの知り合いなんや。だから自殺したっていうニュースが信じられへん.......。」

この間やっていたなプロデューサーが謎の自殺を遂げたっていうニュース。

「頂いたは良いものの......ワシはゲームとかがどうも苦手でな。という事で×××、お前にやる!」

「え?えぇ!?!」

という事で僕はゲームをいただいた。





「ってなるかーい!」

どうすればいいんだ。あの時はおじさんに押されて貰っちゃったけどゲームとかあまりしたことが無いんだよなーーー。

「まずはこのゲームについて調べなきゃ。」

僕は部屋にあるパソコンを使って調べ始める。キーボードを叩く音を聴くと落ち着く。まずはこのゲームについて.........。

カチャカチャカチャ

「なになに、このゲームは文明が崩壊してモンスターの蔓延る世界になってしまったファンタジーの世界を自由に旅するオープンワールドゲーム。」

ファンタジーって事はRPGゲームって事?僕は続きを読んだ。

「まずは自分のキャラの絵を本社に送る......え?」

絵を描くって......どうやって?



30分後

「なんとか描けたー!」

知り合いに美大卒業した人がいて良かった。2年ぐらい前に教えてもらったものが役に立ったのだ。やはり人との繋がりは大切だと改めて実感する。

「絵が描けたらポストに出すか、ネットで送信するのね。」

それならネットで送ろう。で、他に情報はないのかな?
そう思い再びパソコンを使って行う。

「えーーっと当選した人同士で先行でギルドを作れる?.......ギルドって何?」

 
5分後、僕はギルドの意味を理解した。なるほどチームみたいな感じなのか.......。当選者のみが集まれる公式のサイトがあるらしいからそこに行こう。

このゲームのギルドは小さい会社のような物もできるらしいから楽しみだな。

「着いたら......まずは呼びかけしよう!」


僕とギルドを組んでくれる人を募集しています!



「適当に書いちゃったけどさすがに誰も反応してくれないよねー」

ピコン♪

通知が来たらしい、マウスで通知を確認すると僕のギルドに誰かが入ってきてくれたみたいらしい。

「嘘でしょ!?なんで?」

僕のギルドに入ってきてくれたのは......「天にゃん」さん?
黒猫の絵が描かれたアイコンの人だ。女性かな?

まずはありがとうって送らなきゃ!


ありがとうございます天にゃんさん!
これからよろしくお願いします!!

ピコン♪ 

天にゃんさんから返信返ってきたらしい。見てみよう。

別に......ただ単に貴方がギルドを募集している人で誰もいなかったから可愛そうだと思ってギルドに入ってあげただけです。



「いっ意外と冷たい人だな.......でもきっと仲良くなれるはず!」

ピコン♪

「また天にゃんさんから?」


あとアカウントの名前を本名にしない方がいいですよ。


「え?そうなの!?(知らなかった)」

こうして僕はギルドを作り始めたのだ。





数ヶ月後
「おじさん.....僕は今ゲームの世界にいます。」

簡単に説明しよう!ギルドをネットで作ってから数ヶ月が経ったある日!僕の住んでいる家にゲームが届いたのでキャラの造形を見てニヤニヤしながらゲームをプレイした途端、意識がなくなり気付けばドラゴンが空を飛んでいる世界に来てしまった。

「これってあれだよね?異世界なんとかってやつでしょ?」

どうすれば.........。僕は機械になった身体を動かしてみる。身体は黒色で目はピンク?いやマゼンダかな?僕は右腕につけられた白いタブレットのような物に目がいく。

「なにこれ?触ってみよ。」

画面を触るとアプリのようなアイコンが並べられそのうちの「チェンジ」と表記されたアイコンを押す。すると僕の上から紫色の魔法陣が降りてくる。

「うわ!なんだこれ!」

避ける事が出来ず魔法陣をくぐるとなんと自分の身体は人に戻っていた。

「なるほどーこれで人間の姿とロボットの姿と切り替えれるのかー」

人間の姿はどんな感じだろう.....そう思いアプリの一つのカメラアプリで自分の姿を映す。画面に映ったのは知らない人だった。

「誰これ?」

目の色が綺麗な紫色で髪の毛は長いし白色だ........。

「でも僕ってイッケメーーーン!!」

イケメンだって分かった事だしこの白いやつで色々確認してみるか。



十分後

「あ!見つけた!ギルドのメンバー表だ!ちゃんと反映されているんだ。」

表を見てみると僕はゲームにログインしている設定になっている。つまりログインしている人はこの世界にいるって事じゃん!

「探してみよう。この辺りにいるのはこの人だ!」

1人だけ僕が目覚めた森の近くにいる人がいる。この人は.......この黒猫のアイコンは.......天にゃんさんだ!!

「まずはメールを送らなきゃ!」

天にゃんさんもこの世界にいるんですか?

ピコン♪ 

私もこの世界にいます。どうやら近いみたいなんで合流しますか?

はい!もちろん!

ピコン♪ 

それじゃ貴方がここに来てください。

「相変わらず冷たい人!でも安心するなー」

僕は立ち上がり天にゃんさんのいる場所をマップで見ながら歩き始める。

僕の武器は確か適当に「爪」にしたはず.....大丈夫かな?喧嘩した事ないからわかんないや。



森を歩き始めて何分が経っただろう。歩き疲れてしまった。一度休む為に岩に腰を下ろす。まだ天にゃんさんのいる場所まで半分くらいしか経っていない。

「そういえば僕って運動とか全くしないタイプだった........。」

この世界に来てから自分の名前や働いていた会社の名前などが思い出せない。思い出そうとすると記憶にもやがかかる。

「どうしてだろ?」

それに意識がなくなる前に聞こえたあの声は一体?

その時だ、なにか音がするのが聞こえる。

グルルルルルルッ!!

犬が威嚇する時のような音だ。しかもものすごくでかい。

ガサガサガサガサ

草むらから何かが近づいてくる。モンスターってやつ!?

「生身で相手したら危ない!ロボットの姿にならなきゃ!」

僕は急いで画面を起動させるもその時にはもう出遅れだったんだ。



ガサッ!!

勢いよく飛び出した黒い影は僕を襲う。

「うっうわぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあ!!」

白い毛の色をした狼のような大きな化け物が牙を見せつける。

「グルルルルッ!!」

フェンリル LV43

「こんなの敵うわけないじゃん...........。」



グサッ

やつの大きな爪が顔をえぐる。

痛い

爪が口の中に入ってきた、頬に貫通したんだ。

痛い痛い

ガブッ

僕の顔に思いっきりかぶりつく。

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛

普通だったらこういうのって景色が血で真っ赤になるっていうけど。
そんなの嘘じゃん.......僕の場合真っ黒。何も見えない。

目が潰された.....またはヤツの口の中かの二択。





数十分後

「........ぶですか?」

誰かの声がする。耳にはまだ聞こえるらしい。誰だろう女性かな?
口も少しだけなら動かせる。

「だ.....れ?」

「まだ意識があったんですね。適当に声かけてて良かったです。」

この喋り方.....もしかして?

「君はもしかして........」

「はい、天にゃんもといテンです。」

良かった天にゃんさんと合流できたんだ........。でも目が見えない。

「僕の顔ってどうなってる?」

「簡単に言えばミンチです....口と耳がわずかに無事くらいです。」

「そう............。」

「私の取得した魔法の回復魔法を使ってみましたが治るのはかすり傷とかだけで顔だけは治りませんでした。」

僕はどうなるんだろうか?分からない......恐怖が僕を襲い続ける。
また天にゃんさんの声が聞こえた。

「ちょっとデバイスを借りますね。」

そう言うと右腕が触られている感覚がする。デバイスっていうのはこのタブレットの事だろうか?

「チェンジ....これを使えばできるかも。試してみますね。」

次の瞬間、僕の暗い視界に一つの白い光が光り始める。




「見える.........。」

「どうやらロボットの姿は無事のようです。これで見えますか?」

そこにいたのは黒い髪の猫耳の女の人。この人が天にゃんさん..........。
なんだろう、涙が出そうになる。また見えるようになったんだ!

「うわぁぁぁぁぁあ!!ありがとう天にゃんさん!」

「抱きつこうとしないでください。気持ち悪いです.....あと私の事はテンでいいですよ。」

「やっぱり冷たい!」



「いやでもありがとうね!テンちゃん!」

「年下だからってちゃん付けはやめてください。その姿ではご飯は食べれるんですか?試しにこのリンゴを食べてみてください。」

「わっ分かった。」

僕は地面に落ちているリンゴを手に取り口元に当てる。するとリンゴはシュンっと吸い込まれてしまった。口の中に味が広がるのを感じる。

「あ!美味しいこのリンゴ!」

「........そうやって食べれるんですね。へー」

「ご飯も食べれるし結構この姿いいかもね!」

「そういえば......貴方を襲った「フェンリル」なんですが...........。」

ドクンッ!

テンちゃんがその言葉を言うと僕の心臓がそう鳴るのを感じた。フェンリル?息がどんどんできなくなってくる。

「大丈夫ですか?まだ動かない方が..........。」

あの時の恐怖が蘇ってくる........嫌だ嫌だ嫌だ......。
その時だ、僕の頭の中で命令が下される。その命令に従うしかない..........。

殺される前に「殺せ」

「うわぁぁぁああぁあぁぁぁああ!!!!!」

意識がなくなる..........。
これが僕の暴走の始まり........ハンド....ハザードファングだ

これが彼の始まりのお話



















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