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流星祭 編

第15話 動き出すストーリー

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「Metal Blood World」それは全ての事の発端
この悲劇により約3万人のプレイヤーがゲーム世界に閉じ込められた。
これは偶然か.....それとも誰かの「陰謀」か.........。

人々が混乱する中 1人の少年が仲間と共に今動き出す!






7月1日 午後2時23分

日光が俺達を照りつける、どうしてこんなに暑いのだろうか。
8月でもないのにセミが鳴いている。7月になったばかりだぞ?
俺達は揺れる馬車の中にいた。

「暑いよーーーなんでこんなに暑いの?」

サナさんがそう言った。俺が聞きたいぐらいだ、この世界は季節はあるが気温が徐々に変化するのではなく季節の変わり目と共に気温が一気に変わるのかもしれない。

6月は暑くはなかった、少し雨が多かったくらいだ。7月になると共に気温が急上昇した、俺は右腕につけられたデバイスの画面を見る。

気温は36度.......昨日は確か28度くらいだったような気がした。俺の考えが合っているとすると秋が終わると共に気温が一気に下がって雪が降り続ける。

そう思うと冬が来るのが怖くなって体が震えた。少し涼しくなったかもしれない。

「もうすぐ街に着きます、頑張りましょう。」

「お兄ちゃん!これの遊び方教えて!」

「うん?それはこうするんだよ......そう、そんな感じ」

メガネ君は馬車に一緒に乗ってる子供と遊びながらそう言った。
俺達は今7月限定のクエストの最中だ。

内容は簡単、アルバの街ってところからオリオンの街へ行く馬車の護衛だ。馬車の荷物は七夕用の竹がたくさん詰められている。

7月7日にはきっと街中が竹だらけになるんだろうと思うと楽しみになってきた。あと6日.......そう考えているその時だった。


ガサガサガサ

俺達が進む道の横の森の茂みから音がする。

「2人共......武器を持って.......。」

俺達は武器を構えると馬車から降りて周りを警戒し始めた。モンスター.......それか盗賊、道に迷った人の三択だ。

「来るよ!」

ガサガサガサガサ!!

「キシャーーオン!!」

聞いた事がある鳴き声、茂みから姿を現したのはリザードだ。俺が初めて会ったモンスター。

「またお前か.......俺はお前に勝ってみたかったんだ!」

あの時の俺とは違う、俺はデバイスの画面を使って操作すると上から魔法陣から降りてくる。例えるならフラフープをくぐる感覚だ。

魔法陣をくぐると俺の姿は人では無くなっている。鉄のような硬い装甲、子供の頃テレビで見たロボットアニメやヒーローのような姿だ。

「サナさん、メガネ君コイツらは群れをつくる。もうすぐ仲間が来ます、だから遠くにいるやつはサナさんに任せました!俺とメガネ君は馬車の近辺にいるかやつを!!」

「分かった!」

「分かりました!」

2人も姿を変えるとサナさんはライフルの銃口を森に向ける。
どんどんリザードが森から出てくる。今馬車の周りにいるのは10匹ぐらいか。

「メガネ君いける?」

「10匹なんて余裕です、この為に武器の改造をしてきたんです!」

メガネ君の斧は前みたよりもパーツが追加され重くずっしりとした物へと進化していた。

「行くよ!」

俺は走り出し、燃え盛る剣でリザードを切り裂く!

バーニングスラッシュ!!

ズバァァァァァァ!!

炎を纏った剣は簡単にリザードを真っ二つに切り裂いていく。そうだ!俺は成長したんだ!いろんな人との出会いと共に!!

「リオ先輩!そっちへ行きました!」

「え?」

俺の目の前にリザードが1匹襲いかかる。ちょうどバーニングスラッシュの効果がなくなったと同じタイミングだ。まるで効果が切れる事を知ってたかのように俺を狙ってきた。

でも.........大丈夫!!

俺は知っている、俺が初めてリザードと戦った時剣が折れたのは尻尾を斬ろうとしたからだ。尻尾や背中には硬い鱗が集まっている。でも一箇所だけ鱗がない部分があるんだ。

「弱点は腹!!........見えた!ここだ!」

剣を強く握り全力で振りかぶる!!

ズバァァァァアァァァァァアァ!!

「キシャーーーー!!」

リザードは鳴き終わると共に倒れてしまい、そのまま灰となって消えてしまった。技を使わなくても勝てた.........。



デュリオン    レベルアップ! 
現在レベル16


「サナさん!そっちはどうですか!」

「メガネ君......私も15匹くらい倒してるんだけど......まだまだ来るよ......。どう言う事なの?」

どんどん茂みから湧き出てくるリザード達、倒しても倒してもキリがない。このままじゃ馬車に乗っている子供やおじいさん達を助けられないしクエストも失敗だ。

「どうすれば.......このままじゃ.......。」

その時だ

バン!バンバン!

銃声が鳴り響きリザード達はどんどん倒れていく。
サナさんが使う銃と違う音だ。

「どうやらお困りのようだな........。」

声がする方を向いてみると二丁のピストルを持ったボロボロのマントとカウボーイハットを被った茶髪の男性が助けてくれた。

「貴方は.........。」

「自己紹介は後だ。今はコイツらを倒すのが先だ!」

そう言うとピストルを何度も撃ち続けこの数秒の間で何匹ものリザードを倒していく。1発も外れていない。

バンバン!!

「すごい..........。」

ボロボロのマントが風で揺れると右腕が一瞬だけ見えた。あれはデバイスだ、俺達のよりも汚れているが俺達と同じデバイスをつけている。

「この人もプレイヤー........なのか」

「お前達も見てないで倒せ!子供に怖い思いをさせるな!」

馬車の方を振り返る。先ほどまで笑顔で遊んでいた子供が今にも泣きそうな顔をしている。

「この人の言う通りだ........1匹でも倒さなくちゃ!!」

「そうだ。」

俺は再び剣を強く握るとリザードを倒すため走り出した。少しでも早く子供を安心させるために!!






それから10分が経った頃にはリザードは全滅、俺達は勝利したんだ。
倒した数はたぶん100匹は超えていると思う。

「あの......貴方は誰なんですか?」

「俺はダルタン.......黄昏の風来坊さ。」

「ダルタン........もしかして黄昏の流星ギルドマスターの!?」

「うん?知っているのか?」


5分後

「そうか.......お前達がジェネシスか。話はジャンヌから聞いている。」

この人がダルタンさん、ジャンヌから聞いている通りの格好をしているな。

「あ!ジャンヌちゃん怒ってましたよ!リーダーが帰ってこないって!」

サナさんも合流してダルタンさんに話かける。確かにジャンヌは会議中にも怒っていたな。

「........やっぱりか?ずーーーーっとメールが鳴り止まないからOFFにしたんだがさっき見たら200超えてたんだ。これは帰らなきゃいけないなと思ってな。今から帰るところなんだ。」

「あははは........じゃあ一緒に帰りません?俺達も馬車でオリオンの街に帰るところなんです!」

「いいのか?」

「もちろんです!きっと黄昏の流星の皆さんも喜んでいるはずです!」



一方その頃 黄昏の流星ギルドにて

「どうしたのジャン姉?」

「なにか嫌な予感がします.........。」

「もしかしてダルタン君が帰ってくるとかかい?」

「ゾロ......たぶんね。」

「ダルタン君がいない方が集中して鍛錬ができるのだがしょうがない。」



馬車にて

「ダルタンさんはロボットの姿にならないんですか?」

ロボットの姿にならなくてもあの強さ。ロボットの姿になったら相当強いんだろうなと思いながらダルタンさんに聞いた。

「..........あの姿はあまり好きじゃないんだ。」

そう言うと目線を外し右腕についたデバイスを触った。ダルタンさんのデバイスは俺達のような綺麗な白色ではなく少し黒くなっている。それにヒビも入っていた。

「ねぇねぇカウボーイハットのお兄ちゃん!何かお話しして!」

女の子が後ろからダルタンさんに話かけた。少し重かった空気が明るくなる。

「お話?いいぞ!どの話がいい?旅の話ならたくさんあるぞ」

「海にお話がいい!」

「あ!私もお話聞きたい!」

馬車の中に暖かい空気が流れこむ。

おまけコーナー
キャラクター説明 黄昏の流星

ジャンヌ  
金髪の少女でしっかり者
ダルタンがいない黄昏の流星をまとめている副リーダー
会議も基本的に彼女が出ている

食事と掃除は彼女が担当


ベガス
ジャンヌよりも濃い金髪で紫の目が特徴的
ジャンヌより髪は短く トランプとサイコロを常に持っている
部屋にはダーツがあって夜中になるとダーツが刺さる音がしてうるさいから禁止令が出されている。少しだけ反省中

キッド
オレンジの髪の毛の元気な子
チームの最年少で小学生くらい
わんぱく過ぎてチームに迷惑をかけちゃう事もあるけど怒られる時はべがすよりも反省している。

ゾロ
紫色のストレートの長い髪が特徴的な女性でダルタンと同い年の最年長組
刀を武器としているが弓道にも長けている。

男勝りな性格で街を歩くと女の子にチヤホヤされるらしいが本人は嫌がっている。子供が苦手

個人の部屋が和室なっていて二階はなんと道場のような部屋になっている。
この部屋は彼女が自分のために作った部屋で剣道の練習や瞑想に使っている。
集中していると誰の声も届かないぞ!

お風呂掃除はベガス、キッド、ゾロが当番だよ!





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