11 / 95
第9話 ギルドの結成
しおりを挟む
空をふと見上げると、青色の空がオレンジ色に変わりかけている。
もうすぐ日が沈むのかもしれない。
「ねぇねぇ!早く行こうよ!」
サナさんの声がしたので上を見上げるのをやめ前を向く。
サナさんとスララは高い城壁の前にいる.......いつのまに行っていたのだろうか。
「ちょっと待ってください!」
俺とメガネ君は重く感じる足を動かして街の方へと向かった。何時間も歩き続けて疲れているのだ。サナさんは元気そうだけど.........。
城壁の前まで来ると3人でまた歩き始めた。高い城壁を触ってみる、岩が積み重なってできているのか?俺達は城壁にある門をくぐって街の中に入った。
門をくぐるとすぐにあるのは川だ.......俺達は広い石橋の上を渡っている。
「見てみて!すごい高いよ!」
サナさんがいつも以上にはしゃいでいる。とても楽しいのはいい事だ。
「リオ先輩......あれ見てください。」
横にいるメガネ君が指を指す方向を見る。そこにあったのは崩れかけビル達だった。上半分がほとんどないもののあるし、まだ昔の形を保っているものもある。......あれとかほとんど木に覆われている。
「これはどういう事なんだ?」
前に見たミラージュの紹介映像を思い出す。
舞台は文明が崩壊しモンスターが蔓延るファンタジーの世界
「文明が残ってた時のもの..........。」
石橋を渡り終えると、何個か建物が並んでいるし、人が何人か道を歩いていた。
「でもどうして文明は崩壊してしまったのでしょう?」
「じゃあ聞いてみる?」
「え?」(リオとメガネ君)
そう言うとサナさんは道を歩く人に尋ねる。女の子だ、腕にデバイスをつけていない事からプレイヤーじゃない事が分かる。どうやらこの世界に元々住んでいる人達らしい。
「こんばんは!」
「お姉ちゃんこんばんは!!」
サナさんの挨拶に女の子は無邪気に答える。
「突然すみません、なんで文明が無くなっちゃったのか知ってます?」
「ぶん.......めい?」
さすがに7歳くらいの女の子が文明は分からないらしい........。
「そうだ!おじいちゃんだったら何か知ってるかも!」
そう言うと女の子がお店屋さんの前でお話をしているお爺ちゃんを連れてやってきた。
「お爺ちゃん!このお姉ちゃん達がなんでぶんめい?が無くなっちゃったのか知りたいんだって!お爺ちゃん知ってる?」
女の子がそう言ったあとお爺さんは俺達の腕を見てため息をつくとズボンのポケットから折り畳まれた紙を出した。
「.........ワシがお主達のような腕に変な物を付けた奴らにその質問をされたのはお主達でちょうど100回目じゃ。喋るのもめんどくさいから紙に書いてきたわい.........。」
そう言うと折りたたんだ紙を俺達に渡す。
「ほら、そこの青いの.......読み上げなさい。」
「え!?僕ですか!!?」
「そうじゃ、お前さん、なんかワシより朗読がうまそうじゃからの。」
「わっ分かりました..........。」
俺はメガネ君に折り畳まれた紙を開いて渡した。
「読みますよ.........。」
むかしむかし........と言っても約7000年くらい前
この世界にはものすごく高度な文明があったらしい........。
みんなが平和に争いもなく暮らす中.......突如、空に大きな黒い穴が生まれ、そこから悪魔のような化け物達が現れた。
彼らは自分たちの事を「ラグル族」と名乗り、人々を殺し建物を破壊し楽しんだ。さらにラグル族と名乗る者達は動物を使って今の「モンスター」を作り出し、さらに人々を混沌へと導いた。
昔の人々は様々な兵器と呼ばれる強力な武器を使ってラグル族に対抗するも全て効かなかった。その間にも人口が大きく減少し、地形もだいぶ変わってしまった。
昔の人々は文明の全てを注ぎ込んでやっと全てのラグル族を封印する事に成功。モンスターは残ったものの、これで平和が訪れたと思われた........その時だった。封印する際に作った人工知能の一つが暴走を始めたのだ。
その人工知能は自分の器を一体のロボットにすると世界中の科学者や政治家を殺害。そして残ったのはわずかな大人と子供達だった。
多くの科学者達が殺されたのと生き残った者の半分以上が子供だったせいで復興がどんどん出来なくなってしまった。
街はどんどん自然で溢れ、世代を増していく事にどんどん文明の力が薄れてしまい、文明は崩壊した.......おしまい。
「.......だそうです........。」
「ラグル族ね............。」
それが何か俺達が来てしまった理由と関係あるのだろうか........封印っていうのも気になる。
「あれ?お爺さんはなんで人工知能とか知ってるんですか?」
「ワシもそれが何かは知らん、昔の物らしい。ただ大図書館で読んだ本にそう書かれていたから写し書いたまでよ。」
「大図書館って?」
俺が聞くとお爺さんは遠くを指差す。ビルの他に大きな建物がある。
「あれが大図書館じゃよ、昔話やモンスターの生態、武器の作り方、今日のお夕飯のレシピもあるぞ。街の真ん中にあるから分かりやすいぞ。」
「お爺さん、いろいろ教えてもらってありがとうございました!」
「いや、朗読したのは僕ですよ..........。」
どうして文明が崩壊したのかも知れたし、これからどうしようか。
もう日が沈みそうだ。泊まれる場所を探さなきゃ.........。
「お主達.......まさか泊まれる場所探してないか?」
「え?どうしてそれを........。」
「文明の話のあとにだいたい泊まれる場所を聞かれるからな。もうこっちから言う事にしておる........。」
「あっ....あはは。」
このお爺さん大変なんだな..........。
「泊まる場所を探すより入り口の前に手のマークがあるボロい建物を探した方がいい。右に行ったら結構あるぞ。」
そう言うとお爺さんは女の子を連れて帰ってしまった。
「お姉ちゃん達バイバーイ!」
お爺さんに手を引っ張られながらもこっちを振り返って手を振ってくれたので俺達も振り返す。
「バイバーイ。」
俺達はお爺さんの言う通りに入り口.....つまりドアの前に手のマークがある建物を探す事にした。
「あっ.......あった。」
結構近くに見つけてしまった。確かにボロい建物のドアに手のマークが描かれている。このマーク......どこかで見た事あるような.......。
「あっ!思い出した!このマーク確かコンテナを開ける時にも描かれていたやつだ!」
「確かに言われてみれば似てますね......リオ先輩、手をかざしてみてくださいよ。」
「うん、分かった。」
俺はドアの前に立ち、その手のマークに触れようとした。その時だ!
「ぷにに!」
サナさんの腕の中でクッションの様に抱かれていたスララが飛び出し、どこかへと向かってしまった。
「ちょっとスララ!どこ行くの!」
スララを追いかけてサナさんもどこかへ行ってしまう。
「追いかけましょう!」
「うん!」
俺達も走り出しサナさんとスララを追いかける。
一体スララはどこへ行くつもりなのだろうか...........。
追いかける事20分
途中見失う事もあったが、なんとかサナさん達に追いつく事ができた。
その頃には完全に日が沈み、あたりは暗くなっている。
暗闇の中、サナさんはスララを抱きしめて立っていた。
「もう.....勝手にどっか行っちゃダメでしょ。めっ!だよ!」
「ぷにに.........。」
スララがしょんぼりしている、反省しているのかもしれない。
俺達はここまで走るのに疲れてしまい近くの建物の壁に寄っかかる。
息切れがすごい。
「でも、ここって......。」
周りを見渡すと、近くに大きな建物があった。これは確かお爺さんが言っていた大図書館。つまり俺達は街の端っこの城壁近くから、街の真ん中まで走ってきたらしい。たぶん学校のマラソンよりも走ったと思う。
「スララも見つけた事ですし、手のマークがある建物を探しにいきましょう。」
「その事なんだけど、ここにちょうどあるんだよね。」
「え?」
サナさんは俺達が寄っかかる建物のドアを指差す、ドアを見てみると確かにあの手のマークが描かれていた。
「じゃあここにします?」
「そうしよっか.......という事でリオ君やっちゃって!」
俺はドアの前に立ち、その手のマークに重ねるようにドアに触る。
触ったと同時にドアに機械のような白い線が一瞬現れると同時にどこからか音が聞こえた。
プレイヤー デュリオンのアクセスを確認しました
ようこそオリオンの街へ ここで住居を確定しますか?
そのアナウンスのような声が聞こえると同時に3人の画面に選択肢が浮き出される。
→ ハイ
イイエ
「よし!みんなでハイを選ぼう!せーーの!」
サナさんの一声と共に俺達はハイを選択した。
こういうのは勢いが大切らしい..........。
3人のプレイヤーを確認
デュリオン サバイバー ロード
ギルド結成の手続きが完了しました、今日から貴方方のギルド名は「ジェネシス」です。建物を最適化します.........ご注意ください。
アナウンスと共に建物が白く光始め、形と大きが変わりはじめる。
数分後には光が収まり、ボロボロだった建物が新築になった。入り口の前には謎の文字と英語でギルド ジェネシスと書かれている。
「あっ!見てみて!私の帽子になんか刺繍されてる!」
サナさんはかぶっている帽子を取ると俺達に見せてきた。帽子にはJがオシャレな感じで刺繍されている。
「すごいオシャレですね!会社のロゴみたい!!」
「サナさんにそれがあるって事は俺達にも!!」
自分の服を見てみるとシャツのポケット部分に同じようなロゴが刺繍されている。
それを3人で目をキラキラさせながら見ていた。
「よし!それじゃ建物の中にも入ってみよう!!」
サナさんがドアを開け、勢いよく中に入っていった。
俺達もドアを開けてみる.........どうやら今日からここが俺の新しい帰る場所らしい。
これがギルド「ジェネシス」結成の日
一方その頃 ギルド ファンタジーモール 社長室では.........。
「ねぇねぇテン見て!!」
「どうされたんですか社長........。」
彼は椅子から立ち上がると窓を指差す、そこから見えたのは白く光一つの建物
「どうやら新しくギルドができたらしいですね。」
「どんな人達なんだろ.......明日の朝にこの作ったチラシをこの街中のギルドに入れて明後日には集合だ!子供の頃の遠足のようなワクワク感だ!」
「それはいいですが、仕事が終わってからです........。」
「ハイ........。」
彼は仕事を終わらせれるのだろうか........。
おまけコーナー!!!
建物の中を紹介するよ!
建物は三階建ての構造になっており、外から見たものよりもものすごく広くなっている。すごいね..........。
一階
お客様が来た時用の部屋でソファーや椅子が置かれている。
これからもっと家具が増えると思う
二階
リビングになっていて、料理を作ったりご飯食べたり.......ウォーターサーバーがなぜかある。水道もある、コンロもある、電気も通っている。
すごく現代的.......なんでだろ.......。
三階!
たぶん一番の目玉 3人の部屋があるぞ!
しかもそれぞれの部屋に鍵が付いているぞ!
1人の部屋がホテルの部屋二つ分くらい
ここでサナさん感想を!
サナ「え?私!?えーーーっとね、あ!布団がものすごくふかふかなの!私の部屋でスララも一緒に寝てるんだけど、寝てるスララも可愛くって..........。」
続いてリオ!
リオ「ベッドで寝るなんて久しぶりで.......ずっと土や草の上で寝てたので.......初日はベッドで寝れる事が幸せすぎて泣きそうになりました。」
最後にメガネ君!
メガネ君「やっと1人の部屋ができて嬉しいです、自分の部屋ができたら作業部屋にもしたかったのでね........防音もしっかりしてるんですよ。今日は作業用の工具を買いに行ってきます。」
それぞれの階にトイレがあるよ!もちろん洋式!
便利だね!!この建物の仕組みはどうなってるか分かんないけどギルドにメンバーが増えたり、お金を使うと部屋が増えたり、階が増えたりするぞ!
ファンタジーモールは何階建てなんだろうね!!
もうすぐ日が沈むのかもしれない。
「ねぇねぇ!早く行こうよ!」
サナさんの声がしたので上を見上げるのをやめ前を向く。
サナさんとスララは高い城壁の前にいる.......いつのまに行っていたのだろうか。
「ちょっと待ってください!」
俺とメガネ君は重く感じる足を動かして街の方へと向かった。何時間も歩き続けて疲れているのだ。サナさんは元気そうだけど.........。
城壁の前まで来ると3人でまた歩き始めた。高い城壁を触ってみる、岩が積み重なってできているのか?俺達は城壁にある門をくぐって街の中に入った。
門をくぐるとすぐにあるのは川だ.......俺達は広い石橋の上を渡っている。
「見てみて!すごい高いよ!」
サナさんがいつも以上にはしゃいでいる。とても楽しいのはいい事だ。
「リオ先輩......あれ見てください。」
横にいるメガネ君が指を指す方向を見る。そこにあったのは崩れかけビル達だった。上半分がほとんどないもののあるし、まだ昔の形を保っているものもある。......あれとかほとんど木に覆われている。
「これはどういう事なんだ?」
前に見たミラージュの紹介映像を思い出す。
舞台は文明が崩壊しモンスターが蔓延るファンタジーの世界
「文明が残ってた時のもの..........。」
石橋を渡り終えると、何個か建物が並んでいるし、人が何人か道を歩いていた。
「でもどうして文明は崩壊してしまったのでしょう?」
「じゃあ聞いてみる?」
「え?」(リオとメガネ君)
そう言うとサナさんは道を歩く人に尋ねる。女の子だ、腕にデバイスをつけていない事からプレイヤーじゃない事が分かる。どうやらこの世界に元々住んでいる人達らしい。
「こんばんは!」
「お姉ちゃんこんばんは!!」
サナさんの挨拶に女の子は無邪気に答える。
「突然すみません、なんで文明が無くなっちゃったのか知ってます?」
「ぶん.......めい?」
さすがに7歳くらいの女の子が文明は分からないらしい........。
「そうだ!おじいちゃんだったら何か知ってるかも!」
そう言うと女の子がお店屋さんの前でお話をしているお爺ちゃんを連れてやってきた。
「お爺ちゃん!このお姉ちゃん達がなんでぶんめい?が無くなっちゃったのか知りたいんだって!お爺ちゃん知ってる?」
女の子がそう言ったあとお爺さんは俺達の腕を見てため息をつくとズボンのポケットから折り畳まれた紙を出した。
「.........ワシがお主達のような腕に変な物を付けた奴らにその質問をされたのはお主達でちょうど100回目じゃ。喋るのもめんどくさいから紙に書いてきたわい.........。」
そう言うと折りたたんだ紙を俺達に渡す。
「ほら、そこの青いの.......読み上げなさい。」
「え!?僕ですか!!?」
「そうじゃ、お前さん、なんかワシより朗読がうまそうじゃからの。」
「わっ分かりました..........。」
俺はメガネ君に折り畳まれた紙を開いて渡した。
「読みますよ.........。」
むかしむかし........と言っても約7000年くらい前
この世界にはものすごく高度な文明があったらしい........。
みんなが平和に争いもなく暮らす中.......突如、空に大きな黒い穴が生まれ、そこから悪魔のような化け物達が現れた。
彼らは自分たちの事を「ラグル族」と名乗り、人々を殺し建物を破壊し楽しんだ。さらにラグル族と名乗る者達は動物を使って今の「モンスター」を作り出し、さらに人々を混沌へと導いた。
昔の人々は様々な兵器と呼ばれる強力な武器を使ってラグル族に対抗するも全て効かなかった。その間にも人口が大きく減少し、地形もだいぶ変わってしまった。
昔の人々は文明の全てを注ぎ込んでやっと全てのラグル族を封印する事に成功。モンスターは残ったものの、これで平和が訪れたと思われた........その時だった。封印する際に作った人工知能の一つが暴走を始めたのだ。
その人工知能は自分の器を一体のロボットにすると世界中の科学者や政治家を殺害。そして残ったのはわずかな大人と子供達だった。
多くの科学者達が殺されたのと生き残った者の半分以上が子供だったせいで復興がどんどん出来なくなってしまった。
街はどんどん自然で溢れ、世代を増していく事にどんどん文明の力が薄れてしまい、文明は崩壊した.......おしまい。
「.......だそうです........。」
「ラグル族ね............。」
それが何か俺達が来てしまった理由と関係あるのだろうか........封印っていうのも気になる。
「あれ?お爺さんはなんで人工知能とか知ってるんですか?」
「ワシもそれが何かは知らん、昔の物らしい。ただ大図書館で読んだ本にそう書かれていたから写し書いたまでよ。」
「大図書館って?」
俺が聞くとお爺さんは遠くを指差す。ビルの他に大きな建物がある。
「あれが大図書館じゃよ、昔話やモンスターの生態、武器の作り方、今日のお夕飯のレシピもあるぞ。街の真ん中にあるから分かりやすいぞ。」
「お爺さん、いろいろ教えてもらってありがとうございました!」
「いや、朗読したのは僕ですよ..........。」
どうして文明が崩壊したのかも知れたし、これからどうしようか。
もう日が沈みそうだ。泊まれる場所を探さなきゃ.........。
「お主達.......まさか泊まれる場所探してないか?」
「え?どうしてそれを........。」
「文明の話のあとにだいたい泊まれる場所を聞かれるからな。もうこっちから言う事にしておる........。」
「あっ....あはは。」
このお爺さん大変なんだな..........。
「泊まる場所を探すより入り口の前に手のマークがあるボロい建物を探した方がいい。右に行ったら結構あるぞ。」
そう言うとお爺さんは女の子を連れて帰ってしまった。
「お姉ちゃん達バイバーイ!」
お爺さんに手を引っ張られながらもこっちを振り返って手を振ってくれたので俺達も振り返す。
「バイバーイ。」
俺達はお爺さんの言う通りに入り口.....つまりドアの前に手のマークがある建物を探す事にした。
「あっ.......あった。」
結構近くに見つけてしまった。確かにボロい建物のドアに手のマークが描かれている。このマーク......どこかで見た事あるような.......。
「あっ!思い出した!このマーク確かコンテナを開ける時にも描かれていたやつだ!」
「確かに言われてみれば似てますね......リオ先輩、手をかざしてみてくださいよ。」
「うん、分かった。」
俺はドアの前に立ち、その手のマークに触れようとした。その時だ!
「ぷにに!」
サナさんの腕の中でクッションの様に抱かれていたスララが飛び出し、どこかへと向かってしまった。
「ちょっとスララ!どこ行くの!」
スララを追いかけてサナさんもどこかへ行ってしまう。
「追いかけましょう!」
「うん!」
俺達も走り出しサナさんとスララを追いかける。
一体スララはどこへ行くつもりなのだろうか...........。
追いかける事20分
途中見失う事もあったが、なんとかサナさん達に追いつく事ができた。
その頃には完全に日が沈み、あたりは暗くなっている。
暗闇の中、サナさんはスララを抱きしめて立っていた。
「もう.....勝手にどっか行っちゃダメでしょ。めっ!だよ!」
「ぷにに.........。」
スララがしょんぼりしている、反省しているのかもしれない。
俺達はここまで走るのに疲れてしまい近くの建物の壁に寄っかかる。
息切れがすごい。
「でも、ここって......。」
周りを見渡すと、近くに大きな建物があった。これは確かお爺さんが言っていた大図書館。つまり俺達は街の端っこの城壁近くから、街の真ん中まで走ってきたらしい。たぶん学校のマラソンよりも走ったと思う。
「スララも見つけた事ですし、手のマークがある建物を探しにいきましょう。」
「その事なんだけど、ここにちょうどあるんだよね。」
「え?」
サナさんは俺達が寄っかかる建物のドアを指差す、ドアを見てみると確かにあの手のマークが描かれていた。
「じゃあここにします?」
「そうしよっか.......という事でリオ君やっちゃって!」
俺はドアの前に立ち、その手のマークに重ねるようにドアに触る。
触ったと同時にドアに機械のような白い線が一瞬現れると同時にどこからか音が聞こえた。
プレイヤー デュリオンのアクセスを確認しました
ようこそオリオンの街へ ここで住居を確定しますか?
そのアナウンスのような声が聞こえると同時に3人の画面に選択肢が浮き出される。
→ ハイ
イイエ
「よし!みんなでハイを選ぼう!せーーの!」
サナさんの一声と共に俺達はハイを選択した。
こういうのは勢いが大切らしい..........。
3人のプレイヤーを確認
デュリオン サバイバー ロード
ギルド結成の手続きが完了しました、今日から貴方方のギルド名は「ジェネシス」です。建物を最適化します.........ご注意ください。
アナウンスと共に建物が白く光始め、形と大きが変わりはじめる。
数分後には光が収まり、ボロボロだった建物が新築になった。入り口の前には謎の文字と英語でギルド ジェネシスと書かれている。
「あっ!見てみて!私の帽子になんか刺繍されてる!」
サナさんはかぶっている帽子を取ると俺達に見せてきた。帽子にはJがオシャレな感じで刺繍されている。
「すごいオシャレですね!会社のロゴみたい!!」
「サナさんにそれがあるって事は俺達にも!!」
自分の服を見てみるとシャツのポケット部分に同じようなロゴが刺繍されている。
それを3人で目をキラキラさせながら見ていた。
「よし!それじゃ建物の中にも入ってみよう!!」
サナさんがドアを開け、勢いよく中に入っていった。
俺達もドアを開けてみる.........どうやら今日からここが俺の新しい帰る場所らしい。
これがギルド「ジェネシス」結成の日
一方その頃 ギルド ファンタジーモール 社長室では.........。
「ねぇねぇテン見て!!」
「どうされたんですか社長........。」
彼は椅子から立ち上がると窓を指差す、そこから見えたのは白く光一つの建物
「どうやら新しくギルドができたらしいですね。」
「どんな人達なんだろ.......明日の朝にこの作ったチラシをこの街中のギルドに入れて明後日には集合だ!子供の頃の遠足のようなワクワク感だ!」
「それはいいですが、仕事が終わってからです........。」
「ハイ........。」
彼は仕事を終わらせれるのだろうか........。
おまけコーナー!!!
建物の中を紹介するよ!
建物は三階建ての構造になっており、外から見たものよりもものすごく広くなっている。すごいね..........。
一階
お客様が来た時用の部屋でソファーや椅子が置かれている。
これからもっと家具が増えると思う
二階
リビングになっていて、料理を作ったりご飯食べたり.......ウォーターサーバーがなぜかある。水道もある、コンロもある、電気も通っている。
すごく現代的.......なんでだろ.......。
三階!
たぶん一番の目玉 3人の部屋があるぞ!
しかもそれぞれの部屋に鍵が付いているぞ!
1人の部屋がホテルの部屋二つ分くらい
ここでサナさん感想を!
サナ「え?私!?えーーーっとね、あ!布団がものすごくふかふかなの!私の部屋でスララも一緒に寝てるんだけど、寝てるスララも可愛くって..........。」
続いてリオ!
リオ「ベッドで寝るなんて久しぶりで.......ずっと土や草の上で寝てたので.......初日はベッドで寝れる事が幸せすぎて泣きそうになりました。」
最後にメガネ君!
メガネ君「やっと1人の部屋ができて嬉しいです、自分の部屋ができたら作業部屋にもしたかったのでね........防音もしっかりしてるんですよ。今日は作業用の工具を買いに行ってきます。」
それぞれの階にトイレがあるよ!もちろん洋式!
便利だね!!この建物の仕組みはどうなってるか分かんないけどギルドにメンバーが増えたり、お金を使うと部屋が増えたり、階が増えたりするぞ!
ファンタジーモールは何階建てなんだろうね!!
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/sf.png?id=74527b25be1223de4b35)
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
無能力者と神聖欠陥
島流十次
SF
一度崩壊した世界は生まれ変わり、それから特に成長したのは人類の「脳開発」だった。頚椎にチップが埋め込まれ、脳が発達し、人は超能力を手にするようになり、超能力を扱えるものは「有能」と呼ばれる。しかし、チップを埋め込まれても尚能力を持てない者は多数いた。「無能」は『石頭』と揶揄され、第二新釜山に住む大学生、ググもまた、『石頭』であった。ある日、アルバイト先で、一人の奇妙な「有能」の少女と出会ってから、ググの日常はそれまでとは大きく変わってゆく。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる