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第6話 獄炎を纏って

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「キシャァァァアァオン!!」

鳴り響くサラマンダーの叫び、辺り一面が赤とオレンジを混ぜたかのような炎で覆われる。戦ってから何分が経った?もう分からなくなってきてしまっている。

「ダメです.....周りの炎が鎮火できません.......。」

「アイスやウォーターを使ってもすぐに炎が湧き出てくる!サラマンダーってこんなに強いの........。」

最初は順調にHPを削る事ができた......でも半分が過ぎたあたりからサラマンダーが辺りに火を吐くようになった。

「これじゃ.......逃げようと思っても逃げれないよー。」

「......逃げれない......そうか!」

「メガネ君......何か分かったの?」

「あのサラマンダー.......僕達のMPを0にさせるのが目的です.......MPが0になったら僕達は魔法や強い攻撃ができなくなる。」

それが本当だとしたら俺達は..........。

サラマンダーを倒すか.....サラマンダーに食われるか......。
周りは炎の壁で囲まれて坂から逃げる事もできない。
俺達のHPとMPも半分を切った。倒せるのか?こんなやつ?

「でも........倒すしかない!サナさん!メガネ君!俺の援護をお願いします!」

「はっはい!」

「分かった!」

俺は再び剣を構えるとサラマンダーめがけて走り出す。
やつにバーニングスラッシュなんて通用しない.....だったら!

俺は画面を操作して技を選択する。

アイス!スラッシュ!

「くらえーーーーー!!」

ブリザードスラッシュ!!

剣の刀身は青色の冷気を帯び、周りの熱さなんてもろともしない。
結構涼しい気もする。

剣を大きく振りかぶってサラマンダーの前足に向かって斬撃を放つ!

ズバァァァ!!

「キシャァァァアァガガカラァ!!」

ガキガキガキ!

斬撃が当たると同時にそこから氷が発生し前足全てを覆うと地面に根を生やすように固定される。

「これで身動きがとれなくなったはず!メガネ君!」

「ありがとうございます!僕は後ろ足を!」

サラマンダーが俺に気を取られている間にメガネ君に後ろにまわって待機してもらってたんだ。

アイス!クラッシュ!

メガネ君はその大きな斧を後ろ足に向かって、薪を叩き割るように上から下へ
叩き落とす!

ズバァァァァァァ グシュアァァアアア!!

辺りに噴水のように血が吹きでるが、もはやその血も凍ってしまう。
前足と同じように氷が発生して、これで完全に身動きができなくなった。

「メガネ君!ナイス!」

この氷が溶けてしまうのも時間の問題だ、今のうちにできるだけHPを削らないと.......。

「サナさん!」

「分かってるって!よし!狙って狙って!(アイツの弱点は.........頭にあるツノ!!さっき調べた!)」

サンダー!ブラスト!

サナさんの構える銃の銃口が黄色の線電気のようなものが溜まっていく。

「はじけ飛べ!ライトニングブラスト!」

ライトニングブラスト!!

バン!バン!バン!バン!

引き金を引くと同時に4発の弾丸に飛び出し黄色い残像の線を作り出しながらサラマンダーの頭めがけてものすごいスピードで飛んでいった。

グサ!グサ!グサ!グサ!

「ギシャァァァァァァァガァァァアァ!!」

「当たった!でも....ツノ破壊できなかった......。」

「大丈夫ですサナさん!おかげでヤツのHPを4分の1まですることができました!」

「あともう少しです!」

そうだ、ヤツもだいぶ苦しんでいる。あともう少し......でも俺達のMPも残りわずかになってきた。数秒すれば氷が完全に溶けてしまう。
ここからが大切だ!






一方その頃 崖の上では.......。

「すっすごい........。3人でサラマンダーをあともう少しで倒せそう。」

「あぁ.......なんであんなに連携が取れるのかが不思議だ。まだ.....出会ってから一ヶ月も経っていないのに.......。」

「これならにいちゃん達倒せそうだね!」

「ランス.....でも勝っちゃったら私達レアカードを渡さなきゃ......。」

「あっ!そうか.......う~ん応援するべきなのか.......。」

「さて......どうなるかな.....。(本当にお前達にこのカードを渡すべき者なのかちゃんと見定めてやる)」



「はぁ.....はぁ......。」

氷も完全に溶け、身動きができるようになってしまったサラマンダー。
どうやら怒りは完全MAXのようだ。周りの炎がさらに熱くなった気がする。

「どうしよう.......MPがあともう少しだよ.......。」

「僕もです........。」

俺も自分のMPを確認すると残り60.......。
どうする......できるとしたらバーニングスラッシュが最高で4回
2人のMPは10を下回っていた。.................でもバーニングスラッシュじゃHPを全部削れない。

(運に任せてみたら?)

またあの青い髪の少女の声がする......運に任せる........。
やってみるか........。

(本当にそれでいいのか?もし失敗したらどうする?)
心の中でそういう俺がいる。確かに失敗したらどうなるか本当に分からない。
でも賭けてみたいんだ、俺の力に.........。

俺は画面を操作して技を選択した。

ランダム?スラッシュ!

「なっ!あのにいちゃんランダムを選択したよ!」

「無謀です!........ハズレたら死ぬかめしれないんですよ!」

「............。」

頼む!来てくれ!俺達を導いてくれ!

(蒼き流星が貴方達を導く........もうすぐ........。)

デバイスのスピーカーから女性の声が前みたいに聞こえてきた。

おめでとうございます!ランク4魔法 「インフェルノ」が当たりました♪

インフェルノ!! スラッシュ!

「え?」

スピーカーからこの声が流れると同時に持っていた剣の刀身がバーニングスラッシュとは違う炎を纏った。

ゴォォォオォォオォォオ!!

インフェルノスラッシュ!!!

バーニングスラッシュの場合赤い炎を纏うがこの炎は違う、血のような赤色と花のような桃色の二つの炎が混ざっている。

「インフェルノ........あんなの見たことないぜ........。」

「うん、ランク4魔法なんて初めて.......でも.....綺麗......。」

「獄炎魔法インフェルノ......憎しみと優しさが交差する二つの相対する炎が混ざってる、まるで煉獄だな.......。」

インフェルノ........ものすごい力だ......。
これで倒せる!

「獄炎を纏ってお前を斬る!!」

俺は再び立ち上がると困惑するサラマンダーにめがけて走り出す。
サラマンダーはインフェルノを見て怯えてるように見える。

「キシャァァァアァオン!」

ボッ!ボッ!ボッ!

サラマンダーの口から大きな火球が飛び出し、俺にめがけて飛んでくる。

「リオ君危ない!」

「いえ!見てください!」

火球は俺のすぐ近くで動きが止まり、そのまま剣の刀身に吸収されてしまう。
吸収した火球の数が増える事に刀身の炎がどんどん大きくなる。
どうなってるんだ........。

それでも俺の足は走るのをやめない!サラマンダーを倒すために!!

よし!この距離なら!!
俺はサラマンダーの体めがけて今まで放った事ないような強い斬撃を放った。

「うぉおぉぉぉぉ!!インフェルノスラッシュ!!」

斬撃は放たれると同時に姿を変えた、それはまるでゲームの中で見た大きなドラゴンのような姿に.......。獄炎でできたドラゴンはサラマンダーを簡単に飲み込んでしまう。

「キ.......!!!!」

サラマンダーは叫ぶ事もできず、そのまま消えてしまう。あんなに死闘を繰り広げたサラマンダーがたった一つの斬撃で消えてしまった。

サラマンダーが消えると同時に周りを囲んでいた炎は消えた..........。

「勝った.......。」

「やったねリオ君!!イエーーイ!」

「やりましたね!僕達の勝ちです!」

後ろを振り返ると2人が大喜びをしている......そうか俺達はあのサラマンダーに勝ったんだ。2人の表情を見て改めて実感する。

ゴゴゴゴゴゴゴゴコゴ!!

「なっなんの音!?」

コロン

上からホコリと共に小さい石が落ちてきた。まさか..........。

「さっきの戦いで天井の岩が落ちそうになっている.....まずいな。」

「アーサーさん!逃げましょう!」

「なんか地震みたいな音がします!」

「..........お前達は先に逃げろ.........。」

「アーサーさん!!」

「飛び降りちゃった..........。」


ドガッ!!

天井にあった大きな岩が俺達のいる場所めがけて落下する、このままじゃ.......潰されて死んでしまう。防ごうと思ってもガードする力すら俺には残っていなかった。足が..........動かない.........。

「リオ君!はやく逃げて!」

2人は坂の方の近くにいたからケガの心配はないと思うが俺がいるのは坂がある場所から遠い、今から逃げても........もう

岩の崖はすぐ近くまで落ちてきている......俺は死ぬのか?
そう思ったその時だ。

シャイン!スラッシュ!

シャインニングスラッシュ!!!

「テイヤァァ!!」

「え?」

ドッガーーーーーーーーーン!!!

俺を潰そうとする岩は大きな音と共に粉砕され、周りにちょっと大きめの小石程度の大きさになってそのまま周りに飛び散ってしまった。
俺は助かったのか? でも一体誰があんな大きな岩を破壊したんだ?

「ふっ........ケガはないか?」

目を開けるとすぐ横に大剣を片手で持つ1人のロボットが凛々しく立っていた。

「その声は......アーサー?なんで俺を.....助けたんだ?手は貸さないはずじゃ........。」

「それはサラマンダーと戦ってる最中の話だ......お前らは勝ったんだ........それにお前にここで死んでもらったら面白くないのでな.........。」

そういうとアーサーは剣を持っていない方の剣で俺に手を差し伸べる。

「あっありがとう.......。」

俺はその手を掴んで立ち上がった。



おまけコーナー

アーサー ロボットの時の姿の外見!

アーサーは赤と白のアーマーとなっており
各部に金色のラインやバラのツルのような装飾があるぞ!
西洋騎士のような姿で、凛々しく立つその姿はまるでアーサー王!

背中に大剣を背負っている、大きさとしてはリオの身長の4分の3くらい
それを片手で扱えるアーサーの力って...........。




そしてここで発表をします!

リオ「なんとMetal Blood Worldは本編だけじゃ収まりきらなかったお話をするつもりです。」

サナ「つまり外伝をするんだよ!そしてなんと次回は.........。」

メガネ君「本編ではなく外伝第一弾をする予定です!」

サナ「Metal Blood World外伝第一弾は!なんと私のお話!!」

リオ「サナさんがどうしてこの世界に来てしまったのか、サナさんの過去を明るく楽しくお送りします。」

メガネ君「そして第二弾は僕のお話です!」

リオ「メガネ君の過去、サナさんと同じでこの世界に来てしまったのか.......なぜ彼はこのメガネを大切にするのか.......彼に隠された過去をお送りします。」

全員「という事でMetal Blood World外伝!」

サナ「エピソード オブ サバイバーと!」

メガネ君「エピソード オブ ロードを!」

全員「どうかお楽しみに!!」



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