Worlds of Fate〜世紀末の戦士は異世界に挑む！〜

宇宙星

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第１４話　バトルロイヤル③ モモの秘密

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一方、モモとジャックは荒涼とした砂漠地帯に降り立っていた。ジャックはすぐさま形状を変え、モモを包むように覆い、モモを守ろうとした。

モモは少し鬱陶しそうに感じながらも、ジャックの過保護な態度に微かに安心感を抱いていた。

「ここ、何もないから敵の的になると思ってたけど、砂嵐で前が見えないのだ……」

モモは不安げに辺りを見渡し、視界を奪う砂嵐に苛立ちを感じた。

「我が惑星に似てる。廃墟と砂漠ばかりだ」
とジャックが静かに応じる。その言葉に少し驚いたモモは「ふーん」と興味のなさそうな返事をするが、内心では彼の故郷の過酷な環境を思い描いていた。

突然、ジャックの目が鋭く光り、前方に意識を集中させた。
「モモ、気をつけろ。我、前に人影をサーチした。」
その言葉にモモは緊張し、反射的に生唾を飲み込む。砂嵐の中、ぼんやりとした人影が次第に近づいてきた。

「おーい！お前らー！何してるんだー？」

現れたのはドラゴン族の女戦士、フレアだった。彼女は砂嵐の中から堂々と現れ、その姿には力強さと威厳が漂っていた。炎のような赤い髪が風に舞い、瞳には挑戦的な光が宿っていた。
笑みを浮かべながら、彼女は二人に向かって言い放った。

「丁度いい！お前ら、ここでアタシと勝負しようぜ。」

フレアはこの砂漠の過酷な環境が自分に有利であることをよく理解していた。砂漠の炎熱や強風は、彼女のドラゴンの血を呼び覚まし、その力を倍増させる。モモはその圧倒的な存在感に気圧されながらも、ジャックと目を合わせて警戒を強めた。

ジャックは冷静に耳打ちする。
「モモ、あの者は強敵だ。油断するな。」

フレアは戦闘態勢に入り、赤い瞳がさらに輝きを増し、ドラゴンのオーラを全身にまとい始めた。彼女の周りには炎のようなエネルギーが渦巻き、熱気が周囲を包み込む。

「さあ、かかってこい！」

フレアが挑発的に叫ぶと、砂嵐が激しく吹き荒れる。その風にさらされ、彼女の薄いブラジャーと赤いTバックが露わになり、強烈な熱気が漂う。

しかし、その風にはどこか冷たく鋭いものが混じっていた。それは、砂嵐とは異なる何か、異質な力の影響を感じさせた。

その時、遠くに氷とクリスタルでできた巨大な要塞がぼんやりと浮かび上がった。それはドルチェとミヤビの仕業だった。要塞の上から、ドルチェが砂漠を見張り、ミヤビが邪悪な魔物を召喚している姿が見える。要塞から放たれる冷たいオーラが、砂漠の一部をまるで死の領域のように変えていく。

その不気味な気配はジャック、モモ、そしてフレアにも伝わり、ジャックは反射的にその方向に目を向けた。しかし、フレアが鋭く声を上げた。

「よそ見するな。貴様らの相手はこのアタシだ。」

彼女の声は砂嵐の中でもはっきりと響き渡り、その力強さが二人に再び緊張感をもたらした。

フレアは一歩前に踏み出し、ドラゴンの力を解放しながら、炎をまとった拳を構えた。二人に攻撃を仕掛ける準備が整ったのだ。ジャックとモモはその威圧感に圧倒されながらも、フレアに集中し始めた。壮絶な戦いの火蓋が切られようとしていた。

砂嵐が激しく吹き荒れる中、フレアの挑発にモモとジャックは集中を取り戻そうとしていた。フレアの炎のオーラが激しく燃え上がり、その熱気がさらに周囲の温度を上げていく。しかし、その時、突如として強烈な風が吹き付け、モモとジャックは思わず後ずさりしてしまった。

砂嵐に巻き上げられた砂粒が痛いほどに体に当たり、モモはその勢いに耐えきれず、思わずバランスを崩してしまう。

「くっ…！」
モモは地面に倒れ込む寸前でジャックの腕に捕まったが、その瞬間、強風がモモの衣服を激しく引っ張り、体に張りついていたTシャツが思わずはだけた。

「モモ！」
ジャックは焦ってモモを抱き寄せようとしたが、砂嵐の勢いでさらに動きを乱され、偶然にも手がモモの胸元に触れてしまう。予期せぬその感触にジャックは一瞬固まり、驚愕の表情を浮かべた。

むにゅ

「えっ…!?」
ジャックは目を見開き、その手の感触が明らかに男性のものではないことに気づく。モモも瞬間的に顔を赤らめ、慌てて服を引っ張り戻しながら、視線を逸らして動揺を隠そうとする。

「な、何を…」
モモは必死に言葉を探しながら、何とか場を取り繕おうとしたが、ジャックはすでに気づいていた。

「お前…本当は女なのか？」
ジャックは静かに問いかけるが、その目には理解と驚きが交差していた。

モモはしばらく言葉を飲み込み、砂嵐の音だけが二人の間に響いた。うさぎの耳が垂れ下がり、桃色のショートヘアが揺れる。水色の瞳を揺らしながら、彼女はやがて小さく頷き、ジャックから目をそらしたまま答えた。

「…う…うるさい！これには訳があるのだ！」

「我了解。秘密とあらば墓場まで持っていこう」
ジャックは驚きながらも、モモを受け入れる。

その瞬間、フレアが再び二人に向けて声を上げた。「おい！そっちで何やってんだ！戦うんだろ！？」

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