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第六話 災厄は笑いながら歩みクル
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部屋から出た後、ゲラニウムの泊まっている部屋に入り帰りを待っているとニ時間ほどたった頃に戻ってきた。
扉を開けた時「なぜここにいる?」と言われたが「ちょっと立て込んだ事情がありまして」と返しあらかたの事情を説明する事となった。
その後ゲラニウムと共に彼女の寝ている部屋に行ったのだが‥‥部屋に入り彼女の顔を見ると硬直していた。
ゲラニウムは「プルヌス‥‥?」と一言呟くと固まっていた身体が瞬時に動き出し、彼女の寝ている横に駆け出す。
どうやら彼女はゲラニウムの知り合いだったようだ。だとすればこの人を探すために森の中にいたのだろうか?
あんな魔獣がいるような森なのだ。よほどの事情がない限りあんなところで俺と出会うことはないだろう。
だが、こんな再会になるなんて‥‥現実は残酷である。
ゲラニウムは彼女の頬に手を伸ばし、そっと撫でる。
今仮面の下でどんな表情をしているのかこちらからは全く分からないが、想像するに難くない。
きっと彼にとってはとても大切な人だったのだろう。
そんな人が自分の知らぬところで傷を負い、今苦しそうに寝ているのだ。
かなり精神的にきついだろな。
仮面の男は肩を小さく震わせながら、彼女を見ている。
さすがにこの空気には耐えられそうにはないので、落ち着くまで二人にしてあげよう。
そう思い部屋を出て俺は少し早いが食事をしに向かった。
ご飯を食べながらしばらくすると、ゲラニウムが部屋から出てきてこちらに合流した。
「求‥‥すまなかったな。ちゃんと説明できてなくて。彼女を助けてくれてありがとう」
頭を下げ謝ってくるゲラニウムに俺は「いいよいいよ。俺はここまで運んできただけだし」と言った後に、「とりあえず飯でも食べながら話せる事だけでもいいから聞かしてほしい」と言うと「ああ‥‥そうだな」と言いつつ椅子に腰を掛けた。
既に半分ほど減ったおかずをつつきながら、話しを聞いていると彼女の名前は【プルヌス】というみたいで、幼馴染でもあり一緒に旅もしていた仲間だったらしい。
ただあまり言いたくないのか、なぜ逸れてしまっまのか聞くととても歯切れが悪かった。
うーむ、なんか事情がありそうではあるが、無理して聞き出すこともないので問い詰めるような事はせずにそのまま話しを終わらせた。
「まあ、なんにせよ!再び出会えたんだからよかったじゃないか!」俺はそう言いながら、ゲラニウムの木製のジョッキの中に酒を注ぐ。
「そうだな‥‥」
その声はかなり萎んでいて、複雑な心境である事を読み取る事ができる。
なんとゆうか何というのでしょうか?彼の纏う空気が俺の胃も刺激してくる。
いや~これは本当にどうしたらよいものか‥‥
悩みながちょびちょびと木製のジョッキを口につけて呑んでいるものの答えは全く出てこなかった。
どうすることもできないまま時間だけが過ぎてゆく。
昨日おじさん達も心配そうにこちらをチラチラと覗っている。
いや‥‥見てるだけじゃなくて今こそ昨日のテンションで絡んできてくれよ‥
なんでこんな時だけ来ないんだよ。
触らぬ神に祟りなしとは言うがそんなの関係なくこれそうな度胸が昨日はあったじゃん!
なのになんで今日は絡んで来ないんだよ。
心の中で愚痴を垂れながらも、悩んでみたが解決策はなかった。
結局終始ゲラニウムの気分を変えてあげる事はできずに、部屋へ戻る事となった。
ちなみに俺はおばちゃんが別の部屋を充てがってくれたので、その部屋に泊まる事となった。
寝ながらプルヌスの事とゲラニウムの事を考えていると、なんだか段々と心がモヤモヤとしてくる。
実際彼と彼女の間になにがあったのかは詳しい事は俺にはわからない。
だけどもこうして再び合流する事ができたんだから仲良くやっていけたらなとは思う。
それにまだ彼女とまともな話もできていないのだ。
もしかしたらゲラニウムが一方的に背負い込みすぎている可能性も否定できないだろう。
とりあえずは明日彼女が目を覚ましてから、また話を聞きに行こう!
とゆう事で今日はもう寝る事にした俺であった。
夜が更け月明かりと星だけが照らす頃、森の中では大量の魔物の集団が移動していた。
魔物達は皆同じ方向に向かって一直線に歩いており、その方角にはコロンコロン村があった。
魔物達の集団の中でも一際目立つ魔物がいた。
その魔物は赤い髪にピエロのような格好と顔をしており、魔物達の群れの中心にいた。
「急がなくていいからね~?獲物達は今頃すやすや夢の中だしね~。気付かれないようにゆっくり歩くんだよ~」
ピエロみたいな魔物はニヤニヤしながら、陽気で無邪気な声で魔物達に指示を出している。
その指示に誰一人として返事を返す者はいないが皆足音を殺すように歩いていく‥‥
その様子にうんうんと頷きながら、近くにいた各隊のリーダー的な魔物3名に手招きをする。
3名の魔物は血相を変えすぐに駆け寄り地面に膝をつくとピエロみたいな魔物の指示を待った。
ピエロみたいな魔物はそれを満面の笑みで見ていたが、次の瞬間3名の魔物の頭は首から離れ、地面に転がっていた。
「足音を立てるなと言ったのに守れないなんてね~役立たずはいらないからね~これで処分完了だね~」
その声は陽気な声で怒りを微塵も感じない声ではあったが、殺気立った気を漂わせていた。
そしてピエロみたいな魔物は部下だった魔物の頭を拾い、その頭でお手玉を始めるとケラケラと再び笑っていた。
「楽しみだな~早く遊びたいな~プルヌス元気になっててくれてると嬉しいな~~」
その言葉は、空中へとただ消えていった。
お手玉をしながらさらに進むと求達のいるコロンコロン村の門が見えてきたため魔物の集団は進むのをやめ指示を待つ。
「やっと着いたか~じゃあ」
ピエロみたいな魔物は門に向かって軽やかに手を挙げすぐに手を振り下ろす。
「突撃~♪」
戦いを始める合図としてはふさわしくない声で魔物達に号令するが、
魔物達はその号令を聞くと嬉々として我先にと村の門へと一斉に向かっていく。
そして死ぬか生きるかの戦いが今始まったのであった‥‥
扉を開けた時「なぜここにいる?」と言われたが「ちょっと立て込んだ事情がありまして」と返しあらかたの事情を説明する事となった。
その後ゲラニウムと共に彼女の寝ている部屋に行ったのだが‥‥部屋に入り彼女の顔を見ると硬直していた。
ゲラニウムは「プルヌス‥‥?」と一言呟くと固まっていた身体が瞬時に動き出し、彼女の寝ている横に駆け出す。
どうやら彼女はゲラニウムの知り合いだったようだ。だとすればこの人を探すために森の中にいたのだろうか?
あんな魔獣がいるような森なのだ。よほどの事情がない限りあんなところで俺と出会うことはないだろう。
だが、こんな再会になるなんて‥‥現実は残酷である。
ゲラニウムは彼女の頬に手を伸ばし、そっと撫でる。
今仮面の下でどんな表情をしているのかこちらからは全く分からないが、想像するに難くない。
きっと彼にとってはとても大切な人だったのだろう。
そんな人が自分の知らぬところで傷を負い、今苦しそうに寝ているのだ。
かなり精神的にきついだろな。
仮面の男は肩を小さく震わせながら、彼女を見ている。
さすがにこの空気には耐えられそうにはないので、落ち着くまで二人にしてあげよう。
そう思い部屋を出て俺は少し早いが食事をしに向かった。
ご飯を食べながらしばらくすると、ゲラニウムが部屋から出てきてこちらに合流した。
「求‥‥すまなかったな。ちゃんと説明できてなくて。彼女を助けてくれてありがとう」
頭を下げ謝ってくるゲラニウムに俺は「いいよいいよ。俺はここまで運んできただけだし」と言った後に、「とりあえず飯でも食べながら話せる事だけでもいいから聞かしてほしい」と言うと「ああ‥‥そうだな」と言いつつ椅子に腰を掛けた。
既に半分ほど減ったおかずをつつきながら、話しを聞いていると彼女の名前は【プルヌス】というみたいで、幼馴染でもあり一緒に旅もしていた仲間だったらしい。
ただあまり言いたくないのか、なぜ逸れてしまっまのか聞くととても歯切れが悪かった。
うーむ、なんか事情がありそうではあるが、無理して聞き出すこともないので問い詰めるような事はせずにそのまま話しを終わらせた。
「まあ、なんにせよ!再び出会えたんだからよかったじゃないか!」俺はそう言いながら、ゲラニウムの木製のジョッキの中に酒を注ぐ。
「そうだな‥‥」
その声はかなり萎んでいて、複雑な心境である事を読み取る事ができる。
なんとゆうか何というのでしょうか?彼の纏う空気が俺の胃も刺激してくる。
いや~これは本当にどうしたらよいものか‥‥
悩みながちょびちょびと木製のジョッキを口につけて呑んでいるものの答えは全く出てこなかった。
どうすることもできないまま時間だけが過ぎてゆく。
昨日おじさん達も心配そうにこちらをチラチラと覗っている。
いや‥‥見てるだけじゃなくて今こそ昨日のテンションで絡んできてくれよ‥
なんでこんな時だけ来ないんだよ。
触らぬ神に祟りなしとは言うがそんなの関係なくこれそうな度胸が昨日はあったじゃん!
なのになんで今日は絡んで来ないんだよ。
心の中で愚痴を垂れながらも、悩んでみたが解決策はなかった。
結局終始ゲラニウムの気分を変えてあげる事はできずに、部屋へ戻る事となった。
ちなみに俺はおばちゃんが別の部屋を充てがってくれたので、その部屋に泊まる事となった。
寝ながらプルヌスの事とゲラニウムの事を考えていると、なんだか段々と心がモヤモヤとしてくる。
実際彼と彼女の間になにがあったのかは詳しい事は俺にはわからない。
だけどもこうして再び合流する事ができたんだから仲良くやっていけたらなとは思う。
それにまだ彼女とまともな話もできていないのだ。
もしかしたらゲラニウムが一方的に背負い込みすぎている可能性も否定できないだろう。
とりあえずは明日彼女が目を覚ましてから、また話を聞きに行こう!
とゆう事で今日はもう寝る事にした俺であった。
夜が更け月明かりと星だけが照らす頃、森の中では大量の魔物の集団が移動していた。
魔物達は皆同じ方向に向かって一直線に歩いており、その方角にはコロンコロン村があった。
魔物達の集団の中でも一際目立つ魔物がいた。
その魔物は赤い髪にピエロのような格好と顔をしており、魔物達の群れの中心にいた。
「急がなくていいからね~?獲物達は今頃すやすや夢の中だしね~。気付かれないようにゆっくり歩くんだよ~」
ピエロみたいな魔物はニヤニヤしながら、陽気で無邪気な声で魔物達に指示を出している。
その指示に誰一人として返事を返す者はいないが皆足音を殺すように歩いていく‥‥
その様子にうんうんと頷きながら、近くにいた各隊のリーダー的な魔物3名に手招きをする。
3名の魔物は血相を変えすぐに駆け寄り地面に膝をつくとピエロみたいな魔物の指示を待った。
ピエロみたいな魔物はそれを満面の笑みで見ていたが、次の瞬間3名の魔物の頭は首から離れ、地面に転がっていた。
「足音を立てるなと言ったのに守れないなんてね~役立たずはいらないからね~これで処分完了だね~」
その声は陽気な声で怒りを微塵も感じない声ではあったが、殺気立った気を漂わせていた。
そしてピエロみたいな魔物は部下だった魔物の頭を拾い、その頭でお手玉を始めるとケラケラと再び笑っていた。
「楽しみだな~早く遊びたいな~プルヌス元気になっててくれてると嬉しいな~~」
その言葉は、空中へとただ消えていった。
お手玉をしながらさらに進むと求達のいるコロンコロン村の門が見えてきたため魔物の集団は進むのをやめ指示を待つ。
「やっと着いたか~じゃあ」
ピエロみたいな魔物は門に向かって軽やかに手を挙げすぐに手を振り下ろす。
「突撃~♪」
戦いを始める合図としてはふさわしくない声で魔物達に号令するが、
魔物達はその号令を聞くと嬉々として我先にと村の門へと一斉に向かっていく。
そして死ぬか生きるかの戦いが今始まったのであった‥‥
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