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第1篇 : ケモナー男子高校生、ケモナー冒険者にJob-change!
4≪俺、王国にて冒険者となる≫
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「…てことでねー私がキョウスケをこの世界に引き入れたんだニャー」「ムッ、それではキョウスケは自分の意思で来た訳ではないのか⁉︎」「いや、何ソレ俺も初耳なんだけど⁈てか、自分の意思でこれる訳ないだろぉー」「それよりヒナタ、俺が家で寝てる間にこの世界に引き入れたと言うのか?」「一体どーゆうことだ⁉︎」と、「はいはい、皆様到着致しましたよ」「ほら降りて下さい」と、そこで俺たちが目にしたものは天を指すようにそびえ立つ巨城だった。俺たちがいる門の前には両脇に竜を象った立派な噴水が天に向かい咆哮する様に建っていた。日本じゃ見ることのできない景色に当然のことながら感動していた俺はその光景に魅入っていた。それから10分くらいだろうか、ハッと我に返り辺りを見るとレイや、ヒナタ、あの守護防衛特務隊と名乗る怪しい人達はいなくなっていた。置き去りにされたのだ。たった10分程度景色に魅入っていただけなのに置き去りである。とりあえず道が分からないので近くの衛兵達に聞いてみる。「あのーすんません。王様のとこへはどうやって行けばいいんすかね、もしよければ道を教えてくれませんか」そう、笑顔でニッコリと話しかけたのだが、答えは『おーい至急応援を頼む怪しい人種の男を捕縛した。これから牢にぶち込むから手伝ってくれ』『あいよー、ちっと待ってなー』というものだった。これはとんでもないことになった。牢獄なんかに入れられたら、二度とあいつらとは会えなくなるかもしれない。そんなの…嫌だ!そうだ、捕まらないためには身の潔白を証明すればいいよな。そう考えたキョウスケはまたも衛兵に声をかけた。「あのー俺は怪しい者じゃありませんよ?」まずは怪しい者ではないというお決まりの否定から。それに対して衛兵は、「嘘を言うな!」「お前の身なりからするにこの世界の者ではないのだろう?それに加えて招請状もないのに王様のとこへ行く道を教えろだと?教えるわけなかろう!!そのような怪しい者はまず捕えるのが先なのだ。」「ちょっと待ってくださいよ!確かに俺はこの世界の出身じゃないです。でもそれは皆さんも同じでしょう、ヒナタからこの世界もといこの王国は様々な亜人族で成り立っていると聞きました。ですから皆さんも元々この王国に住んでいらした訳では無いのでしょう?」「だったら、俺もあなた方も同じ立場のはずです、どうか王様のところへ通して頂きたい。」「ダメだ」「なんで!」『それが俺たちの仕事だからだ』突如響いた抑揚のない冷たい声。どこから聞こえたのかと辺りを見ると、俺を取り囲んでいる衛兵たちのすぐ後ろからその声は発せられているのだった。「あんた誰だよ」「お前こそ何だ、ココは俺の管轄下だ面倒を起こすなそしてこいつらは俺の部下で、仕事をこなしているだけだ。」「邪魔をするならお前を牢と言わず今ここでコロス」そうスパッと言い放った。何と過激なやつだ。細身で長身のいかにも冷酷そうなこの男はマサトと名乗った。「俺はこの国のSPの統括をしている。俺は無礼な奴が一番嫌いだからな、上下関係をしっかり解らせておく必要があると常日頃考えている。よって、お前のようなわけのわからん奴にも教えておいてやる。俺は≪ヴィースタ≫全てのSPを統括する王国防衛部所属SP統括部隊第36代総隊長マサト・アレロスだ」「しかと覚えておけ」「あのー総隊長、そろそろこいつ牢にぶち込んでもよいでしょうか」「あ、ああ構わん。すまん時間を取らせたな」「それでは各自引き続き各地防衛を行うように!」『了解しましたあっ!!』そう言ってマサトは去って行った。さてさて俺はこれからどうなるんだろうなと、もうどうやっても抜けられなさそうな衛兵達の壁に囲まれ考え込んでいると、『オイ!貴様ら、そこで何をしているか!!』『もしや貴様らが捕らえているのはっ…。』そう声を張り上げまた別の一団がこっちに向かって来た。この声には卿祐も聞き覚えがあった。つい小1時間程前に王宮に連れて行くからと馬車で俺らを運んで来たナントカって名前の部隊長のおっさんだ。さっき馬車で連れて来た時とは違い、背後に沢山の重装備の騎士達を連れている。そこでマサトはふと足を止めて振り返った。「困りますなぁマサト殿勝手をなされては…」「なんだ貴様か。何の用だ?仕事の邪魔をしないでくれるか」「マサト殿、私は貴方のためを思い申しておるのですよ?貴方は少々プライドがお高いようだ。まぁ総隊長ほどの立場におられるのだから少しはプライドを持っておいて貰いたいものだが」そこまで言うと途端に男の表情は険しくなった。「しかし、いささか貴方の場合はプライドが高すぎる。いくら総隊長とはいえこう何度も命令違反をされては困るのです。」「ほら、そこの。貴方が部下に任せている青年はもしもの時があったら私の元へ連れてきてくださいと、あらかじめ言っておいたではありませんか」「…」そう言っておっさんはマサトの部下の肩に手を置いて、「君はマサト総隊長から、何かこの青年について聞いておったかね?」と、衛兵の1人に尋ねた。だが、衛兵の返事は「いえ、私めはそのようなことは一切伺ってはおりません」と答えた。では君は?と、おっさんは別の衛兵に尋ねた。だが、答えは同じ「聞いておりません」というものだった。おっさんは深々と嘆息すると言った。「マサト総隊長、このまま勝手な行動をされますとわたしは貴方を捕らえなければならなくなります。」「そんなこと私にとっても貴方にとってもいい事ではないではないですか。ですから、私が貴方を捕らえなくていいようにもう少し責任を持って仕事にあたってください。頼みますよ。」そう言われたマサト総隊長は重々しく心底嫌そうな表情で頷き、言った。「……わかった。今回は上官の貴様に免じて言うことを聞いてやる。」と、それを聞いておっさんは深々と嘆息した。「まったく、仕方のない男ですねぇ」「あんな男に総隊長なんて位を任せるんですから神王の考えはわかりませんよ…。はぁ…。」「さてと、それはともかく君大丈夫でしたか?私の部下が失礼を働いたようですみませんねぇ」「君に狼藉を働いた者達は後で地下牢にでも入れときますかねぇ…。」「さて、それでは王宮にご案内させていただきますよ、しっかりついて来てくださいね。」「あのぅ、おっさん」「はい、何でしょう?」「ヒナタとレイは無事なのか?」「あぁ、ヒナタ様とレイ様ですね、もちろんご無事ですよ。なにせ王宮の王の御前にて王国一の私の騎士団がお守りしていますから。ご心配なさらずとも大丈夫ですよ」「そうか、よかった」俺は一息つくと尋ねた。「ところでおっさん、あんた何者だ?」「おや?先ほども申し上げたと思いますが、私はあなた方をココにお連れするために編成された守護防衛特務隊のしがない隊長ですよ」いや、そうじゃなくてっ!と心の声が出てきそうになってしまった。危ねぇ危ねぇ。期待していた答えとは違ったが一応納得しておく素振りを見せておく。「なるほどね、そうだったのか。」だが、俺のその言葉とは裏腹に俺の顔には納得できてないよという気持ちが表れていたのかおっさんは続けた。「おや、まぁ今はまだ分からなくていいんですよ、いつか分かる時が来るのですから。」「その時は胸を張ってお教えしましょう。」「さあ、ヒナタ様とレイ様がお待ちですよ。」そうして彼は卿祐を皇城へと連れて行くのだった。
* * *
さて、話の時間軸を卿祐が捕まえられた頃に戻そう。
その頃先に皇帝の御前に連れてこられていたヒナタとレイの2人は、なかなかお目にかかることのできない王宮に籠りっぱなしの神王ガルフのその姿に圧倒されていた。ヴィースタに加え、多数のギルド街を擁する王立国家ヴィースティアの中央王都に位置する王宮、「飛翔宮」の王立元老院議場に据えられた元老院議員らが鎮座する議席より三段ほど上がった先にある無数の宝石を散りばめられて造られたであろう煌びやかな玉座に踏ん反り返って座っているのは、ヴィースティア王国を建国、繁栄させてきたアルベリオ家。その第19代神王ガルフ・ジルーゼ・アルベリオであった。ヒナタとレイが圧倒されているのは王の威厳や、その玉座の煌びやかさなどではなかった。彼、神王ガルフの容貌に圧倒されていたのだ。彼は、王であるが、その姿は一般的な王の姿とは異なる、そもそも人では無いのだ。一般的な国家では、住民はヒト種であるから、当然それらを統治するのもヒト種の王である。しかし、さすがに獣人種の多い国であるヴィースティア王国は違っていた。国民の9割が獣人種という他ではあまり見ない国だが、それでも他の国に負けず劣らず統治がしっかり行き届いて獣人種という半分獣の彼等だが荒れることなく、ヴィースティア王国は平和の世を保っていた。その王国民を統治する神王ガルフ・ジルーゼ・アルベリオもまた、彼等同様ヒト種ではなく、彼の場合古代竜神種という
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さて、話の時間軸を卿祐が捕まえられた頃に戻そう。
その頃先に皇帝の御前に連れてこられていたヒナタとレイの2人は、なかなかお目にかかることのできない王宮に籠りっぱなしの神王ガルフのその姿に圧倒されていた。ヴィースタに加え、多数のギルド街を擁する王立国家ヴィースティアの中央王都に位置する王宮、「飛翔宮」の王立元老院議場に据えられた元老院議員らが鎮座する議席より三段ほど上がった先にある無数の宝石を散りばめられて造られたであろう煌びやかな玉座に踏ん反り返って座っているのは、ヴィースティア王国を建国、繁栄させてきたアルベリオ家。その第19代神王ガルフ・ジルーゼ・アルベリオであった。ヒナタとレイが圧倒されているのは王の威厳や、その玉座の煌びやかさなどではなかった。彼、神王ガルフの容貌に圧倒されていたのだ。彼は、王であるが、その姿は一般的な王の姿とは異なる、そもそも人では無いのだ。一般的な国家では、住民はヒト種であるから、当然それらを統治するのもヒト種の王である。しかし、さすがに獣人種の多い国であるヴィースティア王国は違っていた。国民の9割が獣人種という他ではあまり見ない国だが、それでも他の国に負けず劣らず統治がしっかり行き届いて獣人種という半分獣の彼等だが荒れることなく、ヴィースティア王国は平和の世を保っていた。その王国民を統治する神王ガルフ・ジルーゼ・アルベリオもまた、彼等同様ヒト種ではなく、彼の場合古代竜神種という
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