Quirky!

リヒト

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Quirky! 3

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定期試験が終わった、その日の午後。

一旦家に帰って着替えを済ませ、橋の下へ向かうと、先に来たハスミが待っていた。

急いで来たらしく制服のままで、白い息を吐きながら、小さな身体の半分もあろうかというバスケットみたいなものを提げている。


「なんだそれ」


ハスミが上のフタを開けて見せ、覗くと、薄茶色の毛玉がモコモコ蠢いている。

長い耳…… ウサギか。


「これ、おまえが飼ってんのか?」


「うん。ネザーランドドワーフ」


そういう種類なんだろうな。

名前にドワーフと付くだけあって、俺の記憶にあるウサギの大きさからしたら大分小さい。

顔の横に付いたガラス玉みたいな黒い目が、こちらを見ている。

ハムスターなんかもそうだが、こういう目、何かが突き刺さることを想像してしまって、怖い。


「この子、とぉーっても賢いんだよ。歴代で一番かな。

絶対に人を噛まないとこと、恐怖心を遊びと捉えておねだりするとこが理知的だと思う」


ウサギが理知的?

田舎で飼ってたバカでかい白いウサギは、俺の手から草をひったくるようにむしり取って食うだけで、知性のカケラも感じられなかったが……。


「触ってみなよ」


促されるままに、恐る恐る手を伸ばす。


対象物=ウサギは上を向いて白っぽい鼻先を動かし、俺のPコートの袖をフンフンと嗅いでいる。


「…… ほんとに噛まないか?」


「噛まないよ!…… っとビビりだなぁ」


いや、別に噛まれるのが怖い訳じゃないんだ。

怪我には慣れてるから、痛みは別にして置いておける。

痛いとか以上に、噛まれたときすげぇ裏切られた気持ちになるのが嫌なんだよ。


…… あ、でもこいつあんまり動かないし、怖いくらい小さくもない。

これならイケそうだな。


そろそろと手を伸ばし、上から長い耳に触れると、ウサギがピクッと反応して、俺もビクッと手を引っ込める。


いやいや、ビクビクしてちゃダメだろ。

わざわざ連れて来てくれたんだから、きっちり触れるようになって見せないと。


もう一度、今度は背中に触れてみる。

ウサギはモゾモゾ動いているが、そのまま手のひらを当ててみても嫌がる様子もなく黙って触れさせてくれている。

なんだこのふわっふわな上にとんでもなく滑らかな手触り…… そうか、これラビットファーだ…… しかも、生ラビットファーなんだもんな。


「どう?」


「…… 温ったかい」


温かくて、柔らかくて、…… 俺を見上げるハスミが近くて、思わず心にも無いことを口走ってしまう。


「抱いてみたいな」


「え」


ハスミが細っこい首を動かし、キョロキョロ辺りを見回す。

俺も、今の自分の言い方がちょっといやらしい感じに響いてしまった気がして、そわそわ辺りを見回す。


と、少し離れたところで、サッカーをしてる小学生達が居るのが目に入る。

ハスミもそれが気になっているようだ。


「うーん。ハーネス着けて来てないし…… ここじゃ嫌だな」


「どこならいいんだよ」


なんだ俺。

何がっついてるみたいになってんだ。


思いはするけど、引っ込みが付かずにハスミの答えを待つ。

今日は予備校もなく、ハスミと落ち合う為だけにここへ来たようなものだ。

何も得るものが無いままに帰るのも損な感じがして、思わず食い下がってしまったが……。


「…… じゃあ、ウチ来る?」


「え」



ハスミの家は、橋を渡って対岸の商店街を過ぎた住宅地にあった。

商店街までは同じ中学の学区だが、その向こうの住宅地からは別の学区だ。

案外近くに暮らしていたことに驚く。

もしかしたらすれ違ったことくらいはあるかも知れないが…… 覚えはないな。

俺、今まで自分と関わりの無い人間には興味なかったから。


ハスミのひい爺さんが建てたという重厚な門構えのある木造瓦屋根の屋敷は、隣にある神社共々周りを雑木林に囲まれていて、鳥の囀りが響いている。

古くからこの土地にある家らしく、新しい工法の家が立ち並ぶ住宅地の中、ここだけ別世界のように静かだ。


女の家に上がるのは、初めてだ。

まぁ、かなり特殊なタイプではあるけれども、一応女なんだよな、こいつも……。


等と思いながら部屋に入った途端、ふわっと甘い香りがして、ドキリとする。

これは、いつぞやも嗅いだことのあるシャンプーか柔軟剤…… いや、ハスミの匂いなのか?

なんだか、もっとちゃんと嗅いでみたくなる匂いだ。


「着替えてくるから適当に座ってて」


適当に?って何だ。


窓際にベッドと学習机、入り口付近を除いては壁という壁が本棚に覆われていて、棚にも収まらない詰み本が床に侵食し、ウサギ用と思しきでっかいキャスター付きの檻、中央にガラステーブルが置かれていて、身体の小さいこの部屋の主ならかろうじて寝転べるのかな?くらいのスペースしかない…… 俺の部屋の半分くらいの広さだ。


この狭い部屋のどこに俺、座ればいい?


キョロキョロしていると、ハスミは入り口の脇に置いたバスケットの横のドアみたいなところを開いて、部屋を出て行った。


えっ。これ、ウサギ出て来ちゃうんじゃないか?


俺しか居なくなったハスミの部屋で、カサコソ音を立てているバスケットと対峙する。


ウサギは齧歯類だ。

齧る歯の類と書いて齧歯類。

飼い主には懐いているから噛まないかも知れないが、知らない人間なら齧るかも知れないじゃないか。


ウサギの登れない高いところ…… と見回して、ハスミのベッドが目に入る。

けど、まさか女の子のベッドに上がる訳には行かないよな……。


ベッドの上には、パジャマらしきモコモコした生地の服が乱雑に畳んで置いてある。

ここで毎日ハスミが寝ていると思うと、何故かしらモヤモヤした気持ちになる。


つーか“ウチ来る?”とか、何考えてるんだ?あいつ。

軽々しく男を部屋に入れるなんて警戒心のカケラも無い…… なんて、なんてなんて何意識してんだ俺は!

恐らくハスミに他意は無く、俺の頼みを聞き入れる為に考えてくれただけのことだってのに…… やっぱり仲間内での俺に対するムッツリスケベという評価は、不本意だが妥当なのか。

表立って下ネタを言うことは無いにしても、内側では色々エッチな誤変換をして一人ほくそ笑んでいる類の暗い人間だからな……。


と、予想通り、鼻先をヒクヒク動かしながらウサギがバスケットの入り口から顔を覗かせる。


うっ、こっち見てる……?


と思ったら、ぴょーんと綺麗な弧を描いて飛び出して来て、ガラステーブルの脇に立つ俺の足元をぐるぐる回り始めた。

ぐるぐる、ぐるぐる。

避けようにも、踏み出そうとする足の先にまとわりついて来て、危なっかしくて動けやしない。

ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる。

少し開いた足の間を8の字に縫ってみたり、時折逆転したりして、延々と回り続けるウサギ。

テーブルの脚に頭でもぶつけるんじゃないかと、危なくて目が離せない。

しかもその合間に、ポロリポロリと豆粒くらいの黒褐色のもの…… うわ、これ糞か?…… を落としている。

走り回りながらウンコするなんて、真似出来ない芸当だ。


それはそうと、この状態で、どこにどうやって座れと。


途方に暮れて突っ立っているところへ、下は制服のときの黒タイツのまま膝丈くらいのブカブカのフーディに着替えたハスミが、ペットボトルのお茶2本を持って戻って来た。


「お、おい…… なぁ、これ…… 何してんだ?」


狭いガラステーブルの上にペットボトルと小脇に挟んでた袋菓子をポイポイ載せながら、ハスミが俺の足元を回り続けているウサギを見て微笑む。


「歓迎されてるんだよ。

遊んでくれる人が来た!と思って、喜んでる」


「遊……」


ばないぞ、俺は。

そんな期待されてもな。

さっきはバスケットの中に居て動かないからこそ触れたんだ。

こんな自由に動き回る生き物には、触れる自信が無い。


薄茶色の毛玉は俺の足元を離れて飼い主の方へ移って行く。

ホッとして見守っていると、また一段と喜んでいる風で、ハスミの細っこい足の周りをぐるぐる回り始める。

ぐるぐる、ぐるぐる。


何か興奮したみたいに微かにぶー、ぶー、って聞こえるのは、コレ、ウサギの声なのかな?

こんな音聞くのは初めてだ。

ウサギって、鳴かないかと思ってた。


ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる……。

いつまでそうしているんだ、と呆れて見ていると、突然ピタリと立ち止まったかと思ったら、ぐるんと身体を捩り、カーペットの上で横向きにひっくり返って、バタッと倒れた。

白い腹が盛んに上下して、激しく呼吸をしているのが分かる。


「え……」


どどどどうした…… ⁈


「アハハ、大丈夫。はしゃいで疲れたか、目が回ってるんでしょ。

ウサギは関節が少ないから、横になるときはそうやって寝るしかないんだって。

私も初めて見たときは具合が悪いのかと思ってびっくりした」


どうぞ、と勧められて、ベッドを背にして狭い床の上に胡座する。

その間も、ウサギからは目が離せない。

ハスミからは、いつものことだからと心配しないよう言われるが、心配になる。


だって、こんな四つ脚投げ出して、…… ほら、目ん玉上向いて白目見えてるぞ…… 白いとこあるんだな、ウサギの目って。

つーか、ほんとに大丈夫なのか?こいつ…… こうやってて、知らない内に死んでたりしない?


無防備にも真っ白い毛の生えた腹を見せて俺の前に横たわるウサギを眺めて、こいつは野生では絶対に生きていけないだろうと確信する。


おまえ、外でそんな寝てたら、トンビかなんかの猛禽にかっ攫われるぞ。


「あはは。パンコ、アキくんに心配されてるよ」


俺の内心を読み取ったハスミが言うのを聞くと、ウサギはピクッと片耳を立て、それからぴょこんと起き上がってぴょんぴょん近付いて行く。

ハスミの指に鼻の上から頭の方へ撫でられて、心地良さそうに目を細めている。


「…… パンコ?」


「ん。このコの名前。

背中が小麦色でお腹が白くて、ロールパンみたいでしょ」


「そ、そうか」


安直且つ独特なネーミングだ。


「…… 名前呼ぶと来るって、犬みたいだな」


「ふふ。ウサギって割と賢いよ。

自分の名前、ちゃんと分かってる。

私があんまり“可愛い、可愛い”って言うから、自分の名前“カワイイ”だと思ってる節もあるけど。

結構感情豊かだし。

暇だと檻齧って『出せー‼︎』ってアピールするし、構ってあげないと不貞腐れて、扉開けてもケージから出て来ないし。

何言われてるかも、なんとなく分かってるみたいだね。

そんなとこ齧っちゃダメ!って言われると『えっ?何もしてませんよ?』みたいに誤魔化すし、叱られそうなイタズラをワザとして見せて、気を引こうとしたりもする。

分かってやっといて、ダメー!って追いかけられると『きゃーっ♪』って逃げながら喜んでるから、叱られてる意味が分かってるのかは、分かんないけどね」


ウサギってとぼけたりふざけたりもするんだな。

種類や個体にもよるのかも知れないが、そんな頭いいのか。知らなかった。


またポロポロと糞を落としながら寄って来て、何故か俺の膝に白い顎を擦り付けているパンコの小さな頭を、マジマジと眺める。


おまえ、脳ミソ何グラムくらいあるんだろうな。


「ね。前に話してたアキくんの田舎のことだけどさ」


不意に尋ねられて目を上げると、ハスミは床にばら撒かれた粒々を摘んで手に拾い集めている。


「うん?」


糞を。素手でか。…… いくら可愛いったって。


俺が目で問うと、ハスミは何故か目を逸らす。


「…… まだアカハライモリ、居るかなぁ?」


「どうだろうな…… あれから一度も行ってないから」



『田舎』で今思い出すのは、線香の匂いだ。

最後に行ったのは小5のときで…… 何も聞かされてはいなかったが、あれは多分、母さんの法事だったんだな。


今思えば、何故爺ちゃんは、嫁いだ筈の娘の法事を実家で営んだんだろう。

何か大人の事情があってそんなことになったんだろうが、俺からは親父に聞いたことは無い。

お手伝いさんからはずっと『奥様はご実家にいらっしゃいます』と聞かされていたし、物心ついたときから母さんは家に居なかったから、そんなもんだと思っていた。

小4の秋に亡くなったと知らされた時にも、全く実感が湧かなかった…… あの夏までは元気だったから、田舎に行けばまだそこに居るような気がして。


何故、離れて暮らさなければならなかったのか。

親父もそこら辺は話してくれたことが無かった。

あの頃も聞けなかったし、今もまだ聞けないでいる…… 2人の間のことを、俺が追及してはいけないと思うから。


母さんが元気だった頃、夏休みには必ず田舎に泊まりに行っていた。

小4の夏は、休みの間中、あそこに居た。

従兄弟が斜め向かいの同級生の家に遊びに連れて行ってくれ、そこには俺と同い年の子と、もうちょっと小さな子どもも居て、5人で遊んだ記憶がある。

照れ臭くて互いに名前を名乗ることもなかったが、そいつらとは会ってすぐに意気投合して、毎日朝から晩まで夢中になって遊んでいた。

何をして遊んだかはあまり覚えていない。

でも、一緒に居るだけで楽しくて、離れ難くて、帰り際には寂しくて堪らなかった。


また来年、ここへ来れば会えるかな。


そう思って帰ったのが、最後になった。

その年の秋から始めた野球で、毎年夏は忙しくなり、母さんが死んでからは田舎に泊まりに行くことも無くなったからだ。


あいつら、今どうしてるかな。

従兄弟ともあれっきり会っていない。

伯母伝てに電話で進路のことなんかを聞かれたり聞かされたりはあったけど、本人とは連絡を取ってないな。



「子どもの頃のアキくんって、どんな子だったの?」


「…… 人と遊べない子どもだったな」


学校から帰ると本を読むか、ゲームばかりしていた。

友達と遊ぶにしても、一対一なら遊べるんだが、集団の中では楽しめなくて…… 自尊心ばかりが高く、勝ち負けのある遊びは嫌いだった。負けるのが嫌だから。

かと言って、勝つのも嫌だったんだよな。

負けて泣いてる相手に、悪いことをしてしまったように思ったからだ。
 

「学校ではかなり浮いてたと思う」


力関係で成り立っている男共。

馬鹿らしくて、どの派閥にも属する気にはならなかった。

かと言って女と遊ぶなんて考えられなかったから、大抵一人で遊んでいた。

それでも興味を持って話し掛けてくる物好きなヤツも居て…… 海斗なんかはそうだ…… 多くはなかったけど、本当に信頼できるヤツとだけは遊べていた。


そんな俺だったが、田舎で出会ったあいつらと遊ぶときには別な人間に成れたように自由だった。

競争して負けて悔しくても楽しい気持ちの方が大きかったし、勝てば素直に嬉しかった。

何故だろう?


「…… 認め合えてたからじゃない?」


即答に目を瞬く。


「仲良くしたい、って思いが先にあると、自分を大きく見せようとしたり卑屈になる必要がないから、一緒に居て楽なんだよ。

その子達の間では、アキくんが自分自身を適切に評価出来てたから、素直に楽しめたんじゃないかなぁ」


ハスミの言葉を頭の中で繰り返してみて、なるほどと思い当たる。

野球をやっていく内に学んだことが、正にそれだ。

相手に敬意を持っていればごく自然に自分の負けを受け入れられるものであるし、勝っても、自分が認めた相手であれば、結果として勝敗が付いただけでどちらが勝ってもおかしくなかった、と、相手の健闘を讃えることが出来る。

負けたくない強敵ではあるけれども、旧知の仲間のようにも感じられるのは、互いにしてきた努力を認め合えているからなんだ。


元はと言えば、田舎で初めてあいつらと野球したのが楽しかったから、始めた野球だった。

野球やってなかったら、今も俺は自分の妙なプライドに固執して、どの集団にも馴染めずに、自分のことも認められずに居たかも知れない。


等身大の自分に満足できるくらいの努力を積み重ねてきて、それを共にしてきた仲間だから認め合えてる。

ガチのぶつかり合いも何度かあったけど、みんなで勝ちたいって思いは同じだったから遠慮なく率直な意見を交わすことが出来たし、批判されても受け入れて変わろうと努力をすることが出来てた。

ただの馴れ合いの関係ではなく、一つの目標に向かって一緒に向上しようって気持ちがあったからだ。


野球部の連中と居て楽なのは、そういうとこなんだな。

そうか。そういうことだったのか……。


俺が何年も掛けて辿り着いた答えを、サラッと口にすることの出来るハスミ。

こいつは今までどんな経験をして、何を考えて生きてきたんだろう。

なんかすげぇヤツだな、って思ったら、益々興味が湧いてくる。


そういえば、女とはこんな話をしたことがなかったな。

俺らとは別な生き物だって思ってたから、女ってだけで敬遠してたとこもあるけど…… こいつには、他の女には無い安心感がある。

あんまり女っぽくないからか?…… なんて言ったら失礼か。

なんて言うんだろうな。

この、肚割って見せたくなる感じ。

こんなの普通アウトだろ?って球でも、巧みにセーフで留めて、ちゃんと胸に返してくれる。

話すのが投球練習みたいで楽しいなんて、今まで相方の捕手をはじめ一部の野郎同士の間でしか感じたことの無い、心地良い感覚だ。



いつの間にか傍に寄ってきて、ふんふんと俺の指先の匂いを嗅いでいるウサギ…… パンコだったな。

さっきハスミがやっていたように、鼻先から耳のところまでの頭?の部分を撫でてみる。

俺とは全くの初対面だってのに、嬉しそうに目を細めて大人しく撫でられてる…… 警戒心とか全く無いんだな、おまえ。

ヒトを疑うことなく頭を預ける様子から、如何に普段飼い主から可愛いがられているのかが分かる。


俺が指を離すと、鼻先を上に上げて追うような仕草をするパンコ。

もう一度指先で額?の辺りを触ってやると、指に向かって頭を突き出してくる。


俺とパンコの無言のやりとりを見ていたハスミが、ふふって笑う。


「『もっと撫でろ』って」


「………?」


ハスミの方を窺うと、俺に向かってうんうんと頷いて見せている。

手のひらで頭から背中、尻の方へ向かって身体全体を撫でてやると、パンコはしゅる~っと溶けるようにその場に寝そべる。

あ、足の裏までモフモフなんだな、こいつ。


長い。

 長いな。

う、ウサギってこんなに伸びるものなのか?

ちょっと伸び過ぎじゃ…… 大丈夫なのかコレ……?


「す~っごくリラックスしてるんだよ、それ」


戸惑っている俺に、ハスミが小鳥みたいに首を傾げて笑い掛ける。


「うん、恒温動物第一段階、合格!

…… ってことで、いいかな?」


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