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第306話 アメリカの友人たち

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「あはは、楽しかったねえ」
「ああいう、楽しんだもの勝ちなゲームもいいだろ?」
「公式戦のピリピリした雰囲気も好きだけど、ああいうのもいいわね」
ゲーム自体を楽しむストリートバスケは桜の好みに合ったようだ。
「楓も、楽しめたかな?」
愛翔や桜ほどの運動能力はないけれど、楓も決して運動が苦手というわけでは無い。そのため、ドリブルでのカットイン、相手とのコンタクトの無い3ポイント等それなりに動いていた。さすがに愛翔や桜のようにはいかなかったが。
「そうね、勝ち負けにこだわる必要のないゲームは楽しめたわ」
”決める前に一言確認はしてほしかったけれど”と苦笑いをしながらも印象は悪くなかったようだ。
そして、桜と楓の2人は愛翔の両腕に抱きつく。
「ね、次はどこに連れていってくれるの?」



そこから愛翔が当時所属していたサッカークラブ、ハイスクールとまわり、今はカフェで休んでいる。
「あら?アイト。アイトじゃない」
声に振り向いた先には蜂蜜色の髪のゲルマン系の女性が立っていた。
「え、あ、クリスか」
「久しぶりじゃない。あ、あなた達はサクラとカエデだったわね。久しぶり」
以前は腰まであった蜂蜜色の髪を肩までのミディアムロングに切りそろえたクリスだった。
”この子まだ諦めてないの?”と警戒する桜と楓をよそにクリスの後ろから声が掛かった。
「クリス何してるんだ?」
「あ、カイル。アイトがいたのよ」
そう言いながらクリスが後ろから現れたカイルの腕にしなだれかかる。
「え?あ、本当だ。アイト、久しぶりだな。今日はどうしたんだ。おまえ日本にいたんじゃないのか?」
「え、カイル。そうかそういうことか」
愛翔が2人の様子に頬を緩め。
「となると、ケイトは?どうしてる?」
「ああ、あの子は今イギリス留学中よ。一緒に大学に入ったのに、なんか学年途中で留学するって言いだしてULKって言ったかしら。ロンドンの経済系の大学に通っているはずよ」
なんとなく察した愛翔はカフェの天井を見上げため息をついた。
フッと警戒を解いた桜と楓にクリスが気づき笑顔で手を振り警戒しなくていいと示し
「大丈夫よ。もうアイトを狙っていないから。それはそうと今も3人一緒なのね。まだ決められないの?」
桜と楓は2人そろって左手の薬指に光るダブルリングを見せニッコリと笑っていた。

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